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20. 美しき呪い
「MYDeaL、始めます。」
一年ぶりにライブ会場に姿を表した由梨奈の顔には、以前のような仮面はついていなかった。
◇
美里の呪いが私を解放してくれない。ずっとそう思っていました。
出会いがあるから、別れがある。
美里との思い出、その全てが別れを辛く悲しいものにするなら、いっそ出会わなければ良かったのでしょうか。
……否、その呪いが今となってはとても心地いいんです。
私、自分1人だと何もできないんです。美里からの誘いがなかったら今みたいに表舞台でアーティスト活動をすることは絶対になかったと思います。
彼女ね、本当に執念深くて鬱陶しいんですよ。私が美里とのディズニーデート当日に熱中症になってリスケになったの、ず〜っといじられてたし。
多分今は「あたしがここまで導いたんだからあんたもっと頑張りなよ」って言ってるかもしれないですね。
彼女が亡くなってからしばらくは、想像の彼女の言葉や思い出が私の精神を蝕んでいました。でも、今はそうやってぐちぐち言ってくる美里が、私のことを縛って、奮い立たせて、怠け者の私を次へと導いてくれていると感じるようになったんです。
最後の曲は美里への愛を唄う曲です。私が彼女に伝えきれなかった愛の唄。
受け取ってください。
「あなたが」




