43.図書館へ
『よし、図書館に行くぞ』
タウからの命令だ。
今日、休む代わりに図書館に行かないと、日数の計算が合わないのだから仕方がない。私は図書館に向かう。
正直に言おう。寝たかった。早く起こされたせいで、とっても眠い。
『そういえば、どうやって本を読まれるのですか?』
『お前が読めば、俺のいる場所まで送られてくる。だから今日は指示した本にひたすら頑張って目を通してくれ。そうすればいつでも読める』
それは便利だなぁ。
だって、いつでも本を読んで知識を思い出せるわけでしょ?でも、探すのが大変か……。
『おい、突っ立っていないで早くしろ』
あぁ、いけない。図書館前に着いたというのに、扉の前でぼーっとしていた。
『ただいま』
私は図書館の扉を開けた。そこにある本の多さを再確認し、今日の作業の大変さを心底感じた。
『ここの本……ああ、それだ。そこからそっちの14冊目……いや、そっちじゃない、右の…それだ。そこまで持って、机に行け。そこで読む。……あ、陽当たりの悪い場所にしておけ。お前、寝るだろ』
タウの指示をひたすら聞きながら、本を抱える。合計14冊だ。どれも結構分厚いから、思わず転びそうになる。図書館の本だし、大切にしなければならないのは重々承知の上、本当に転びそう。
バランスを取りながら、机に着いた。長かった。
『じゃあ、まずは1番上の本から。1ページ3秒くらいでいい。1冊は大体300ページだから、15分で1冊、14冊だから4時間あれば終わるな』
私に、4時間本と向き合い続けろ、と……?
勉強をしていてもすぐに眠くなるというのに、4時間だと?無理じゃん。
しかし、私は今、彼の従僕の身。
反抗することなど論外なのである。
よって私の返事はひとつだけ。
『かしこまりました』
そこから、地獄のような2時間と2時間が続いた。なぜわけたか、というと、あまりにも眠すぎて寝ていたからだ。呆れたタウに無理やり起こされた。あっつあつの紅茶を飲まされて。いやぁ、そんなこともできるんだね。いきなり喉の奥が熱くなったから本当にびっくりした。ちなみにその紅茶はどこからやってきたかというと、朝の紅茶、あれを半分にわけておいたらしい。半分はあの時に飲んで、半分は私を起こすのに使った。実に計画的で憎たら……狡猾だ。いい意味でね。
本を読む、というよりも3秒経ってはページをめくり、3秒経ってはまたページをめくるという作業だ。しかも何がたちの悪さかというと、この本、すべて古語で書かれていたのだ。私は自力でそれを読むことができない。よって私は、よくわかりもしない文字の列とたまに魔法陣がかかれているページを無心でめくり続けたのだ。誰か褒めて。もう二度とやりたくない。
『あと4日ほどある……次はあっちの棚に行くか』
あー、まさに心を読んだかのような、罰ゲームのような指令が飛んできた。
『もしかして魔王様、私の心が読めたりしますか……?』
『読めないが、たまに口に出ているのと、雰囲気で大体何を考えているのか想像はつく』
うわぁ……。まあ、本当に秘密な時は気をつけてるし大丈夫なはず……きっと……うん。
『次のご命令は』
『そうだな……好きなようにするといい。部活に行ってもいいし、寝てもいい。俺は本を読む。邪魔をするなよ』
おぉ。自由時間だ。
眠くはない。さっき少しだけ寝ていたせいで、眠気が飛んでいった。主に紅茶で。
なら、部活にでも行ってみるか。




