42.主従交代
すみません、忙しいので短めです。
『おい、アミ。お茶が飲みたい。お前飲めば俺のところにも来るから、俺にお茶を用意しろ』
え、タウ、主従の……あ、そうだ。今日からは逆だった。
私はあり得ないほど眠いというのに。
一応窓の外を覗いたら、まだ空は暗かった。少しだけ、明かりも見えかけている。
しかし、やるしかない。
タウは、私の要望をなんでも叶えてくれた。
『かしこまりました、魔王様』
こうやって呼ぶと、少し苦い顔をするような雰囲気があった。
『俺は別に、魔王などと呼ばれることは……大量殺人以外はしていない』
うん、十分だ。
そもそも犯罪が少ないこの国で、そこまでの殺人を犯しているのだから、魔王でいいでしょ、多分。
『存じ上げております。迅速にお茶をご用意いたしますので、もうしばらくお待ちを』
案外、丁寧な言葉遣いって難しくないのかも。いや、間違えてるかもしれないけどさ。
『……早くしろ』
数分後、タウの苛立つ声が聞こえた。
『大変申し訳ございません。茶葉の場所を存じ上げませんでしたもので……』
そう、私はひたすら茶葉を探していた。
キッチンにあるかと思ったのだが、見つからない。かと言って他にある場所は思いつかない。
『……そこの棚の、上から3番目。そこに入っている』
え、ほんとに?疑いながらも開けてみると、本当に茶葉が入っていそうな缶を見つけた。
『なんでわかったの!?』
私が何分探しても見つからなかったのに……。
『言葉遣いが乱れている。それと、これはわかるのは経験則からだ。これで随分、憶測が確信に向かったな』
うぅ……サッと切り替えができるタウって、もしかして有能なのか…?
『それで、お茶は?』
あ、そうだった。
『た、ただいまお作りいたします!』
お茶の淹れ方は、タウから聞いていた。
よくバレないように紅茶を淹れていたから、その流れだ。
まず、ティーポッドを温める。その間にお湯を沸騰させておく。いい感じに沸騰したら、それをサッとティーポッドに注ぎ、茶葉を淹れる。1人につき3gほど。そしてその後、2〜3分ほど茶葉を蒸らす。その時、熱が逃げないようにタオルで覆う。数分後、お茶を少し高めのところから注ぐと完成だ。
『できました。では……』
自分で作って自分で飲むことで相手にお茶を渡すってものすごい違和感があるが、そういうものだと言われれば認めるしかない。
私は、自分で淹れたお茶を飲む。
「あっつ!?」
やっぱ、あり得ないくらい熱い。
『俺は熱い状態でも問題ない。だから、早く』
知るか!熱すぎて飲めないんだけど!
『私には、不可能です……』
そういう他になかった。仕方がない。
『……なら、少し冷めてからでもいい。待つ』
朝のひとときを過ごし、起きてきたクウに、早すぎだと驚かれ、時間が有り余った状態で作った朝ごはんが豪華になりすぎて、といろいろあり、もう授業が始まるころだ。
今日は休む。手紙を職員室に送っておいたため、問題ないはずだ……多分ね。




