特に御座いません
裏の顔は……
奈津美ちゃんは、ハッキリと言った。
「な、何故だ!? 僕は、この帝国の次期皇帝になるのに!」
「ジルクフリド殿下の身分や立場等、関係ありません」
「そん……な……」
「1人の女性の人生を道具の様に扱う人の所に嫁ぎたいとは、私は思っておりません」
「……」
「ジルクフリド殿下?」
「……良い」
何か、雲行きが怪しくなったぞ。
「……もう良い」
「それは良かったです。今後は心を改めて婚約者を大切にしてください」
「……もう良い。僕の物にならない女なんか必要無い! 死ねぇ!」
ジル……いや、バカは、お茶会用に置かれていたナイフを握り、奈津美ちゃんの喉に目掛けて突き出した。
キィン!
「……シンファル!?」
「当然だろう。そして見ていたな!」
俺が、そう言うと周りの茂み等から、7人の文官が姿を現した。
「ジル、俺は言った筈だ。最初に皇帝の許可を得ていると」
茂み等から現れた7人の文官は、各要職の現役の大臣達だ。
つまり……
「ジルクフリド殿下、大変残念です」
「私は、貴方様の処分を決する場に居たくありませんでした」
「しかし、我らも帝国を支える者としての責務がございます」
「貴方様が、偽装して所有されている屋敷から多数の少女の死体等が発見されました」
「更に、帝国で禁止されている違法麻薬も大量に発見されました」
「貴方様の手足となる者達も捕えてあります」
「本当に残念です。歴代でも随一の賢帝になれると信じておりました」
俺は、ジルのこれまでの言動を、全て皇帝に報告していた。
直ぐに、皇帝はジルの身辺を洗い始めた。
その結果、良くて死刑という内容の犯罪を犯していたが、まだ此処までなら内々に済ます事が出来た。
しかし、他国の賓客扱いの奈津美ちゃんにまで危害を加えるのなら話は別だ。
国際問題ともなれば、帝国も大きなダメージを受ける可能性が高い。
更に、奈津美ちゃんは、ダンジョン攻略の為に召喚した存在だ。
ダンジョン攻略は、他国にとっても「対岸の火事」とはならない。
何故なら、大陸という「陸続き」なのだからな。
だからこそ、奈津美ちゃん達は、王族発行の身分証を与えられている。
「く……」
こうして、簡単に言えば、帝国の御家騒動が閉幕した訳だ。
因みに、インテリ文官と回復術士の2人は、やっぱりデキていた上に子供までデキていて、この2人も帝国の法に因って裁かれる。
それと、生まれる子供は宰相が引き取るそうだ。
そして、俺達はシャイニングランドに帰る途中にいる。
散々、皇帝の野郎が俺を引き止めた。
皇帝が「皇女3人共やるから、婿になって皇帝を継いでくれ~」と泣き付かれたが、宰相の号令で動いた武官達に抑えられている内に宰相から口止め料込みの白金貨150枚を受け取り、帝国を後にした。
「奈津美、どうだった?」
「何が?」
「白馬の王子様からのプロポーズ」
「冗談言わないでよ、陽奈」
「でも、ある種の憧れだろ?」
「シンさん。確かに憧れかもしれないけど、私達が生きているのは、この現実よ。本の中で生きられる訳ないわよ」
「……確かにそうね」
「そう言う事よ」
そう言いながら、俺達はゴブリンとオークの集団に対して殺戮をしていた。
ひーちゃんも奈津美ちゃんも逞しくなったもんだなぁ、と俺は思った。
因みに、一緒に来たダンモンの間者達は、先に帰っている。
間者達には王都に行って、上位貴族達の屋敷に潜って貰い、情報収集をお願いした。
紹介状は勿論、有る。
帝国に行く前から用意は出来ていた。
お願いを聞いてくれた某侯爵には感謝だな。
やはり、相思相愛になった奥さんから生まれた娘は大切みたいだ。
俺がちょっと、娘さんの将来の危険を教えたら、快く紹介状を用意してくれたよ。
……マリアンさんは、御両親の大切な娘として愛されているなぁ。
因みに、分身体では、子供は出来ないよ。
……相手には、当然だが教えないけどな。
後、南の禁猟区には帰りの途中で寄り、皇帝の所為で精神的に疲れていたから、「巻き」で稀少種をひーちゃんの召喚獣にした。
因みに、南の禁猟区の稀少種はフレイムファルコンで名前が「ユイ」となった。
それと、シャイニングランドに帰る途中に、モンスターや盗賊共に遭遇するが、軽く蹴散らして我が屋敷に帰ってきた。
「「「「お帰りなさいませ、シン様」」」」
「ただいま、皆。何か報告はある?」
「特に御座いません」
「それは良かった。はい、お土産だ。
帝都のスィーツだ」
「「「「ありがとうございます、シン様!」」」」
因みに、お土産は50人前だ。
これなら足りるだろう。
勿論、ソフィア達にも用意してある。
こちらは、帝室御用達スィーツと帝宮専属シェフが腕を振るったフルコース30人前を用意してある。
勿論、代価は払ったぞ。
「ありがとう、シン!」
「「「ありがとうございます、シン様」」」
ダンジョンの奴隷達や、ダンジョンでスローライフを送っている女性達にも渡した。
……でも、媚薬無し組にはやらん!
まあ、ダンジョンでスローライフを送っている女性達には手を出すつもりは無いから、同じ様な境遇の中身が真面な男性が居たらダンジョンに招待しよう。
……そして、奴が来た!
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




