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TWINE TALE  作者: 緑茶猫
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Flag6―心と約束と小さな樹氷―(11)

「そんな怖い顔しないのツカサちゃん。落ち着くべきよ?」


「誰のせいでこうなったと思ってるんだ?」


 とは言いつつも、取り敢えず息を吐いて刀を仕舞う。


「頭は冷やしたから理由を教えてくれ」


 俺がそう言うとケトルも落ち着いた事を読み取ったのか微笑んだ。


「そうねぇ、説明したいのは山々なんだけ、察し出来ればてくれないかしら?」


 ケトルはそう言うと俺へ向けていた目線を一瞬だけカーミリアさんの方へと向ける。


「……そう言う事なら俺にも伝えてくれよ……」


 多分ケトルは俺達とカーミリアさんをもっと馴染ませようとしているのだろうけれど、このやり方は俺の心臓にも生命にも悪いと思うんだ。


「ウフッ! だってそっちの方が面白いじゃない」


「……俺は全然面白く無い」


 下手すりゃ死んじゃいそうだし……。


「まあ、良いじゃないの。それはそうとして……良いの?」


 ケトルはそう言うと俺の横の方を指差した。


「何が?」


 俺はそう言ってケトルが指差した方へと目を向ける。



 そこには鬼……悪魔、死神……いや、大魔王と表現しても表現仕切れない程の禍々しいオーラを纏ったカーミリアさんが、そこに居た。なんという圧ッ!


「アンタ……アタシを無視するとは中々度胸あるじゃない……」


 そう言ったカーミリアさんは自身の契約武器である剣に雷を纏わして突っ立っている……笑顔で……そりゃもう見てるこっちまで清々しくなりそうな笑顔だこと……。


「あはは……カーミリアさん……?」


「うふふ……どうしたのー?」


「俺カーミリアさんのそんな笑顔初めて見たなー……」


「そう? 多分とっても楽しいのよ」


 カーミリアさんがそう言うと剣に纏っていた雷の量が更に膨れ上がった。


「嫌だぁぁ! 死にたくないぃぃ!」


 ここまで来たらもはや叫ぶしか無いと思う。


「静かにしなさい。そして体の力は抜くのよ」


「待てカーミリアさん! これはケトルが考えた事で俺もカーミリアさんもケトルに嵌められたんだよ!」


「関係無いわね、アンタは既に変態だから」


「だから誤解だって……!」


「安心なさい。すぐに終わるわ」


「安心出来るわけねぇだろ!? 頼むケトル! 何とかしてくれ!」


 もう頼みの綱はケトルしか居ない。


「ノスリちゃんとの事はワタシも予想外だったわねぇ」


 そう言って微笑むケトル。


「の、ノスリぃぃぃ!」


「…………ふっ」


 鼻で笑いやがった……。


「くそっ……そ、そうだ!ルーナは……」



「……そうですよね。仕方無いです。別にそう言う訳じゃありません……でもお仕置きは必要ですよね? 良いですよねそれくらい……仕方が無い事なんです。そうです、私は悪くないんです。悪いのは全部自分を抑えられない人なんです。これは必要な事なんですよ……駄目な事なんかではないんです。むしろためになる事なんですから私は別に……」



 何か黒いオーラを撒き散らしてる……。


「あはははは……こりゃ駄目だな…………じゃなくてノスリ! このままだと俺わりとガチで死んじゃう気がするからなんとかしてくれ!」


 するとノスリは周囲を一瞥した後、俺の目の前へと来た。


「……仕方無い」


「いや、元はと言えばお前のせいだからな!?」


「よし……この場をこれ以上滅茶苦茶にする……」


「お願いしますノスリ様貴女様だけが頼りなのです」


 何で俺がこんなに苦労してるの? 俺って完全に被害者側だよね……? いや、カーミリアさんを無視してしまったのは悪かったとは思ってるけど、どうして俺だけ?


 しかしノスリに土下座をかまして少しすると、いつの間にか誤解を解いていた様でカーミリアさんやルーナからはすっかりと禍々しいオーラや黒いオーラは消え去っていた。


 やっと解決か……。それにしても、ケトルはカーミリアさんをもっと馴染ませようとしているのはわかるのだが、面白いからとは言え何故わざわざ俺の部屋まで来る様な事をするのだろうか?


「なぁケトル」


「なぁにツカサちゃん? ワタシが恋しくなっちゃった?」


「やっぱ何でもないです」


「いやーん、いけずねぇー、冗談よぉ」


「冗談意外に何があるんだよ……」


「ほ・ん・き、よ。ウフッ!」


「とりあえず話入っていい?」


「んもぅー、せっかちさんねー……」


 誰がそうさせてんだよ……。


「はぁ……とりあえず俺が言いたかったのは何でわざわざ俺の部屋まで来たのかなんだけど」


「ああ、それはね……」


 ケトルは少し神妙な顔をして俺の目を見据える。そして一息溜めた後、再び口を開いた。



「特に深い理由は無いわ」



「……つまり楽しいそうだったからと言う理由で俺は死にかけたのか」


「まぁまぁツカサちゃん、深くは無いけど一応理由はあるのよ?」


「一応……? 何で一応なのかわからないけど、じゃあとりあえずそれでいいから教えてくれ」


 俺がそう言うとケトルは無言で首肯する。


「あのね、ちょっとあるものを探しに来たのよ」


「あるもの?」


「ええ、ワタシは無いと思うんだけどコーチちゃんが必ずあるって言うから」


「コーチが? 何を探しているんだ?」


 大事なものだったら俺も探すのを手伝ってあげよう。


「それは――」


 しかしケトルがそこまで言った時、それを塞ぐ様な形でコーチが発言した。



「ツカサの部屋にあるであろう男のロマンを探しに来たんだぜ!」



「出ていけ」


 普通そんなものを探しにわざわざこのタイミングで来るか? 要は単純に遊びに来たかったのだろう。


 ちなみに男のロマンとは己が趣味が表れるそういった本の事だ。

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