潜伏
大轟音と共に立ち昇った火柱だったが
ほんの数秒で収まってしまった
鉄砲の為に用意された火薬が爆発しただけで兵糧は吹き飛んでしまい燃えるには至らなかったのだ
しかし使い物にならなくなったことに変わりなく
補給を待たなければ行軍は叶わなくなったであろう
誰もがその瞬間火柱に目を
大轟音に耳を
それ以外に使う事は許されず
その瞬間どんな事が起こっても気付くことなど出来なかったことになる
姿を見せぬ敵にジョスイは警戒感を最高に引き上げる
「絶対まだこの中にいるはずだ
ヤツは仲間置いて逃げるようなヤツじゃねぇんだ
鷹の所に絶対現れる
ん?待てよ
鷹と見せかせて兵糧
今度こそ鷹と見せかけて…俺かぁ!?」
ジョスイは青ざめた さっきの爆発の一瞬アキヨリ達は自由に動けた筈だ
自分のすぐ近くにもう潜んでいるかもしれない
都合良く夜も明けて周りの様子はよく分かる
ジョスイは身辺警護の者達を引き連れ
周りに隠れる所のない少し開けた所に急いだ
「とにかく俺を守れ!
鷹の方は手薄になってもかまわねえ
やりたくねえが鷹を人質に取れ
近づいたらぶっ放すぞと鷹に鉄砲をつきつけろ!」
自分を精鋭達に幾重にも囲ませ
リヨウを人質に取り
ジョスイはアキヨリ達の次の一手を待った
待つしか無かった
「ヤロウどこに隠れてやがる
夜も明けた乱痴気騒ぎももう収まるぞ
隠れる所なんかねえぞ
おい!早く鷹に鉄砲だよ!」
言付けられた兵が恐る恐る御輿の戸を開け
鉄砲の銃口を差し込もうとすると
突然何かが御輿の中から何か飛び出した
その瞬間鉄砲を持った兵は激しく血を吹き上げ宙を舞った
つづく




