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いつの日か君の隣で  作者: 要
彼女は台風の目
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   幕間 〜 戸田美桜

 ピピッ、ピピッ、ピピッ。


 控えめな音で鳴るスマホのアラームを止め、私はベッドの縁に座り、大きく伸びをした。

 背骨がポキポキと軽い音をたてる。変な姿勢で寝てしまったのか、右の肩甲骨付近が少し痛い。

 昨日は遅くまで勉強をしていたので、少し寝不足だ。

 勉強机の上に、数学の参考書が開きっぱなしになっているのが目に入った。

「昨日は片付けないで寝ちゃったんだっけ。」

 私はゆっくりと立ち上がると、参考書を閉じて机の端に重ねた。

 パジャのまま自分の部屋を出て、廊下を歩く。

 私の隣りに位置する咲希の部屋からは、人が動くような物音はしない。きっと咲希はまだ寝ているのだろう。

「咲希、そろそろ起きないと遅刻するよ。」

 咲希の部屋を軽くノックをして声をかけたが、中から反応はない。

 私はもう少し大きな声を出すために、息を吸い込んで・・・そして、声をかけるのをやめた。

 最近、咲希とは少し不協和音だ。

「前はあんなに仲が良かったのに。」

 小さく呟いてから、私は朝食を摂る為に一階に降りた。

「美桜、おはよう。咲希は?」

 お母さんが私に声をかけてきた。

「おはよう。咲希はまだ寝てるみたい。」

「しょうがないわね、あの子は。」

 今日の朝食は、トーストと卵焼き、そしてカップスープだ。

「いただきます。」

 野菜不足を補うため、私は冷蔵庫からパックの野菜ジュースを取り出して朝食に添えた。

 リビングのテレビに映っている朝のニュースの天気予報では、今日の天気は快晴、午後からはかなり暖かくなるらしい。

「ヤバい!寝坊した。」

 私がちょうど朝食を食べ終わる頃、騒がしい音を立てながら咲希が階段を駆け下りてきた。

「咲希、もう高校生なんだから、お姉ちゃんを見習ってちゃんと起きてきなさい。」

「分かってるよ!間に合わないから、朝ごはんはいらないから。」

 乱暴に言い放ち、朝の準備をする咲希。

「朝ごはんを食べないと、頭が働かないよ。」

 私も咲希に声をかけるが、こちらを一瞥しただけで無視されてしまった。

 はぁ、いつからこんな関係になっちゃったんだろう。

 忙しなく朝の準備をする咲希を横目に、私は食器を片付け、制服に着替えるために自分の部屋へと戻った。

「行ってきます!」

 玄関を出る咲希の声が聞こえてきた。

 私もそろそろ出発しないと遅刻する。

 憂鬱な気分を払拭するために私は腹式呼吸を2度行い、制服のブレザーに袖を通した。


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