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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
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48.戦闘の授業6

「よーし、じゃあそれを的に撃ってみてよ。あっちにあるんだけど……」


そう言って甘党先生が指差したのは、校庭の中でも少し奥のほう。私はそこに歩きながら、ちょこちょことついてきている甘党先生に質問してみた。


「先日は大丈夫だったんですか?あの、武器をいろいろ試した日……」


私がそう言うと、あぁ、と思い出したように甘党先生は答えた。


「いやぁ、あの後に院長先生から怒られちゃったね。そのせいで今日は的を使うしかなくなったんだよ……」


あ、怒られちゃったんだ、だからかぁ。


……じゃなくて!私が聞いたのは甘党先生の体が無事だったかってことなんだけど……。


「あの……先生は……」


「ついたよー。じゃあ、矢を撃ってみて!」


あー、話をするチャンスが終わってしまった。きっと、話にする必要がないほど元気なのだろう。そういうことにしておこう。


私は約10m離れた場所から的に向かって矢を撃つ、のだが……。


まずは火魔法の矢、と思ってセットしたら、ツルッと滑っていってしまった。


そしてそれの向かった先には、ちょうど甘党先生が立っていた。


辺りが炎に包まれる。私の予想以上の猛火だった。やらかした。そして熱風がばっと吹き荒れる。甘党先生は、そんな炎の中から出てきた。


「おーい、アミ。僕じゃなかったらだいぶ危なかったね。大丈夫だった?」


いや、私は無事だけど……先生はよく生きてたな。


「まあいいや。次、氷魔法」


私は弓に氷魔法の矢をセットする。


「あっ……」


また手を滑らせた。金属だから、表面が滑らかすぎてすぐに手から離れてしまう。

矢が地面に当たる。またまたそこにいたのは甘党先生。

先生に向かって何十本もの氷の矢が上から降ってくる。その大半は先生に直撃していた。


「アミ、本当に僕が担当でよかったよ。人間だったら死んでた」


いや、死んでなくてよかった。焦った。

今回は絶対に終わったと思った。

結界も張っていないし、火魔法を使う気配なかったから。


「すみません、ほんと……」


「いいよ。次、風魔法……」


私は弓にセットをする……。

どうせ滑るだろうなと思いながら。


「どうせ刺さりますね」


甘党先生はわかっていたかのように、私が手を滑らせて発射してしまった風魔法の矢を受けた。


……もう弓、いやだ。


「弓って引っ張るの難しくないですか!?」


弓が硬いのか、私の力が弱いのか。

張りがうまくいかない。

しかも、矢を押さえることが難しすぎる。

手からツルッと滑っていってしまう。


というか、もうすでに数本ツルッっとやってしまい、甘党先生にすべて直撃させている時点で実際に戦闘で使えるわけがない。仲間に当てるのがオチだ。


「うーん……こうやって……」


甘党先生が後ろから弓を引っ張ってくれる。それならうまく矢を押さえられる。弓を引っ張るところに使っている力を、矢を押さえるほうに使えるからだろうか。こうやって考察していく中でも、ひとつだけ明瞭なことがある。

もしかして、弓って私に向いてない……?


「とりあえず、僕が全部撃ってみるね。付与魔法の方の確認はしておきたいから」


甘党先生は私からすべての矢を受け取り、的に次々と撃っていく。


的は次々と様々な効果を受ける。


そこに土の壁ができたり、毒っぽい空気が流れていたり、回復の光っぽいものがでてきたり、闇っぽいモヤモヤが出てきたり。


さすが先生と言うべきか、狙いが的確だ。


「すごいですね……」


「まぁねー」


甘党先生は弓を片付けた。


「アミには弓が向いていなさそうだ。今日のところは不合格といこう」


あぁ……やっぱりそうなるか。


「明日、他の遠距離武器を試してみよう。どれがいい?」


甘党先生は、近くにあった机に武器をジャラジャラと出した。


「これとかどう?異世界から伝わってきた、手裏剣ってやつ」


刃を作らなきゃいけないのに、こんな細かい設計ができるか!というような武器を見せられた。うん、これはいやだ。


私が首を横に振ると、今度は小さな槍のようなものを見せてきた。


「じゃあこれは?クナイっていう、昨日に異世界から伝わってきた武器でね……」


刃物だ。まあまあ小さめではある。


「詳しい人がいないからイメージで形も使い方も決めたとか言ってたけど、あの子。結構万能でさ、これ」


刃の部分を指でさぁ……と撫でながら話す。

カッコつけたいのはわかるが、血が出てますけど?


「小刀のように斬ることもできるし、コストがそんなに高いわけでもないから量産しやすい。よって投げることもできる。しかも足場にもしやすいし、地面も掘れる」


いや、地面は掘らないし、足場にもしませんけど……?だって魔法でいいし。


「でも、それを持てば小刀はいらないってことですよね?私、それがいいです」


楽だから。その理由に尽きるけどね。


「うーん、ならテストの結果をどうしようかなぁ……まあ、小刀を使う機会もあるかもしれないし、いいや。クナイの授業で1単元に変えよう。明日はこれの授業するから。作れるようになっといて」


そう言ってぽいっと私にクナイを投げた。

一応刃物だったはずなんですけどね……?

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