66.定期会議
目を覚ましたのは、夕方だった。
「…はっ!寝てた!」
目の前には、剣を抜いたシンがいた。
「おはよー。暇だったから、剣の手入れしてたんだ〜。敵意はないよ」
シンが剣をしまう。
いや、それよりも。
「もしかして今日って終わった…?」
「今から行くのはちょっと嫌だね」
空の色はもう赤い。
早めに行きたかったのに、寝ちゃってた。
2人を前にして謝る。
「大変、申し訳ございませんでした…!!」
「まあまあまあ…そういう日もあるよ」
「シンの言う通りだよ!明日行こうね!」
2人が優しい…。
ついでに言っておくと、私はベッドに連れていかれていたらしく、ベッドの上で謝っている状態だ。
「ほんと、いつも迷惑ばっかりでごめん…」
「「お互い様ですから…」」
そんなことはない気がするけどな。
「まあ、今日は寝ますか」
月が出てきてからだいぶ経っている。
「そうだね。おやすみ」
「おやすみ」
そう言っても、私は眠くない。
なぜかって?
昼寝しちゃったからだよ!
一応ベッドに転がるが、寝れそうにもない。
『タウ〜寝れる気しないんだけど』
『俺が作った特別な睡眠薬だったからな。良く寝られただろ?』
…まさか。
『タウが原因かよ!』
『今日は恒例の会議だろ。だから睡眠時間確保してやったんだ』
先に言ってよ。
『まあいいや。じゃあ許す』
『はいはい。せっかくだから招くか』
お!あの場所だ。
目を閉じる。辺りは暗闇。
目を開くと、白一面の部屋…だけじゃない。
ベッドや机、ソファなど。様々な家具がおいてある。満喫してるね。
『こんなのできるんだ』
『そうだ。まあ、こんなこともできるが』
そう言った直後に出てきたお茶。
『すごいね。このスキル』
私への恩恵はあまりないけど。
『…まだできることがあるんだが…これはお前の許可がいるな』
『なになに?』
『悪夢の再来』
やばそう。
『いや、冗談だ。正式名称ではない。まあ、シンからしたらそうかもだが』
『で、どんなの?』
『俺の実体化、みたいなもんだ。アミの近くにいなければならない上に、魔力消費も激しい。1分で180。しかも、アミからの許可が下りないと無理だ』
なかなか制約が多い。
『なんかわかりやすい合図いるよね?』
『アミが、いいならな。流石にバレるぞ。これを使えば…』
『まあ、いつか言うから』
『いつだよ』
『…いつかね。で…合図、どうするの』
『いらないだろ』
でもさ…かっこいいじゃん!
そんな気持ちが伝わったのか、タウが考えてくれた。
『…召喚でいいんじゃないか?召喚術とかをアミはやっていないから、わかりやすいと思う』
いいじゃん。
『言う前でも、危険だと思ったら使え。俺ならお前を助けられる』
自信に溢れている。
『あと、今日話していたドラゴンの件だが…』
なんか言ってたね。そう言えば。
『シンの言うことも一理あるが、主にあるのは俺の魔力だと思う』
『なぜ』
『昔…ちょっとな。黒龍に記憶されるような事件が……』
いじめたと。そういうことでは?
『まあとにかく。それなら契約よりも楽に情報が手に入っているはずだ。それだけ』
へぇ。
『じゃあ、会議終了!解散』
『そうだな。眠毒』
あっ……一気に眠くなる。
『特製だからな。効き目も早い』
そう言いながらベッドまで運ばれる。
お姫様抱っこだった。兄弟だなぁ。
『なぜ眠らせたのか。もう流石に寝ているから独り言もいいだろう』
まだ起きている…けれども、話す元気はない。
『お前を殺さなければならないからさ』
…聞き捨てならないことを聞いちゃった。
『それって…ど…うい』
眠い。これは、もうだめかも。
『!!起きていたのか。前ので耐性でもついたのか?まあいい。次からはもう少し強めでいいな…』
『それよりも、まだ聞こえていそうだな。……ここからの帰らせ方が特殊なんだ。仕方がないだろ。わざわざ痛覚を感じないように眠らせてやってるんだ』
『あぁ、ここでの出来事は現実には関わってこないから大丈夫だからな』
もう寝ている。
だから、この先は聞いていないが。
『休め』
刀を振るわれる。
『…やはり炎でも纏わせないと違和感が大きいな…』
そんなことを言っていたらしい。




