プロローグ 最弱!?魔法総量1の魔法使い
初投稿です!わからないことばかりですが、暖かい目で見て頂けると助かります……それではお楽しみください!
「エクスプロージョン!」
今日も丘の上に詠唱が高らかに響く。と同時に体に響くような地響き。気がつくと、少し離れた場所にあったはずの大岩がもともとなかったかのように消失していた。
「今日もいい爆発だったわよぉ、ねぇパパ」
「今日のママのバフもキマってるね」
『一日一爆』
それがグレース家の日課だ。
一日一回大岩に魔法を打ち込む、周りからしてみれば迷惑な話だ。
だが、生まれてからずっとこれをみて育った少女はそんなことは考えたこともなかった。
「パパ、ママ!今日もすごかった」
そう言うとさっき魔法を打ち込んだ二人が少女をギュっと抱き締めた。この二人は少女の両親。魔法使いだ。二人は現役時代は王国の大魔法使いとして活躍してきたらしい。二人の活躍が近年の魔法ブームを起こした一因だとか。
「ねぇねぇ、私もパパとママみたいな魔法使いになれるかな?」
「当たり前だ」
「そうよねぇ、パパ。だって」
「「パパとママの娘なんだから」」
―――
少女は『一日一爆』を見て育ち、五歳になった。最近は両親から魔法について聞くことが増えた。
「リリィも、もう五歳になった。早いもんだなぁ……明日にでも町に出て『MACT』を受けさせよう」
「いいと思うわぁ……娘がもう『MACT』を受けるだなんて……こっちが緊張してきたわぁ」
『MACT』は魔法使いになるための能力を測るテストだ。
項目は魔力総量、得意魔法、苦手魔法、個性の四つ。
特に魔力総量は魔法使いになるために最も必要な項目とされている。魔法使いになるためには、最低でも魔力総量が30は必要でと言われている。少女の両親は500という人並み外れた魔力を持っている。娘に期待するのも無理はない。
―――
そして次の日。
少女は両親と町の魔法学校へ向かった。『MACT』を受けるためである。
魔法学校につくと、優しそうなお姉さんが案内してくれた。
「リリィ・グレースさんですね。どうぞこちらへ」
両親が外で待つ中、少女は大きな扉の前にやって来た。
「この中で『MACT』が行われます。中へ」
扉を開けるとそこには大きな石盤。すでに何人かの子供たちがいた。
「リリィ・グレースさん、石盤に手を触れて下さい」
「はい!」
少女は自信を持って返事をした。少女は『パパとママの娘だもん!絶対にいい結果が出る』と思っていた。
「結果が出ましたよ!こ、これは……」
少女は石盤に目を移す。そこには、
魔力総量 1
得意魔法 無し
苦手魔法 無し
個性 測定不能
少女は目を疑った。そして外まで聞こえるような大声で泣き叫んだ。
「私は魔法使いになれないの……?」