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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
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10.次の計画

次の日の朝だ。


「っは!寝てた!ごめん!」

慌てて体を起こすが、いつもの木の天井が見えるだけだ。いつの間にかベットで寝ていた。


…つまりは、そういうことですよね。

シンが運んだとか、そういう…。


唸りながらフリースペースへと向かうと、リゼがいた。


「おはよ。アミ」


リゼは案外早起きのようだ。

前のときが珍しかったのかな。


「おはよ。まさか、シンが…」


「あ、昨日運んでくれてたよ〜」


正解だったし、笑いながら言われてもさ!

こっちからしたら笑い事じゃないから!


「まあ、いっか。というか寝ちゃってごめんね」


「別にいいよ〜そういうことだってあるし」


優しい。


「ちなみに、今日は何するの?」


「今日はね…コンパスのとこ、行こっか」


え、流石に無理でしょ。


「あはは。顔に出てるよ〜まだ無理だって」


あ、バレた。


「でも実際無理じゃない?」


「うーん、だと言っても何しようって感じじゃない…?」


まあ、そうだけど。

でも、さすがにキツイと思う。


「とりあえずシンのこと起こしてくるよ。ご飯も作ってもらわないとだし…」


「リゼは作れないの?」


そうやって聞くと、少し目を逸らして、


「昔ちょっとやらかしまして…シンから禁止令出されちゃった…」


と答えた。

いったい何をやらかしたんだ。


「ま、てなわけで起こしてくるよ。何か考えておいて〜」


リゼはそう言い残して去っていった。

そんなこと言われてもなぁ。


『タウ、何かいい案ない?』


『俺、寝起きなんだけど…?なぁ、今聞くことか?まだ寝ていたい』


うーん、もう朝なんだからよくない?

というわけで聞こうと思う。


『今がいいの。それで、何か特訓になることってある?』


すると少し不機嫌そうに、


『別にそこまで弱いわけではないはずだ、お前は。だが、これ以上に伸ばしたいとなると…』


と考え出した。

弱くないって言われたけど、君からの依頼なんだから信用ないんだけど…。


考えている最中、リゼとシンがやってきた。


「ん、おはよー」


「はいはい。おはよう。僕は、まだ寝てたかったんだけどね」


うん。さっきもタウから聞いた。

こういう所はほんと似てるんだね。


「それじゃ、朝ご飯よろしくー」


そうやってリゼが頼むと、シンは渋々といった感じで台所へ向かった。


『あっ、そうだ。まだ魔法学院があるか』


タウが唐突に話しだした。


『魔法学院って…あの大きい建物?』


私の脳裏に浮かぶのは、白で統一された、大きな建物。お城みたいだけど、全然違う。

ちなみに、お城のすぐ横だ。危ない気がするけど、王様、怪我しないの?


『多分それだ。そこなら、一応いろいろ学べる。ただ…途中入学な上、短時間しか居られないだろうから…』


少しの時間でも、その少しの分はプラスになるだろう。行ってみたいかも。


「リゼ、さっきの件なんだけど、魔法学院はどうかな」


リゼは、ソファーに座り、こちらを見る。


「ふーん、なるほどねぇ。魔法学院かぁ。私も行ってないな。そういえば。ただ、シンは昔行ってたんだよね、たしか…」


ならだめかな。シンだけ置いていくのもちょっと…。


「そうだよ、僕は行ってた。懐かしいねぇ…あの頃はまだ平和でさ…。タウと一緒に通ってたんだよ。アノンが絡んでて、特別に対象年齢より下だけど入学させてもらったんだっけ。うわぁ、いろんな思い出が…」


なんか語り出したシンは置いておこう。


「うーん、この調子だと置いていっても問題なさそう?」


「うん、全然いいと思う。ちょうど、行ってもらいたい依頼もあったらしいし」


依頼…?ギルドかな。

そんなことを考えている間にも、リゼはシンに決定事項を話そうとする。


「おーい、シン。私とアミは魔法学院に行く、シンはその間に依頼を片付けておく。それでいい?」


「依頼?何の」


「ちょっと遠くの国まで行ってもらって、そこのダンジョンの攻略。ダンジョン邪魔なんだけど、強すぎて倒せないタイプ」


国外に行くの!?楽しそうなんだけど、そっちも。


「…わかった。じゃあ、僕が依頼を終える頃にはそっちも卒業過程を終わらせて。採算が合わないし…」


それってどれくらいなんだろ…?

リゼにこっそり聞いてみる。


「依頼ってどれくらいかかるの?」


「シンなら……そうだね、3ヶ月あったら確実に終わる。急げば1カ月かな。国が遠いから…」


「ちなみに卒業過程ってどれくらい…」


「普通は3~5年かけて受けるかな。ただ、頑張れば3ヶ月でもいけると思う」


おぉ…詰め込み具合がやばすぎる。


「シン、ゆっくり旅してきていいから。それでいいけど、ゆっくり行ってきてね」


私から言えるのは、それくらいだ。

とにかくゆっくり帰ってきてくれ。

じゃないと終わらない気がする。


「わかった。じゃあ、朝ご飯食べよっか」





ご飯も食べ終わり、とりあえず動こう、という空気になった。


「じゃあ、僕はギルドで依頼を受注して出かける。ふたりは魔法学院に行ってきな。僕の名前でも出せば、途中入学でもできるさ」


シンの言葉に頷き、私たちは動き出した。

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