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美しい花には秘密がある  作者: 美月すず
第二章 次女 すみれ編
28/38

菫12

更新遅れました。申し訳ございません。

まいったな・・・。


世羅達也せらたつやは、心の中でつぶやく。

すみれと、動物園デート行ってから、二週間経つ。

その間、すみれと連絡が取れないのだ。

連絡をとっても、返事はない。

学校では、もちろん会うが、顔を見るだけで、話せてない。

目が合っても、そらされる。

話しかけようとすると、逃げられる。


最初は、少し時間を置けば、元に戻るかもと思い、気にしていなかった。

気づくと、二週間たっている。



原因は、何じゃ?



世羅達也せらたつやは、考える。



告白が、ダメじゃった?



再度、考える。



抱きしめたのが、ダメじゃった?



世羅達也せらたつやは、いつも、ここで、思考が止まる。

同じことを何度も繰り返し考えるが、答えが出ない。

たとえ、抱きしめたのが、ダメだったとしても、ないことには、できない。

したいとも思っていないのである。

だが、すみれとの関係が好転すると思ったら、ふりだし・・・場外になってしまったことに、どうしたらいいかわからない。

正直、勉強が手につかない。

小説の締め切りも迫っているのに、行き詰っている。

しかし、解決策が思いつかず、思い悩んでいる。


今日は、文化祭。最終日。

自分の当番は終わったので、適当に他のクラスを見てまわった。

クラスの仲の良い数人とまわっていたら、声をかけられた。


キレイなストレートの黒髪を、なびかせ、頬が赤い。

走ってきたようだ。

知らない顔だ。

スリッパの色が、世羅達也せらたつやと違うので、下級生だとわかる。

「あ・・・あの・・・。」

仲の良い数人を一瞥いちべつし、言葉を躊躇ちゅうちょしている。

気のく一人が、「先、行ってる。」と、言い、皆が去って行く。

世羅達也せらたつやは、彼女を見る。

人けのないところを指し、誘導される。


世羅達也せらたつやは、鈍くない。

これは、もしかして・・・?と、容易に想像できた。

一緒に行くことで、誤解させてしまうのかもと思いながらも、自分だったら、逃げれる方が嫌かなと思い、ついていく。


人けがないと言っても、中庭の木陰だ。

声が聞こえない程度で、渡り廊下からは、丸見えだ。


下級生の女子が、意を決して世羅達也せらたつやに、告白した。

「す・・・好きです。と、突然で、ごめんなさい。」

緊張しているらしく、言いたいことを次々に、言う。

うなずくので、精一杯だ。

「先輩は、大学受験で忙しいのは、知ってます。」

「それでも、私の事、知ってもらいたくて・・・友達からでいいので、お願いします。」

真っ赤になりながら、一生懸命話す姿は、かわいらしいなと思った。

彼女が、どこで、自分を知ったのか気になって、質問した。

「え・・・?塾が一緒です。何度か見かけてて・・・。一生懸命勉強している姿が・・・気になって・・・。」

と、頬を赤くしながら、教えてくれた。

世羅達也せらたつやは、断るつもりでいた。

しかし、人生初めて告白されたこともあって、小説の参考になるのかもと思い、彼女の行動に興味を持った。

「ごめんね。僕、あなたのこと、知らなくて・・・。」

「大崎まどかです。良かったら、連絡先を、交換して下さい。」

スマホを出し、せまってきた。

世羅達也せらたつやは、女子の行動力に驚く。

こういうことされたら、男だったら、嬉しいよなと、思った。

純粋に小説に生かすことしか考えてない。

大崎まどかは、世羅達也せらたつやの優しい瞳を勘違いした。

世羅達也せらたつやの腕をつかみ、軽くゆすり、「お願いします。」と、笑顔で、せまる。

そこで、ようやく、断ってないことに、気づき、世羅達也せらたつやは、焦った。

彼女の告白を断るのに、時間を要した。

その光景を、すみれに、見られているとは、世羅達也せらたつやは、知らなかった。




◇◇◇◇◇◇


何やっているだろう・・・私。



すみれは、心の中で叫び、小さくため息をついた。

理由は、自分の行動だ。

動物園デートの翌日。普通に接する予定だった。

しかし、世羅達也せらたつやを見た瞬間、抱きしめられたことを思い出し、先生としての仮面をかぶれなくなった。一回はずれたものをかぶるのは、容易でない。

自分の気持ちを意識した女の子が、どうしていいかわからず、逆に、避けてしまうという態度をとり続けている。

最初は、自分自身でも、ダメだと思ったが、このままなかったことにしようと決めて、あえて、態度を続行している。

正直、辛い。

でも、すみれは、先生だ。世羅達也せらたつやは、生徒だ。

ずるいかもしれないが、このまま嫌われようと決めた。


文化祭が終わろうとしている今、すみれは、渡り廊下を歩いていた。

何故か、窓の下に目をやる。

特に理由はなかった。

しかし、すみれは、大きな後悔をした。

目線の先には、世羅達也せらたつやと下級生の女子が、仲良さそうにしていたからだ。

親し気に、世羅達也せらたつやの腕を掴んでいる。


これでいいのだ。


いいはずなにに、心は、思い通りにいかない。

すみれの瞳は、切なく、嫉妬の炎が宿っていた。


読んで下さって、ありがとうございます。

すみれ編、今月内には、書き上げたいと思っています。近日更新、目指します。最後まで、お付き合い下されば、幸いです。

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