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30話 4日目:夜 【母】作戦会議(上)

【マリアンヌ視点】




 マリアンヌ夫人は小さな女の子と食料庫、備品倉庫を訪れました。

 

 一緒に倉庫の中を探しましたが、得に変わったものはありませんでした。

 それに私の記憶も戻りそうにありません。

 ここにくれば何か思い出すかもしれないと期待していたのですが。

 どうやらその予想は外れたようです。


 ですがこのまま何も見つからなければ、今回の事は徒労に終わってしまいます。

 せめて協力してくれた女の子には喜んで貰いたいのです。


 私は女の子が「どこだろう?ここかな?」と倉庫の中を探している時に。

 彼女の見つからないように様に、さっとハンカチを落としました。

 女の子の進路の先に。

 

 すると暫くして。

 女の子が「あっ、あった!」とトコトコと走り出し、誇らげに私にハンカチを渡してくれました。

 「ありがとう、探していたの」と、お礼をいうと、彼女は嬉しそうでした。


 完全にマッチポンプでしたが、女の子は喜んでくれてよかったです。

 教団内ですが、きっとこのような嘘は許されるでしょう。

 

 しかし残念な事に、最後まで昨夜の記憶を取り戻す事はできませんでした。

 私の昨夜何をしていたのでしょうか?




 落し物が見つかったので女の子と別れました。


 すると、教団の入り口に見覚えのある馬車を発見しました。

 息子の元妻、アナスタシアのものです。


 アナスタシアがメイドのカミラと馬車から出てくると、教団の方と話しています。

 話がついたのでしょうか、すぐに門が開き彼女達が中に入ってきます。


 アナスタシアに最後に会ったのは・・・審問。

 いいえ、王城から逃げる時でしたね。

 私は黒ローブを着、信者の皆さんの中に隠れていたので彼女は気付いていないでしょうが。


 アナスタシアは息子を助けるために協力してくれると約束してくれました。

 それに彼女には好意を抱いています。

 しかし息子が彼女に非道な事をしていたので、私は合わす顔がありません。

 



 私はアナスタシアに見つからないように建物の中に入り、自分の部屋に戻りました。

 

 椅子に座って紅茶を飲んで一息いれます。

 しかしそこで思うのです。


 彼女は何故教団を訪れたのでしょうか?


 私の知る限り、教団と彼女は接点がないはずです。

 あるとすればそれは私の事だけです。


 もしかしたらアナスタシアは私に会いに来てくれたのでしょうか。

 そうでしたらどうしましょう?

 

 わざわざ会いに来てくれたのなら、それを拒む事はできません。

 正直息子の事を思うと情けないのですが、いつかは顔を合わさなければいけないのです。

 勿論、私が息子と一緒に死刑になるのなら別ですが。


 ちょうど3杯目の紅茶を飲んでいた頃でしょうか。 


 ドアがノックされ、私が返事をすると。

 現れたのはブラッドリー司祭でした。


「夫人。アナスタシア公爵令嬢がいらしているのですが。

 ご一緒にどうでしょうか?」


 思った通りでした。

 やはりアナスタシアは私に会いに来たのかもしれません。


「本当ですか?アナスタシアが来ているのですか?

 ですが、教団との関係は知りませんでした」


 司祭は微笑を浮かべたまま、首を振ります。


「いえいえ、公爵令嬢と教団は関係ありませんよ。

 今回が初めての訪問になると思います」

「そうですか。では、私もご一緒させていただきます」


「はい。では、こちらに」


 ブラッドリー司祭に案内させられたのは教会の一室。

 多分、来賓用の部屋でしょう。


 部屋の中に入ると既にアナスタシアがいました。


「まぁ!お母様」

「アナスタシア」


 彼女がさっと抱きついてくるので私は受け止めます。

 息子と離婚したとはいえ、お母様とまだ呼んでくれるようです。 

 その言葉を嬉しく思います。


「お母様、心配していたのです。お元気そうでなによりです」

「ええ、ありがとう。あなたも大変なのに、会えて安心したわ」


「私は問題ありません。

 それより、大丈夫なのですか?

 騎士団に追いかけられたと聞きましたが」

「大丈夫よ。教団の皆様が守ってくださりましたから。

 お礼なら司祭に言って」


 アナスタシアは私から離れて司祭を見ると。


「司祭様。ありがとうございました」

「いえいえ、アナスタシア公爵令嬢。

 私達は当然の事をしたまでです。無実の人を救っただけなのですから」


「いいえ。それでも感謝いたします。

 騎士団に対抗して匿うなど、通常ではできない行為です」


「お褒め頂き恐縮です。

 ですが本当に教団の教義を守っただけですので」

「素晴らしい教えのようですね」


「はい。ご興味がありましたら後程説明させていただきます」

 それで・・・アナスタシア公爵令嬢。

 話は変わるのですが、今日はお話があるとのことですが・・・」


 はて、なんのことでしょうか? 

 アナスタシアは私の顔を見に来ただけだと思っていたのですが。

 他にも何か理由があるのでしょうか?


 彼女が息を整えるように姿勢を正すと。


「はい。実は重大なお話があるのです。

 是非ともお母様と司祭様に聞いて頂きたかったのです」


 私だけでなく、司祭様にもですか・・・

 

 一体、何の話でしょうか?

 私には心当たりがありません。

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連載始めました↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。

 

連載始めました。よろしくお願いします。↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

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