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1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について  作者: 水定ゆう
魔術運動会編1

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60.《クリアシールド》

ルカも目を見張る最強の防御魔法使い。

 ルカが発動した、《クリアシールド》。

 強力な魔法であり、かつてルカがとある少女と一緒に開発した魔法だった。


 彼女は、名前をクリアと言った。

 クリアの部分はそこを由来とするが、これを知っているのはこの二人だけ。この魔法を知っているのも、ルカとクリアの二人だけだった。


 クリアは防御系、特にバリアが得意な女の子だった。

 バリアを使う魔法使いは当時からあまり多くはない。そのため当時呼ばれていた異名は、障壁の魔法使い。彼女に通用する攻撃などはなく、出力的にもセレナと並んでいた。

 何度も視線を潜り抜け、最後あった時も生きていた。

 今思えば懐かしいが、ルカはこの魔法を披露してことに、嬉しく思った。


「魔法だと? 笑わせるな」

「笑わせるなか。それはこっちのセリフだよ。少しは張り合いがあるかと思っていたけど、そうでもなかった。がっかりかな?」


 ルカはさらに男を煽った。

 それもそのはず、この魔法を使ったことには嬉しかったが、まさか最大出力がこの程度だと、かなり頭を抱える。でも一つ面白いこともあった。


「貴方、まだ本気出してないんでしょ?」

「はぁ!?」

「悟らせない戦法は、かなりいいと思うよ。本気を晒して、それを打ち砕かれたら、きっと心が壊れちゃうから」


 ルカの言葉は男の心にぐさりと突き刺さる。

 流石に本気を出していないことは確かで、ルカは少し張り合えそうで楽しかった。それにしても、面白い。この千年間で、魔法は衰退した。しかし、おとぎ話の産物は魔術として根付き、千年前に匹敵するような魔術師たちもいることが判った。それが何よりも収穫で、楽しかったし、嬉しかった。


「この時代の魔術師は凄いよ。過去の魔法使いに匹敵するものがある」

「なにを言っているんだ」

「昔はもっと殺伐していた。私が眠ってから、なにがあったのかは知らないけど、それでも今の魔力はちょっとぬるい。でも、皆んな強くて、最高に楽しいんだ。だからね」


 ルカの目が本気になる。


「だからこそ、私は負けたくないんだよね」


 ルカは男に距離を詰める。魔法使いとしても、魔術師としても、負ける気はない。

 だからこそ、ルカの目が色づいて、胸の奥底からたぎった。男は攻撃を防ごうとして、両腕を前に出すが、ルカの前にはそんなものは効かない。


「甘いよ!」

「ナガァ! 下からアッパーだと!」

「うん。魔術師でも、体術ぐらいはできないとね」


 ルカにはこれがあった。

 例え、魔法が魔術が打ち破られようが、ルカは魔法使いや魔獣程度なら拳で倒せる。だからこそ、ルカは両刀であり、強いんだ。戦闘においてはね。


「ぐはぁ!」


 男は地面に仰向けで倒れる。

 口から端を吐き、白目をむいて泡を吐くが、助は誰も来ない。ルカが《サイレント》で音を消しているからだ。

 倒れた音も聞こえず、朦朧とする意識の中で、ルカは馬乗りになると、男にこう言い聞かせた。


「はい、弁償代ちゃんと払ってよね。それと、なんで逃げたか、教えてくれるよね? そうしたら助けてあげるよ」


 ルカはにこやかに笑みを浮かべる。まだ怒っていた。

 だけど男にはすでにまともに口を開くだけの余裕はなく、恐怖ではない何か、見えない悍ましさに憑りつかれていて、ルカに縋りたくなっていた。つまるところ、ルカに悍ましさを抱いたのではないらしい。では誰に、何故? その理由はわからないが、男の口からは「俺はやり遂げたんだ。これはあいつの依頼だ」と口にしていた。


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