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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
3.前哨戦編
65/120

65.救い

いや、いきなりそう言われましても。

意味がわかってない。


『だから、来いって。さもないと俺から行くぞ』


…なにかわからないけど、多分大丈夫。


とりあえず、近づいてみる。


『何?』


『ほら』


床に座って、タウが手を広げる。

えっ…つまり…


『いいの?そんな…』


『俺がわざわざ許してやっているのだから、さっさと来い』


……不器用。そして、解釈違いだ。でも。


『ありがと』


私はタウの膝の上に乗り、ただただぼーっとしていた。


『まあ、俺はそんな裏切り方はしない』


そう言って頭を撫でてくれた。


『…ありがとうね』


小さい子って感じだったから、ついついそんな口調になってしまった。

私にとっての救いは、彼しかいない。たとえ、人殺しでも、私を利用しようとしていても。





5分ほど後。


『よし。もう大丈夫。また来れるよね?』


『まあ…俺から招集する形にはなるはずだ。俺の方が権限が強いから』


『なんで?』


『魔力量が多いから…かな。まあわからないが』


ふぅん。魔王様にわからないことが私にわかるわけがない。


『ばいばい』





目を開けると、宿だった。

いつの間にか、ソファで寝ている。

近くには、リゼもシンもいた。


「えぇっと…どうして?」


「あ、起きた!シン、起きたよ〜」


「あぁ、よかったぁ。何があったか、覚えてる?」


まだ、タウのことは言わなくていいかな。


「外にパン買いに行って…食べたら毒入りで…倒れた」


「結構鮮明に覚えてるじゃん。まあ、続きとしては、私が起きて、アミがいないことに気がついたからシンも起こして…」


「ちょっと待って。僕はあれを起こした、に入れない。あんな無理やりな起こし方ひどくない!?朝から毒で起きるって…」


まあ、そっちも大変だったということで。


「シンは放置でいいよ。で、探しにいって。まあ、シンが探ってくれたから早かったけどね。気配が薄くなってたから、見に行った。すると、倒れてたから、シンがお姫様抱っこして連れてきた、と」


えぇ…。まあ、ありがとうなんだけどさ…。


「そんな引いた顔しないで…傷つくから…」


だってさぁ…。


「今日はどうする?休んだほうがいい?」


シンに聞かれる。


「いや、大丈夫。行けるよ」


私はそう答える。

リゼはこう言った。


「う〜ん。心配だから、午後から行こっか」


優しいなぁ。この人たちは。


「僕もそれがいい…毒の残りがきつい…」


「起きなかったのが悪いから」


でも、当たりが強いなぁ。


「わかった。じゃあ午前中に昨日の報酬の話ししてよ」


私は、時間を効率的に使おうと提案する。


「そうだね…まあ、お金としてはそんなに多くないんだよね…魔石を落とさなかったじゃん?だから、依頼料だけ。…まあ、金貨10枚だから、いいくらいかな。でもまあ、私たちも結構お金持ってるからそこまで変わらない…」


「それで、魔石については…?」


シンは何かを聞いていたのだろうか。


「何もわかんないって…そんなことあるんだぁって感じらしい」


「それって、普通は魔石が落ちるってこと?」


「そうだね。しかも、その魔物の性質を引き継ぐから…最後の3体のドラゴンとか、絶対良かったのにね」


そうなんだ。なおさら疑問となる。何でそうなったのだろうか。


「多分…」


シンが切り出す。

何か言いたげだ。悩むような素振りのあとに言った。


「僕の予想だと」


少し勿体ぶってから、


「最後に倒すドラゴンの配下だ」


と言った。そしてこう続ける。


「魔石を残していないってことは、何かを媒体としたただの幻想という可能性がある」


「え、でも戦ったよね」


「契約の種類かもしれない…配下を増やす代わりに何かを差し出したのかも。だから、不完全。強いっちゃあ強いけど。それなら魔石がないことにも説明がつく」


なるほど…?


「だからこんなに一気に出てきたのかな」


「多分。様子見とか、実力の判別とか。僕たちが倒しに行くことをどこかで聞いたのかも…」


でも、どうやって?


「アミ、首を傾げてるね。まあ、わからなくても問題ないけど。これも契約だと思う。情報を知る代わりに、何かを差し出してる的な」


「契約ってすごいね」


「契約って、元は私のスキルからだから。理、という存在が確認されたことで、それに任せれば良くなったの。初めは、私たちしかできなかった」


君は何歳なのかな?すごく疑問だけど。


「それにしては私とかシンのスキルって弱k…」

急に、眠気が襲ってきた。


「ごめん、ねるね…」


意識を手放すしかなかった。


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