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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
4.アミ編
92/120

92.ウェツギへ

〜前回のあらすじ〜

ギルドから緊急の依頼を受けたリゼ。1日が空いて暇なので、シンと出かけます。我らが住む国フィシチニの北、そしてリゼの向かうアーヴェキニスアの南にあるウェツギへ、出発!

あと、書き溜めがなくなったので土日投稿に戻します。

「私は、回復薬を駆使してゴリ押しでアーヴェキニスアまで行くから。アミたちは……まあご自由に」


前、シンはたしかアーヴェキニスアは遠い国だ、と言っていたはずだ。ということはかなりのポーションを使って行くのではないか。


「ちなみにポーションってどれくらい持って行くの?」


気になった私はリゼに聞いてみた。


「軽く30……いや、40は持っていこうかな。使わなければ持って帰ってくるし」


……聞かなきゃよかった。

ポーション1個は約金貨2枚。ショボい魔石1個で銅貨2枚だと言えば、その高さがわかるだろうか。銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚だから、合計で銅貨8000枚だ。


「え、80万円相当を……」


シンがつぶやいている。


「円って何?」


新しい情報か!?と目を光らせたリゼに問われている。


「あぁ……アノンの言っていた、異世界の通貨の単位。銅貨1枚が100円って言ってたかな」


「それっていつ使うの?銅貨、とかじゃだめなの?」


「よくわかんない……まあいいじゃん。時間、ないんでしょ。行こうよ」


話を無理やり切り上げさせ、シンは魔王城の門へと向かう。途中でシンに頼まれ、タウは念の為罠の解除をしていた。帰ってきて死ぬとか笑えない、と言っていた。


「じゃ、私は先に行くから。おふたりは仲良くどうぞー」


門から出てすぐに、北の国境門へとリゼは身体強化をしながら走っていった。




「リゼ、行っちゃったね」


数秒後には完全に私の視界からいなくなっていた。

身体強化は偉大だ。


「そうだね。僕らも行こうか」


私たちは国境門に向かい、ゆっくりと歩き出した。


北の国境門。それはこの国、フィシチニに存在する最北の門。魔王城からさらに北へ行き、魔獣の出る森を抜けた先にある、この国で最も使われていないであろう門。フィシチニへは別に西の門から海を介して行くことができるため、時短を考える人以外は使うことのない門だ。


「さすがに門に直接転移すると驚かせるから、アミ。ここらへんに転移して」


シンは、地図を指さしながら私に指示をする。


「森の中、だよね?警戒は任せたよ」


私はシンと手をつなぎ、転移魔法を発動した。





目を開けば、一面に木々が広がっている。

そして聞こえる、魔獣の唸り声。


「シン、何匹?」


私は鍛冶魔法でクナイを作り出しながら聞く。

お互いに背を向けて、警戒の態勢を取った。


「約20匹。騒ぐと他のも寄ってきそうだ。静かに、素早く僕が倒すよ」


シンはそう言うと、手袋を取り、剣を握った。

それから木に登り、高さを手に入れる。

約半数である、木の上にいる狼のような姿をした魔獣たちを、木を渡り走りながら狩っていく。

一匹一匹の首を的確にはねながら。

それが終わったかと思うと、地面に急降下しつつ、一匹の狼を剣でさした。もちろん即死。

その後に、集まって攻撃に来た残党を切り払った。


その間わずか10数秒。圧勝だ。


「よし、行こうか。アミ」


手袋を付け直し、差し伸ばされたシンの手をとった。




森の中を歩き、門の目の前にまで来た。

その間は特に何もなく、門はすぐに見えてきた。


門の前にはひとり、兵士のような人が立っている。


「ウェツギまで」


シンは、兵士の人に話しかけに行った。


「はいよ。注意点はウェツギ側で話してくれるから、行っていいよ」



そう言って重そうな門を開いてくれた。


「アミ、ここからは魔法を極力使わないように」


門の中を歩きながら、言われるであろう注意点をシンが事前に教えてくれる。


「通貨はこっちと変わらないけど、値段が高いね、観光地だから。今回は主に西側を見に行くから、少し暑いかも。あとは……」


とまあたくさん話してくれた。

ちなみに、その内容はウェツギの門の前にいた兵士がもう一度話してくれた。ほぼ放心状態で聞くしかなかったが、なんとか意識を保っていられた私を誰か褒めてほしい。


「そういうわけで、魔法は極力、使わないように。あと、今日はお宅の国の王様がアーヴェキニスアへ行くまでの仲介としてのパレードがある。よかったら見ていきなよ」


兵士の人が、注意点を話し終わったようだ。

シンが銀貨を2枚渡すと、近くにあったレバーを下ろしてくれる。すると重そうな門が開く。


見えてきた街並みは、東と西で大きく違っていた。

東側は、高い建物も多く、石だろうか、無機質な雰囲気の建物が多い。煙のようなものも上がっていて、舗装された道の上を馬車が通っている。

対して西側は、低く木でできた建物が多く、海も見える。道は自然なままで、空の青さとマッチしている。


「さらに工業化が進んだな……さすがウェツギ」


シンからこぼれ落ちたこの言葉。


「すごい…!楽しそう!」


私からこぼれ落ちたこの言葉。


『……嫌な予感がする』


タウからこぼれ落ちたこの言葉。


三者三様なそれらはこの国を明確に示していた。


「ようこそ、ウェツギへ」

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