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1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について  作者: 水定ゆう
魔術運動会編1

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77.フードを被った一人の少女

興奮すると叫んでいるみたいになりますよね?

  ルカは少女を連れていた。

 あのままあの場所にいても、変に目立ってしまうからだ。

 それから少女はルカの手を掴んで離さなかった。

 頭には、目深にフードを被っている。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 少女は興奮していた。

 ふとフードの中から、少女の顔が見える。ブロンドのヘアーも、黄色いダリア色の瞳も綺麗だった。


「へえー、結構いるね」

「えーっと、えーっと……」


 少女はルカを見ていた。

 そう言えば自己紹介をしていなかった。

 ルカは腰に手を当てて、自己紹介をした。


「私はルカ。トキワ・ルカ。ルカでいいよ」

「ルカさん! えーっと、私はその……ダリアです。ダリア……」


 少女の声が途切れた。

 何だか、寂しそうな息が詰まるような感じだった。

 そこでルカは何気なく、声をかける。


「ダリアは、一人で来たの?」

「えっ!? い、いや、その……」

「そっか。こういうの初めて?」

「は、はい。ずっと、こういうところに来る機会はなくて……」

「楽しい?」

「は、はい!」


 顔色が急によくなった。

 パサッ、とフードが風にめくられる。

 素顔が見えた。可愛らしい、あどけない表情だった。


「あっ、風にいたずらされてしまいました」

「可愛い表現だね。それより、ダリア。もしかして、誰かとはぐれちゃったのかな?」

「い、いえ。はぐれたのではないですが……」

「ふーん。じゃあ一緒に観光でもする? 私はこの町にいる経験が少しはあるから、案内ぐらいはできると思うよ」


 ルカはそう答えた。

 あまり踏み込まれたくない話だったみたいで、ルカはダリアの表情から、すぐさまその事実を把握した。

 そこでこう切り返したのだが、ダリアは目をキラキラさせていた。

 それこそ、まるでお星さまを宿したみたいだった。

 だけどどこか、炎が揺らめいているみたいにも見える?


「いいんでしょうか? 私みたいな子が一緒にいて」

「ていっ!」


 ルカは頭にチョップした。

 ダリアは頭を押さえると、涙目だった。


「そんなこと言っちゃ駄目だよ。ダリアはダリア。別に私はそんなことで気にはしないけど、そういうことを平気で口にしたら、自分が弱く見えちゃうよ。だからこそ、せめて自分だけは自分に負けちゃ駄目だって思わないと、いざと言う時に踏み出す勇気が貰えなくなるんだよ」

「そう言うものなんですか?」

「経験上ね。最初の一歩は誰にだって踏み出すことができる。だけどその一足を、踏み込めるきっかけを作るのは、いつも自分なんだ。そんな風に、ネガティブに考えてても、世界は楽しく見えてこないよ」


 ルカは千年前を知っている。

 だからこそ、今のような殺伐としたひりついた空気感とは無縁の世界のことをあどけなく思ったんだ。

 しかしダリアはなにに感銘を受けたのか、一体どういう風の吹き回しだろう。

 何故か、心の奥底を掻き立てられた。


「じゃ、じゃあルカさん。私と一緒に、回ってくれますか?」

「もちろんいいよ。ちょうど暇だったんだ。だからね、ダリア。ここを少し見て回ったら、人込みを避けて、少し景色のいいところに行ってみようか。大丈夫、私は誘拐なんかしないから」

「うっ、その言い方はちょっと怖いですよ」

「あはは、確かにね。でも私、魔術師だから、すぐに移動できるから安心してね」

「魔術師……」

「興味あるの?」


 ダリアは俯き加減だった。

 何処となく、炎が揺らめいているような、独特な魔力圧を感じるものの、その熱は抑えられていて、まるで悲嘆的だった。

 こう見たら、年齢も同じぐらい。

 もしかしたら同い年かもしれない少女を、ルカは眺めていた。


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