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20話 1日目:夜 【母】追悼ミサ

【マリアンヌ視点】


 息子の家を訪れ、メイドに息子の妻は外出中だと告げられた後。

 マリアンヌは貴族の知人を回り、息子の罪を晴らす協力をとりつけていました。

 皆、私の事を優しく向かいれてくれました。

 ですが王族殺しとだけあって、今の段階で具体的な援助を引き出す事はできませんでした。

 事件の推移を見守り、ある程度状況が分かるまで立場を保留にさせたいのでしょう。

 私の息子の味方につけば、王城にたてつくことになるからです。


 私は人に多く会った事もあり、疲れて帰宅していました。

 あたりは真っ暗。

 そんな時、路上にチラシが落ちているのが目に入ったのです。


 ユヌス教団が配っていた、『第三王女様、追悼ミサ』と書かれたものです。


 信者がお酒もお料理も出るといっていたミサです。

 私の脳には、かがり火の前で炎の熱気による圧力を受け、ぼんやりとした光景をみながらお酒を飲む光景が浮かびます。

 その映像を振り払おうと思ってもできませんでした。

 心が傾き、私の中でとある衝動が生まれているのです。


 今は、一人での家に帰りたくなかったのかもしれません 

 私は気づくとミサが行われる教会に向かっていました。






◇







 ミサ会場。


 教会の敷地内では、何箇所もかがり火がともっています。

 信者以外にも多くの人が訪れているいるようです。

 黒いローブではない、一般市民の方の方が多いぐらいです。

 彼らは皆、手には酒の入ったコップを持っています。

 私も酒が配られている列に並び、手に入れ飲みます。


 炎が燃え上がり、人々が集まる事で活気が生まれ、一種独特の熱気があります。

 酒を飲んで多くの者の壁が薄れているためか。

 一体感の様なものが生まれており、寂しさと不安を抱えていた私もその中に入り込みます。

 ふわっと肩の荷が降りた気分でした。

 

 第三王女を追悼する場所に、容疑者の母親である私がきて酒を飲んでいいものか?

 少し悩みました。

 でも、夜の闇でまぎれて私の事に気づく者もいないだろうと思いました。

 息子に比べれば、私のことを知っている人もかなり少ないでしょうから。


 ぼーっとお酒を片手に炎を見ていますと、今日の出来事が脳裏を駆け巡ります。

 朝起きると何故か血まみれ。

 お風呂に入って汚れを落とし、家を掃除して町に出ると第三王女様が死亡したというニュース。

 そしてなんと犯人は私の息子で、騎士団に捕らえられたと。

 

 慌てて城を訪れたら追い返されて。

 昨日大変な事をしてしまった息子の妻とは会えず。

 知人に息子を救うための協力をとりつけに周りました。

 そして今にいたります。

 

 一日にしてはとても多くの出来事がありました。

 こうして思い出してみると、血まみれだったのが何日も前のことの様に思えてきます。

 同じ一日なのに不思議です。


 たそがれていると、一人の男性が私の傍に酔ってきました。


「王女様は本当に悲劇でしたね」

「はい。お若い方でしたので」


 私は無難に返答します。

 多くの様な同じようなやりとりをして世間話をしているのです。

 私もそれに合わせ、悲痛そうな雰囲気をかもし出します。

 

 私に話しかけてきた人は信者の黒ローブできているためよく顔が見えません。

 ですが、どこかで聞いたことがある声の様な気もしました。

 今日は多くの人と会い、疲れており、おまけに酒によっているので自信はありませんが。


「こういう事は二度々起きてはいけないと思います。

 絶対に防がなければなりません。

 あなたもそう思いませんか?」

「はい、そう思いますね」


 私は相槌を打ちながらお酒を飲みます。

 かがりびがら発信される、炎の暖かさを感じます。


「そうでしょうとも。

 ですが、ご夫人の場合は別でしょうか?

 失礼ですが、アダム伯爵のお母様でいらっしゃいますよね?」


 その言葉に私はドキリとしました。

 手に持っているコップが震ええました。


(まさか、私の正体がばれているなんて。

 どうしましょう?どうしましょう?)


「安心してください。私達はあなたの息子さんが犯人だとは思っておりません。

 きっとどこかの異常者の仕業でしょう。

 伯爵身分の方がする様な犯罪とは思いませんので。

 なので、私達はお母様の力になりたいと思っているのです。

 どうでしょうか?

 詳しい話を教会の中でしてみませんでしょうか」


 私は迷いました。

 正直息子を疑いから救うためには一人でも多くの味方が欲しいのです。

 現状はほぼ味方がいない状態です。

 皆態度を決めかねており、これからもどうなるか分かりません。

 それならこの話に乗ったほうがいいのかもしれません。


 ですが私はこの教団の事をほとんど知りません。

 どうするべきなのでしょうか?

 

 酒も入り、ぼんやりとしている私の頭は明晰な思考が出来ません。

 なのでしょうか、話だけでも聞いてみようかと思いました。

 この場の一体感でしょうか。 

 高揚した気持ちが後押しし、話しかけてきた彼は信頼できると思ったのです。


「分かりました。お話を聞かせていただきます」


「ありがとうございます。

 申し送れましたが、私は当協会の司祭を勤めさせて頂いております。

 ブラッドリーと申します。

 以後お見知りおきを。ではご夫人、こちらへ」


 私はブラッドリー司祭に続き、教会の建物に入りました。

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連載始めました↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。

 

連載始めました。よろしくお願いします。↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

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