79.ダリアの過去②
過去回想です。
一度クラッシュして全て吹き飛んだ内容を高速で書いたので、正直幅はないです。
あれは今から七年も昔のことだった。
その日の天気は曇り空で、ダリアは竜車に乗っていた。
「楽しかったですね、ダリア様」
「はい。ナルさん」
ダリアの乗る竜車には他に二人のメイドが乗っていた。
二人は護身用のナイフを帯刀し、表情の一つも変えずに、隣の席に座るダリアの顔色を窺う。
「演劇。ラストの歌唱シーンが素敵でしたね」
「そうですね、ナルさん。それにたくさんの人達が感動していましたよ」
「それもそうですね。ですが、一つ残念でしたね」
「残念? 何がですか」
「女王陛下が来られなかったこと」
するともう一人のメイドが声をかけた。
彼女はネル。ナルとネルは双子の姉妹で、彼女は妹だった。
顔立ちはそっくりで、髪色が異なる。
けれど性格は違っていた。
「約束を破るなんて、女王陛下もあんまり」
「仕方ありませんよ。お母様はお忙しい方なのです。それに私には、ナルとネルがいますから」
年齢の割に大人びていた。
それは家族の愛を半分しか知らないからだ。
それもそのはず、ダリアは生まれた頃から母親の愛を知らずに育ったからだ。それは公務が忙しすぎるために、本当は甘えさせてあげたいけど、女王陛下にも時間が取れなかったからだ。
「でもせっかく前から予定を組んでいたのに、突然検閲があるなんて聞いていない」
「それもお母様が優秀な方だからですよ。私とは違います」
「そんなことはありません。女王陛下も、ご兄弟もダリア様のことを御身にしております。それに、剣技と魔術の腕では、ダリア様は誰よりも高いではありませんか:
「私は戦場に出るような身ではありませんから。それに、お母様とは接する機会はありませんが、お兄様たちとはよく遊んでいただいておりますので」
ダリアは母親とはあまり面識がなかった。
生まれた頃から忙しすぎたため、ダリアは兄弟の中で最も母親の愛を知らなかった。
しかしそんなダリアに対して、兄弟は皆優しくしてくれました。
それもそのはず、ダリアは末っ子で、母親との時間が少ないことを歳の離れた兄弟は知っていたからです。
「でも少し残念でした。私もせっかくお母様と……」
「ダリア様。次は絶対行っていただきましょう」
「そうです。その時は私たちが例え、騎士団長を排除してでも……」
「お二人とも、それは言ってはいけませんよ。仮に冗談だとしても、そのような不謹慎なことを言うものではありません」
「「申し訳ございませんでした」」
二人を制止させたダリア。
その素振りは大人びてはいるが、子供として我慢しているところももちろんあるのでした。それがいつ爆発するのか。そのことは誰にもわからない。
そう思ていた時期があったのかもしれません。
しかし突然外が暗がりに染まった時のことでした。
ダリアは覚醒したのです。
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