1話 おうちにさよなら、いざ王立魔法学校へ!
どんよりとした気持ちで朝を迎えた。私は絶望していた。
『魔法総量 1』の文字が頭から離れない。
結果は一週間後に届くと聞いた。
今日がその一週間後だ。
「パパとママには隠してるけど、もう終わりか……なんて謝ればいいんだろう」
ーーー
「ただいま!ん?どうしたリリィ、具合でも悪いか?」
両親が『一日一爆』から帰ってきたのだ。とっさに笑顔を作り、
「元気だよ!パパとママこそ魔法どうだった?」
「パパったら力加減を間違えて大岩を十個も破壊したのよぉ、パパはお茶目ねぇ」
「べ、別に……あ、そうそう。さっきリリィ宛の手紙が来てたんだよ、ほら。きっと『MACT』の結果だろうな。パパもママも楽しみにしてるよ」
(終わった……このまま私はこの家を追い出されて死んでしまうんだろうなぁ……)
そう思ったのも束の間、
「あれ?これ、王立魔法学校への招待状じゃ……」
「す、すごいわぁ……やっぱり私たちの娘ね、ねぇパパ」
心臓の音が速くなっていく。確かにあのときこの目で見たのは『魔力総量1』の文字だったはずだ。
そして行き着いた答えは一つ。『間違えて送られて来ちゃった』
そんな答えだった。
ーーー
『間違えて送られて来ちゃった』手紙が届いてから二年後の四月一日。私は七歳になった。魔法学校は国の法律で七歳になる年から通えることになっている。つまり、私も魔法学校に行く年になってしまったのだ。
「リリィの王立魔法学校の入学は七日か。寂しくなるな……」
「私の娘がぁ……遠くにぃ……」
「パパもママもそんなこと言わないで!」
どうせすぐ戻ってくるだろうから、とは言えなかった。
でも、せっかく行くなら友達の一人くらいは作りたいな……
それなら王立魔法学校のある王都に遊びに行く、くらいの感覚でいいかな。
こうして私は丘の上の家にさよならをした。
ーーー
『王立魔法学校へのご招待』
リリィ・グレース様
あなたは魔法に対する適性が非常に高く、その類い希なる能力と、王国の更なる発展のためにあなたを我が校の特待生として招待する。
1.入学金、学費免除
2.制服、杖、その他の無償給与
3.月100ドーバの支給
校長 シイナ・アーリナッチョ
『ことば』
ドーバ
この世界のお金。日本円にすると、1ドーバが100円くらいの価値。つまり、招待状には一ヶ月に10000円も貰えると書いてあるということ。
シイナ・アーリナッチョ
王立魔法学校の校長であり、世界最強の魔法使い。女性。魔力総量は9999。王と繋がりがあり、この学校を任されている。




