閑話~ソフィア
再会の前書きです。
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「アルコジル様……」
……あれから半年以上の月日が過ぎましたが、アルコジル様は無事に生きておられるのでしょうか?
私は、婚約破棄などしたくありませんでした。
確かに、口を憚る行動をしておられましたが、抵抗が困難な弱者や、努力が実らなかった者には慈悲を与える寛容さを持っておられましたし、私が本当に困っている時や苦しい時は、影ながら手を差し出して助けてくれていました。
確かに女性に対して淫らな視線を向ける事は知っていましたが、実際に手を出した女性は対価としての助力を受けていました。
……礼儀を弁えない女性には、正に傲慢な貴族そのものでしたが。
アルコジル様の御家族も、私だけが知っていましたが、アルコジル様にだけは冷たい態度でした。
まあ、アルコジル様が、それを認識していなかったのが救いです。
ですから、あの時も助けようと思えば死刑だけは回避出来たかもしれませんが、御家族の助命嘆願をする気は起きませんでした。
何と表現して良いか分かりませんが、アルコジル様はまるで、荒れた極寒の地での焚き火みたいな方です。
……焚き火だけではなく、荒れた極寒の地も含めて……ですけど。
「ソフィアお嬢様、アルバレス様がお呼びです」
「分かったわ」
お父様からの呼び出し……
最近、お父様は私には厳しい態度を取っているので不安ですわね。
それに、数日前に国王陛下に召集されてからは更に冷たい視線を私に向けています。
それでも行かない訳にはいかないので、行くしかありません。
「お父様、ソフィアです」
「入れ」
「失礼します」
私は、お父様に促されるままソファーに座り、お父様の発言を待つ事にしました。
「ソフィア、お前の処分が決まった」
「……え!?」
今、処分と言ったのでしょうか?
私の聞き間違いですわよね?
「聞いていないのか? お前の処分が決まったと言ったのだ」
「お、お父様、どういう事でしょうか?
説明してください!」
「国王陛下の命により騎士団が、とあるダンジョンに行ったのは知っているな?」
「はい。騎士団の連携強化と臨機応変な対応が出来る様にする為と聞いています」
「表向きはな。実際は、そのダンジョンにダンジョンマスターが居る事が判明した為に騎士団が駆除しに行ったのが実情だ」
「それが、何故、私の処分などという話になるのですか?」
何故か、聞きたくない気分に……
「実は、その騎士団の中に、公爵家のテルファナ財務大臣のご息女であるリスティーヌ嬢が入っていた。
そして……殉職された」
「そんな!?」
なんて事なの!?
「そして、公爵の地位に就き、財務大臣のテルファナ公爵の怒りを鎮める為にソフィア、お前が選ばれた」
「お父様、意味が分かりません」
「リスティーヌ嬢が寂しくない様にお前も同じダンジョンで死んで貰う」
「お父様!?」
「これで、家名に泥を塗ったお前を処分する大義名分が手に入った」
「……」
お父様はやはり……
「勿論、表向きは、リスティーヌ嬢と交遊が有ったお前が、リスティーヌ嬢を失い、思い詰めて病死、という事にしておく」
「……本気ですか、お父様!」
「当たり前だ! あんな屑の婚約者だったお前は、私の邪魔でしかない!」
「……お母様は?」
「アレンシアも同じだ」
「そんな……」
お父様から聞いた話で絶望した私は、着の身着の儘で連行され、話で聞いたダンジョンに1番近い都市「セビリアナ」へと護送されたわ。
こんな事になるのなら、私もアルコジル様の後を追って家を出れば良かった。
アルコジル様、最期まで貴方様と共に居たかったです。
さようなら、アルコジル様……
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




