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【三章】モブ令嬢の、幸せ推し活な学園生活 ~モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!~  作者: 廻り
第一章 『女神の再来』だと精霊に告げられましたが、それより推しに認知されたい
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25 ルカの勉強2


「幻滅など、しておりませんわ。今朝の宿題には本当に驚きましたもの。あの宿題はどうなさったのですか?」

「……あれは、執事に教えてもらいながら解いた」


 ルカが誰かに頼んでまで、宿題をしていたとは。ゲームの中ですら、それほど熱心に勉強するルカは描写されていなかった。


「すごいですわ! ルカ様はやる気になれば数学もできるんです」

「でも、難しくて徹夜したんだぜ……かっこ悪すぎ」


 徹夜するほどのやる気は一体、どこから出てきたのだろうか。とにかく、ルカは本気になれば物凄く頑張れる子だ。


「完璧に解けるまで努力したルカ様は、とても素敵ですわ! 誰しも初めはうまく行かないものです。ルカ様はそれを、努力で乗り越えられる能力をお持ちですわ。剣術もそうです。初めは大変そうでしたのに、今では騎士団長様とも互角に渡り合えるではありませんか。全ては、ルカ様の努力の(たまもの)です!」


 思わず推しについて熱弁してしまい恥ずかしいモニカだが、ルカは「そうか……?」と少し気持ちが回復したようだ。


「はいっ。学園生活は始まったばかりですもの。まだまだ挽回の余地はありますわ」

「そう……だな」


 ルカはやる気が戻ってきたようだ。金色の瞳にわずかな希望の光が伺える。

 モニカは、勉強会を提案するなら今だと判断した。


「ですからこれからは一緒に、宿題や予習をしませんか? 勉強も二人でしたらきっと楽しいと思いますよ」


 なんならリアナも呼べば、二人の信頼度もさらに上がって一石二鳥だ。モニカは新たな作戦を練りつつ、ルカに微笑みかける。

 しかしルカは、笑顔になりかけていた顔を一気に曇らせた。


「やだ」

「えっ……。どうしてですか?」

「それって、俺が一方的に教わるだけじゃねーか」

「初めのうちはそうなってしまいますが……」

「俺は、そんなのやらねー」

「そんな……。私が一緒ではお嫌ですか?」


 幼馴染として、揺るぎない信頼関係を得ていると思っていたのに。

 ルカはモニカの手を振りほどいてから、バケットサンドを鷲掴みにして立ち上がる。


「これ以上、恥の上塗りはしたくねーんだよっ」


 そして、ポケットからなにやら取り出したルカは、モニカに向けてぽーんと投げてから、この場を逃げるように去って行った。

 受け取ったモニカは、ぽかんとしながら手のひらにあるキャンディを見つめる。


(……どんな時でも、バケットサンドとお礼のログボは忘れないのね)





「それは、『男のプライド』だろうな」


 翌日の放課後。モニカは、昨日のカリストへのお礼としてバケットサンドを作り、彼の研究室を訪れていた。

 ついでに、バケットサンドを頬張るカリストにルカの相談をしてみたところ、そんな答えが返ってきた。


「男のプライド……ですか?」

「昨日の授業を見た限りでは、あいつはモニカの世話を焼きたいんじゃないか? それなのに勉強の世話をされたんじゃ、あいつのプライドが傷つくんだろ」


 確かにルカも「恥」とか「いいところを見せたかった」と言っていた。


「ですがルカ様には、早急に勉強を頑張ってもらわなければ、定期試験に響くんです。私のお節介のせいで、ルカ様は勉強ができると思われしまっていて……。これ以上ルカ様に、恥を掻かせられません」


 クラスで恥を掻くことを考えたら、モニカの提案を受け入れてくれてもよいだろうに。

 彼は頑なに、モニカに対して恥を掻きたくない様子。幼馴染なら気にする必要もないと思うが。

 それがカリストの言う『男のプライド』なのだろうが、やはりモニカとしては納得いかない。


「先生。何か良い案はありませんか?」

「そうだな……。教師だとあまり使えない策だが、褒美を用意するのが手っ取り早い。それと、モニカ以外の誰かを教師役にしたらいいんじゃないか?」

「なるほど……」


 ご褒美は用意できそうだが、教師役を引き受けてくれる者はいるだろうか。モニカはじっとカリストを見つめた。


「……いや、俺はやらないぞ」

「そんなぁ……。刺繍は教えてくれましたよね?」

「それは、モニカが懸命に頼み込んできたからだ。あいつに頼まれてもいない教師役を、わざわざ引き受けるつもりはない」


(先生の言うことはもっともよね……。かといって、ルカ様に「先生にお願いしにいきましょう」と誘っても、乗ってくれるとは思えないわ……)


 やはり、友達同士で勉強会を開くのが無難な気がする。


「わかりました……。リアナちゃんたちにお願いしてみようと思います」


 元からリアナは誘うつもりだったし、彼女に頼んでブラウリオとロベルトにも参加してもらえば、ルカも参加しやすいかもしれない。


 そう考えていると、急にカリストがモニカの頭をなでてきた。モニカはきょとんっとしながら彼を見つめる。


「先生……?」

「あれから、モニカの環境が随分と変わったようだ。良かったな」


 今までのモニカなら、困った時に友達に頼ることができなかった。カリストはそのことを言っているようだ。


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◆人物紹介◆

モニカ・レナセール
伯爵令嬢。乙女ゲームのモブ

カリスト・ビエント
教師・男爵家の養子。乙女ゲームの攻略対象(初心者用)

ルカ・フエゴ
公爵令息・騎士。乙女ゲームの攻略対象

リアナ
聖女・平民。乙女ゲームのヒロイン

ブラウリオ・ アグア・プロテヘル
王太子。乙女ゲームの攻略対象

ロベルト・スエロ
侯爵令息・宰相の息子。乙女ゲームの攻略対象

ミランダ・セーロス
公爵令嬢。乙女ゲームのルカの婚約者

ビアンカ・ソルダー
辺境伯令嬢。乙女ゲームのロベルトの婚約者

イサーク・リアマ
男爵・ルカの従兄。乙女ゲームの悪役

ルー
火属性の精霊

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◆作者ページ◆

~短編~

契約婚が終了するので、報酬をください旦那様(にっこり)

溺愛?何それ美味しいの?と婚約者に聞いたところ、食べに連れて行ってもらえることになりました

~長編~

【完結済】「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります(約8万文字)

【完結済】悪役人生から逃れたいのに、ヒーローからの愛に阻まれています(約11万文字)

【完結済】脇役聖女の元に、推しの子供(卵)が降ってきました!? ~追放されましたが、推しにストーカーされているようです~(約10万文字)

【完結済】訳あって年下幼馴染くんと偽装婚約しましたが、リアルすぎて偽装に見えません!(約8万文字)

【完結済】火あぶり回避したい魔女ヒロインですが、事情を知った当て馬役の義兄が本気になったようで(約28万文字)

【完結済】私を断罪予定の王太子が離婚に応じてくれないので、悪女役らしく追い込もうとしたのに、夫の反応がおかしい(約13万文字)

【完結済】婚約破棄されて精霊神に連れ去られましたが、元婚約者が諦めません(約22万文字)

【完結済】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います(13万文字)

【完結済】魔法学園のぼっち令嬢は、主人公王子に攻略されています?(約9万文字)

【完結済】身分差のせいで大好きな王子様とは結婚できそうにないので、せめて夢の中で彼と結ばれたいです(約8万文字)


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