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異世界に召喚依頼の適当言う者   作者: 超究明蝶助
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王都ー66

「よく見ると目や耳もありますね。感触はタオルと似ていてフワフワですね」

ダイアナの横からメルトも覗き込み、一緒になって撫で始めその度に「む〜む〜」と気持ち良さそうに鳴いていた。

「本当に何ていう生き物なんでしょうかね?」

「私も見た事がありませんね」

ライモンとストッジも知らないと首を傾げていると、王妃達の婦人グループが近づいて来てダイアナの掌の上にいるものに気が付き、そこで王妃が声を上げた。

「何と珍しい!土の妖精ではないのか?」


王妃の発言にマスタを含めた全員が振り向き、王妃に質問した。

「王妃様はこの生き物をご存知なのですか?」

「この子が土の妖精なのですか?」

マスタは思った。

(え、全然土っぽく無いけど…)

「見た事がある訳じゃありませんが、伝え聞く姿の中にこの子とそっくりの容姿があった筈です」

ダイアナの掌の上ですやすやと眠るモコモコでふわふわな生き物にみんなの視線が集まった。

「危険はないんですか?」

「過去の冒険者の記録だと襲われたり暴れたりといったものは無かった筈ですが、野営の準備中に土魔法の使い手に懐いてきて、暫くして気付いたらいなくなっていたというのが記録でありました。私も土の属性に適性があったので良く覚えています」

「え〜いなくなっちゃうんですか〜?」

ダイアナは悲しげな顔で土の妖精を撫でていた。

「人の都合で連れ回すのは止めよう。自由にさせてあげるのが良いんじゃないかな」

「そうですね。これだけ大人しいのに嫌がる事をして暴れられたら、危ない存在だと思われてしまうかもしれませんしね」

マスタの意見にメルトも賛成して、ダイアナを慰めた。

「今はダイアナの所で寝かせておいてやろう。起きたなら好きにさせてやるとして、メルトと通りの片付けをしてしまおう」

「畏まりました」

ダイアナは2人から少し離れて座り、膝の上で土の妖精を見守る事にして、マスタとメルトはどんどんと通りの瓦礫ゴミを片付けていった。

あっという間に通りから瓦礫ゴミが無くなり、汚れはまだあるものの馬車がすれ違える程に広く見通しも良くなっていた。

スラムの入り口まで通りが片付いたので、待機していた馬車と護衛に伝え、中にいる人達の所まで移動してもらった。

マスタは馬車列の最後尾を歩き、通りの両端に向けて土魔法を発動する。

(届く距離だし、両方同時に排水溝が出来れば…)

歩きながら両腕を外に向けたマスタに今度は何をするのかと見守っていたメルトは、両側で排水溝が出来上がっていくのを見てなるほどと思ったが、

「マスタ様。流石だとは思いますが、精度も落ちている様ですし、魔力も無駄に使う事になっていませんか?」

排水溝の出来具合と、無駄に多く使っている様な魔力にマスタに流石に声をかけた。

「‥だな。少しやって気付いたけど、無理があるし片側だけにしておくよ」

レベルも経験値も高くない今のマスタでは、片側ずつやるのが無理も無駄もないと判断して排水溝を繋げていった。

無理をしなかった為魔力も無くなる様なこともなく排水溝も繋げ終わり、一度休憩しようとダイアナの所に戻ってきた。



起きて来た子供達がダイアナに群がっているのが見えて、もしかしてと思い近付くとダイアナの膝の上で眠る土の妖精を、子供達が起こさない様にとそっと見守っているようだった。

一生懸命声を出さない様に口に手を当てたり、小さい子が触りそうなのをそっと嗜めたりする様を微笑ましく眺めながら、食事をした場所に腰を下ろしまだ残っていた果実水をメルトに注いでもらい一息ついた。

「ふう。メルトもお疲れ、座って休憩し…!」

「!?」

嫌な視線を感じた気がして、メルトに話し掛けながらも横目でそちらを見ると、瓦礫の向こうからこちらを伺う何者かと目が合い、気付いた相手が何かを手に取り此方に向かって投げようと振りかぶる動きが見えた。



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