表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/6

000_プロローグ

2020年代後半、世界の軍事バランスは一変した。

戦場を支配したのは、人間ではなくAIだった。

自律型の無人ドローンや兵器が、超高速の演算によってミリ秒単位で戦術を組み立て、敵を効率的に排除していく。

そこには人間のパイロットが気絶してしまうような、10Gを超える超機動があり、恐怖による躊躇も、引き金を引く一瞬の迷いも存在しなかった。


だが、完璧に見えたAIの支配にも、冷酷な技術的限界が存在した。

国家規模の強力な電波ジャミングが吹き荒れる「情報の暗黒地帯」において、AIはただの盲目の鉄クズと化す。


カメラやセンサーの視覚情報だけに頼るAIは、煙幕やダミー風船といった、戦場の原始的な「騙し(欺瞞)」をどうしても見抜けなかった。

どれだけAIの処理速度を上げても、実戦経験を積んだ人間――それも、未来予知に近いレベルで戦況を察知する『本物の天才』が持つ「直感」と「閃き」には、どうしても一歩及ばない。


「AIの計算速度」と、「人間の直感」。

その二つを最も安価に、そして最も高純度に融合させるための禁忌の実験が、日本の片田舎で極秘裏に始まろうとしていた。


画面の向こうのミリ単位の攻防に命を賭け、世界大会の頂点を夢見ていた若者たち。彼らの持つ「ゲーム脳」という名の異常に発達した予測能力が、本物の戦闘AIの『パーツ』として白羽の矢を立てられたのは、必然だったのかもしれない。


これは、誰もが「ただの最新ゲームのテストだ」と信じて疑わなかった、あの決定的な一週間の始まりの記録である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ