王家200年の嘘を守ったつもりの愚かな人たちへ
最終エピソード掲載日:2026/03/13
「王家の紋章を侮辱した」という罪で、学位を剥奪され国を追われた。 アネリーゼが卒業制作で指摘したのは、鷲の羽根にたった一本だけ余分な線があるという事実。前世で六年間ロゴデザインを手がけた目には、それが意図的な改竄であることは明白だった。
婚約者は黙って目を逸らし、告発した同期が空席の宮廷紋章官に収まった。
逃げるように辿り着いた隣国の小さな工房で、紋章修復の職を得る。雇い主は無口な男。履歴書も身分も聞かず、彼女の手だけを見て即日採用した。 構造線を読む目は確かなのに、なぜか特定の色の境界で何度も筆が止まる。理由を尋ねても「好みの問題だ」としか言わない。
彼が見分けられない色を、彼女の目が補う。 二人の手が揃って初めて、一枚の紋章が完成する。
古い修復記録を整理するうち、五年前の日付の書類に見覚えのある署名を見つけてしまう。あの男は彼女より先に同じ線を見つけ、同じように声を上げ、同じように追われていた。
一方、彼女を追放した王国では、後任の紋章官が手がけた修復のたびに魔法が不安定になり、崩壊が静かに広がり始めている。
そして王都から一通の外交文書が届く。
彼女の身柄を引き渡せ、と。
たった一本の線を見つけただけの元令嬢に、逃げ場はあるのか。
婚約者は黙って目を逸らし、告発した同期が空席の宮廷紋章官に収まった。
逃げるように辿り着いた隣国の小さな工房で、紋章修復の職を得る。雇い主は無口な男。履歴書も身分も聞かず、彼女の手だけを見て即日採用した。 構造線を読む目は確かなのに、なぜか特定の色の境界で何度も筆が止まる。理由を尋ねても「好みの問題だ」としか言わない。
彼が見分けられない色を、彼女の目が補う。 二人の手が揃って初めて、一枚の紋章が完成する。
古い修復記録を整理するうち、五年前の日付の書類に見覚えのある署名を見つけてしまう。あの男は彼女より先に同じ線を見つけ、同じように声を上げ、同じように追われていた。
一方、彼女を追放した王国では、後任の紋章官が手がけた修復のたびに魔法が不安定になり、崩壊が静かに広がり始めている。
そして王都から一通の外交文書が届く。
彼女の身柄を引き渡せ、と。
たった一本の線を見つけただけの元令嬢に、逃げ場はあるのか。
第1話「鷲の羽根に一本」
2026/03/13 08:01
第2話「窓辺の工房」
2026/03/13 08:01
第3話「光る線の道」
2026/03/13 08:01
第4話「赤と緑の境」
2026/03/13 08:01
第5話「新しい筆」
2026/03/13 08:01
第6話「署名の日付」
2026/03/13 08:01
第7話「飲み物の温度」
2026/03/13 08:01
第8話「二つの鷲」
2026/03/13 08:01
第9話「声を上げる人」
2026/03/13 08:02
第10話「一枚の紋章」
2026/03/13 08:02