表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死後世界触手譚  作者: 青風
町作り
45/138

第36話     鉱石 と 1人部屋

カツから渡された取ってきて欲しい鉱石、小さな鉱石を掌で転がす。


(アイ、こんな鉱石ってさどうやって加工するんだ?)


見た目が宝石の様でとても溶かして固めるとか無理そうに感じた素直な疑問である。


『ある程度の大きさの物を削って行き目的の物に仕上げるのが一般的です。』

(削るのか。)


大変そうだなぁ~と思う。もっとこう前の黒曜石みたいに大きければ加工しやすそうなのに。

大きければ・・・ん?


(なぁアイ、もしかしてだけどさ、これって俺のスキル使ったら黒曜石みたいな大きさの物に出来るんじゃね?)

『YES:出来ます。』


マジカよ!先に言ってほしかったなそれ!


(て事はやろうと思えば剣にも出来るんじゃね?)

『剣の知識が無いので不可能だと思われます』

(カツとも繋がってるんだよな?だったらその知識でいけるんじゃね?)

『複製になるので劣化版になります』


そりゃそうか。自分でドラゴンを倒す伝説の剣みたいなのを作れるかと一瞬期待したが剣の作り方を知っている訳じゃないから無理か。


(繋がってる者として同じ能力は使えるけど劣化するって事か?)

『NO:マスターが主なのでマスター特権でマスターだけが全員の能力が使えます。但し個人の能力の熟練度が違うので同じにはなりません。

 判りやすく言うと、カツの場合熟練度が100としてマスターがその能力の熟練度が1しかないので100の能力を使いこなす事ができず1の物が出来ます。』

(なるほど。練習してなかったら使えないのと同じって事か。)

『YES:マスター』

(それじゃぁ、鉱石を固めてカツに渡すのが一番だな。)


ルーの道案内で進んでいるとシラタマが後ろから抱き着いてきた。


「どうしたんだ?」

「最近構ってもらってニャかったからくっついてみただけニャ」

(シラタマはまだこっちにきて数年だと言ってたな。猫の習性が抜け切ってないのか。)


背中にしがみ付いているシラタマを触手で頭を撫でる。


(コウが居ない今がチャンスニャ!)


とシラタマが思っているとは知らずに甘やかす。

背中に当たっている大きくなった胸の柔らかさを感じながら好きにさせる。

我ながらシラタマには甘いと思う。

決して背中の柔らかさを楽しんでいるわけではない。(言い訳)

シラタマの相手をしながら進むと1つ目の鉱石採掘場についた。


「これはまた見事だな。」


眼前に広がる紫の鉱石を見ながら呟く。

確かフローライトとか言ってたな。

こうしてみるとただの宝石にしか見えないが。てかコレ宝石じゃね?

俺はモンスターの姿に戻り鉱石を食べ、スキルの高速溶解で溶かして体内で固める。

結構大きくしてから、持って来ているソリに乗せる。

このソリは刻印入りでどんなに重い物を乗せても地上から一定の高さで浮いているので少し力を入れるだけで押していけるという優れ物である。

ソリに半分位積んでから次に向う。

30分ほど歩くと次はブラックオパール、これはさっきのとは違い普通の岩の塊みたいな形だ。

そんな感じで残り3箇所ほど回ったら時間になったので戻る。

残りの鉱石はアズライト、アメジスト、ベニトアイトという物だ。

正直、アメジストしか知らなかったが。やっぱコレ宝石だろ?宝石も鉱石なのか?

考えるのがメンドくなったので全部石で良いやと思う事にする。(カツに聞いたら話長そうだしな)

外に出ると夕方になっていた。

戻るとカツは俺じゃなく宝石を出迎える。コントのように俺を素通りして行った。


「ウヒョー!こんな大きな結晶見たこと無いや!」

「あぁ、それは俺の・・・」

「スゲー!スゲー!」


聞いてないな、そっとしておくか。

そこで一泊してから戻る事にしていたのでムズ達は焚き木の用意を始めており夜は肉を焼いて食べる事にしていた。

この肉というのはエルフの里でこの世界初めて食ったけどなかなか美味しかったので洞に戻ってから探した物だ見た目は蛙のちょっと大きめでギラン湖に(勝手に名前をつけた)も生息していた。

一泊して馬車に鉱石を運び入れて、他の荷台に載っている鉄鉱石を見ると結構な量になっている。

これもスキルを使えば鉄だけに出来るんだが量が量なのでめんどくさい。

帰還中、カツはずっと鉱石にを抱きしめていた。

馬車の手綱を引きながら後ろの荷台から聞こえる怪しい声をスルーする。

洞に戻る前にカツの工場に寄ったのだがコウが待っていた。

アイの報告を聞いてからこっちに来て待っていたらしい。

現在はずっと俺に甘えていたシラタマ(帰りの途中もずっと甘えてきていた)と言い合いしているので放置する。

まぁ、あの二人は喧嘩するほどって奴なのだと思う。

もっと町として安定してくれば採掘場の近くにも転移陣を作りたいなぁと今回の事で思った。

グラニに「ご苦労さん」と手綱と荷車を外してやる。

子供達がグラニの姿を見て迎えに来ていたからだ。

グラニは「いつでも言ってください。」と子供達を乗せ公園に向った。

コウを見るとまだ言い合っていたので俺達の家の出来を見に行く事にした。


洞の所に行くとすごく大掛かりな足場が建設され敷地も結構あるように見えた。

現場監督のブッチーを見つけ話しかける。


「ブッチー、なんか凄そうな家じゃね?」

「あ、センさんこの家は凄くなりますよ」

「マジデか、楽しみだな。」

「コウさんの意見だけしか取り入れていないですけど良いんですか?」

「いいよ、食事とか全部任せてるんだし家くらいコウの望みの物にしないとな。」

「そうですか、判りました。」

「見取り図とかあるのか?」

「ええ、ありますよ?見ますか?」


俺は悩む、全部出来上がった時の楽しみにしておこうか、今の内に少し見ておくか。

悩んだ末に見せてもらう事にした。


「どれどれ・・・」


見てみると、かなり綿密に練られているようだ。

アイにも意見してもらっていから当たり前だが。

1つを除いておかしい所は無い。

1つを除いては。


「なんで寝室が1つなんだ?」

「え?1つで良いと聞いてますけど?」


ちょっと待って欲しい。

あ・え・て今まで言わなかったが洞の生活で夜寝る時はモンスターに戻りコウの隣で寝ていたのだ。

家が大きくなると聞いて寝室は当然2つになると思っていた。


(家が大きくなるんだから、寝室は2つにすべきじゃないのか?)

『コウが1つで良いと言いました。』

(2つにすべきだろう?コウは女の子だぞ?)

『では、マスターが説得してください。私では力不足でした。』


俺が説得→コウが反対→言い合い→コウが怒る→俺死亡


(うん、無理だな。)


コウに意見した時のシミュレーションすると容易に俺が消滅する姿が浮かぶので思考を停止する。


『そう言う事ですので、口を出さない方が懸命だと思います。』

(判った。ベッドを2つにして離せばいいんだしな。)

『そこも話し合ってください。』

(え?そこも?)


げんなりしつつ俺はアイに判ったという。

こっちに来てから性欲とか無いからコウと俺で間違いが起こる事は無いしそんな事は元々考えても無いんだけどな。

そんな事を考えていると当事者であるコウが走ってきた。

シラタマとの決着が付いたのだろう。

俺が見取り図を見ているのを見て


「どうですか?変な所有りませんでしたか?」


と言ってきた。

自分が消滅する映像が一瞬頭を過ぎったが思い切って聞いてみた。


「どうして寝室が1つなんだ?」

「え?ダメですか?」

「ダメって言うか、コウは女の子なんだし別の方がよくね?」

「ダメですか・・・?」


少し悲しそうにコウが聞いてくる。

こんな顔されたらなんでも許してしまいそうだ。


(アイ!説得してくれ!)

『私には無理でしたと先ほど言いましたが・・・』

(どんな方法でもいいから別室にさせてくれ。)

『’どんな’方法でもいいんですね?』


アイの言い方が何か含まれてそうだがそれよりも俺の精神衛生上別室にして欲しかったので許可を出す。

コウの方を見るとアイが話し合っているのだろうがコウは俺を見つめたままだ。

暫くするとコウの表情に変化が出てきて何故かテレ始める。

その後


「では、2部屋に変えますね。」


と妥協してくれた。


(アイ、よくやった!)

『ありがとうございます。マスター』

(で、なんて言ったんだ?)

『黙秘します。』


黙秘て・・・と思ったが2部屋になったのでよしとする。


(まぁいいや。アイありがとな。)


やっぱ1人になりたい時も有るし1人部屋は必須だよな。

とりあえずの難題を乗り切り安堵する。

周りを見回してそろそろ町も形になりつつある事を確認する。


(そろそろ、もう少し行動範囲を広げて行ってみるか。)


そう思いながら町を散策する。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ