46.番外編1 500年以上前の話
後半と書いただけで、本編の続きとは書いていないのでセーフだと信じて、初の番外編です。
「あーっ、もうやだ。ほんっと、人間って嫌いなんだよなぁ、こういうところが!」
僕の声が、部屋に響いた。
しかし、誰も答える人はいない。日本にいたら、もし異世界に来ていなければ、こんなことはあり得なかっただろう。ここに来られたこと自体はとても幸運なことだ。そこは考えても無駄だ。自分が作った、よく分かってないシステムなんだから。
「なーんでこうなるかな……」
僕は今日、異世界人の仲間と一緒に旅行に行っていたのだ。革命が終わり、少し栄えてきたウェツギに。つい最近まであそこで革命を先導していた気がするのに、やっぱり年をとらないと感覚が鈍ってくるね……まだここに来てからそんなに経ってないけど。
ま、そこは今はどうでもいい。
僕は、ウェツギで夕日を見たかったのだ。革命のときに見た、あそこの海岸線からの夕日は綺麗だったから。
なのにあいつら、暗くなると嫌なので帰りましょう、とか言いやがって……。夕日が見られるのもあと30分後くらいの話だったのに。僕の話を聞く気配もなしに。
しかも、何がもっと嫌だったかっていうと、フィシチニ……この国に帰ってきた2時間後くらいにしか結局暗くはならなかったってこと!何のために僕は夕日をあきらめたんだ、悲しすぎる。
「いっそのこと、殺してやろうかな……」
そう思ったが、ふと立ち止まる。
殺すだけじゃあ面白くない。
そんなの、すぐに終わってしまう、この世界なら。僕の能力があれば。
僕の能力……いや、みんなは特性と呼んでいたっけ。僕の特性は、心から大好きな作品(日本のものに限る)の中で最も愛したキャラクターの能力を得られるというもの。しかし強すぎるため、制限はある。原作で明言されているものしか使えない、もらえる能力は、1番最初に決めた4つの作品のもののみ。
そしてこの能力は、物語を変えるときにしか使えない。
物語を変える、というのは、アミやタウ、彼女らの運命を、僕が書いた作品から変えるという意味だ。
だから、こんな私利私欲のために能力を使うことはできない。
魔法だったらいけるんだけどね。僕は闇属性しか持っていないから、闇属性の魔法はいつでも使える。ただ、魔力量はまあ特記なしといったところだから、あんまり上手に使えていない。魔力量を増やす方法もなくもないんだけど、ちょーっと面倒なんだよな。
「ま、とりあえず何もなかったかのように」
どうせ、彼女らの時代にすべて終わるのだから、すべて終わらせるのだから。




