67.町中の遺跡
最後に出てきた魔術、マジで強い。
今後は使い所を控えるかも。
この章は、まだまだ続きます。
全然終わらん。
ルカの足取りは軽やかではなかった。
あんなものを見た後だ。気分はすぐれない。
それにしても、この時代になっても、ああいった光景を見てしまう自分は、あまり真っ当な人生は送れないのだろうと、溜息が零れる。
「それにしても、熱量を使うことができる魔術。しかも、それを内包できるなんて、こういった使い方でなければ、褒められるんだけど」
ルカは全ての魔術が使えるわけではない。
流石に今のままだと、固有魔術などは使えない。
もっとも、ルカ自身他人の個性を無碍にするようなことはしたくないからだ。
まぁ、自分の得意魔術は無碍にするものなんだけどね。
「あはは。笑えない」
乾いた笑いが込み上げた。
そんなルカの歩いているのは、この町の表ではない部分。
昔からある、面白い部分の一つだった。
「それにしても、この町は相変わらず複雑で面白い。まさしく、歴史の迷宮都市だ」
何て言ってみたはいいが、面白いのは本当だった。
この町は千年前から、あまり変わっていない。
それもそのはず、未だにルカがわかっていないことも多かった。ここはその一部で、路地が続いていた。
「如何して、裏路地なのに、こんなに立体感があるのか。町の構造が不思議すぎる」
とは言っても、その足はかなりスムーズに進んでいた。
魔力の痕跡が続いている。
しかも強力な悪意ある、負の魔力は、何よりも精神を蝕んできてわかりやすかった。
「強力な魔術が使えても、隠す力がなければ、こんな風にバレるんだよね。とは言っても、よいしょっと」
視線が移った。
その瞬間、ご親切に壁の中から矢が飛んできた。
しかしルカは軽く身を退いて、その矢を躱すと、同系の罠を全て叩き壊してしまった。
「全く、この手の罠を大量に仕掛けたら、この道に迷ってきた人が危ないでしょ」
ルカはその辺まで配慮していた、
その結果、ルカは階段を上ると、その先が壁だったことに気が付く。
しかしこの町は不思議だ。
つまりこの壁も不思議な構造になっていて、ルカの目にはスケスケだった。
「えーっと、多分この壁で合ってると思うけど、うわぁ! まさか、こんなに魔力が残ってるなんて」
ルカは絶句した。
壁は大きく、周りには苔が生えている。
しかしその先には何やらあるみたいで、それもそのはず、ここで魔力が途切れている。不思議だ。
しかしルカにはそれ以外にも見えていた。
いや、感知していた。
何故なら、この壁の向こう側に向かって、魔力が多々通った痕がある。
それに気が付いたのはルカだからで、普通は気づかなかった。
つまり、優秀な魔術師がいる。
「久しぶりに、まともな戦闘になるかもしれないから。用心しておかないと」
ルカは気を取り直して、壁に手を触れた。
それから軽く魔力を送り込むと、壁の中に腕が吸い込まれる。
すると全身を迷いなく、壁の向こう側に通した。
すると、そこは緑が生い茂った不思議な雰囲気のある空間。しかも、しっとりとした何とも言い難い空気が蔓延していた。
「これが壁の向こう側。にしても、こんな時空の歪んだ不思議な場所に繋がっているなんて」
完全に空間がねじれていた。
そこは既に町の中からは逸脱していて、何処かの森の中のようなみずみずしい空気がある。
しかし何よりも目を引いたのは、目の前にあるとんでもなく巨大な石の建物だった。
「これは遺跡? にしても、随分と古そうだけど、もしかして遺跡じゃなくて、居城の跡?」
例えば、昔の戦場だった場所にあった即席の居所跡なのでは? と推測してみた。
しかしそんなことは二の次で、ルカはチクチクと感じる人の気配を明確に捉えては、その視線から気配を消すみたいに、魔力をほぼ無にして、《インビジブル》を使って、透明人間になった。
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