表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TWINE TALE  作者: 緑茶猫
70/179

Flag7―牢獄の住人―(2)

 カーミリアさんはそう言うと顔を赤くしたままC組の集団の前の方へと一人で不機嫌そうに歩いて行ってしまった。確かに俺も悪いけど元々の原因はカーミリアさんじゃ……。


 それに対してケトルは「あらあらぁ」と良いながら笑い、ルーナはため息を吐き残念なものを見るような目で俺を見ていた。


「……えっ? えっ?」


 何がどうなってんの?


「まあまあツカサちゃん、落ち着きなさいな。ラナちゃんは怒って無いわよ」


「怒って無いなら何で俺は殴られたんだ」


「それはツカサちゃんが悪いのよ」


 そう言ってケトルは笑うが全く意味がわからない。


「ところでどうしてツカサちゃんはワタシ達三人がガールズトークしてる所に来たのかしら? あっ! もしかして目覚めちゃった?」


「何に?」


「女の子によ?」


「目覚めねぇよ!」


 そもそもケトルが居てる時点でガールズトークが成立しているのかわからない。


「ちょっとルーナに用があったんだよ」


「私ですか?」


「あらま、ルーナちゃんに? ウフッ! いつからなの?」


「えっ何が?」


「二人っきりになりたいんでしょ?」


「えっ……?」


 俺の用事とは転移室についてルーナに訊きたいからだ。皆の前だと世間知らずにも程がありすぎて怪しまれるかもしれないからルーナと二人っきりになる必要がある。そんなまさか……バレた? 一体いつ?


 ここに来てやっと出来た友人達に頭のおかしい人とは思われたく無い。最悪、ケトルには頭がおかしいと思われた上で他の皆には黙って貰うように交渉しよう。


 それにまだ焦る事は無い。まずは白を切って様子を見る所から始めれば最悪の事態にはならない筈だ。


「何の事だ?」


 あまり不信感を持たれない様に自然に振る舞う。


「いやぁねぇ、黙ってても良いこと無いわよ?」


 普段に比べ意外と手強いかもしれない……流石カリスマ性溢れるクラス二位。


「悪いけど何の話かわからないんだけど?」


「あらら? 本当に違うのかしら? ……アナタ達、付き合ってるんじゃないの?」


「…………え゛?」


 返ってきた答えは予想もしていなかった質問。少しほっとした。


「あらあらぁ? 違うのかしらぁ?」


 ケトルは頬を染めてくねくねと身体を動かしている。……やっぱ怖ぇ。


「ち、ちちちちち違いますよケトルさん!? そっ……そんなわけないじゃないですか! な、何で私と司さんが!?」


 ルーナは顔を真っ赤にしてまで否定する始末。そこまで否定されたら何だか悲しくなってくる。


「ウフッ! じゃあそう言う事にしとくわね。ワタシはラナちゃんを追いかけてくるわ!」


 ケトルはそう言い最後にウィンクをすると「ウフッ! ちょぉっとごめんねぇー、失礼するわん」と言いながら前を進んでいる生徒達の間を掻い潜り……いや、蹴散らし、避けられたりしながら進んでいった。


 しかしケトルの凄まじい光景など今の俺達には関係無く、異様な気まずさが残っていた。


「な、なあルーナ」


「は、はひっ!?」


「ここに来た理由はルーナに訊きたい事があったからなんだよ」


「き、訊きたい事ですか!? え、えとえとわわわ私は今まで男の人とお付き合いした事はありませんよ!?」


「いや、そうじゃなくて……」


「すしゅしゅしゅ趣味は読書で最近はレディちゃんにオススメされて貸していただいた男の人が沢山出てくる小説を読ませていただいていましゅっ!」


「やめろルーナ! その本だけは駄目だ!」


「えとえと……今栞を挟んでいるページは女の子みたいな顔つきの男の人が気の強そうな目付きの鋭い男の人を責めてて……」


「ルーナ落ち着け! 言っちゃっいけないような事を言いそうになってるぞ!?」


 って言うか本の内容が何か嫌だ。レディ……ルーナになんて物貸してるんだよ。


「それでそれで……女の子みたいな顔つきの男の人は意地悪な表情をしているのに対して目付きの鋭い気の強そうな男の人は悔しそうな表情をしながらも段々と恥ずかしさが――」


「ストップ! ストーップ! ルーナ! もうやめよう! な!?」


 俺はそう叫びながらルーナの肩を掴み、何度も揺すぶり続け、少しするとルーナは落ち着きを取り戻した様だった。


「す、すみません……」


 ルーナがそっちの趣味にに走ったりしたら只でさえ収拾がつかないのに余計に酷い事になりそうだ…………全力で阻止しよう、うん。


「ところであの……私に用事っていうのは?」


「えっと……大した事じゃないんだけど転移室って何かなって……」


 恥ずかしながら俺は転移室という言葉自体、先程ネアン先生から聞くまで知らなかった。


 現在、俺は他の生徒達と一緒に集団で移動しているが流れで動いているだけであり、何処にあるどんな部屋に着くのかはわからない。


「転移室ですか? 転移室は……転移する部屋です!」


 確かに転移室って名前からしてそうなのかもしれないけどさ……。


「……てへっ!」


 俺、時々思うんだ。ひょっとしたらルーナはアホなんじゃないかって。


「じ、冗談はほどほどにして説明をしようかなー……あっ! 着きましたね」


 ルーナがそう言いながら前を見ると既に開かれている大きな扉を生徒達が通り、奥の部屋へと入っていっているのが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ