「テレワーク」の「テレ」とは
会社と連携しているパソコンを自宅に揃えたり、持ち運びできるノートパソコンを、カフェやコワーキングスペースに持参して、出勤しなくとも遠隔地から仕事を行う……テレワークをしている光景も、すっかり日常の一コマとなり、珍しいものではなくなりました。
「テレワーク」の「ワーク」は「働く」意味ですが、「テレ」は「離れた場所」を意味します。
古代ギリシャ語で「遠方の」を意味する「tele」が語源です。
身近にも「テレ」のつくものは多くあります。
テレビは、略さずに言うと「テレビジョン」。「テレ」+「ビジョン(映像)」で、離れた場所の映像が見られる装置、というわけです。
電話は「テレフォン」。単純に「フォン」だけでも、最近は「電話」の意味がありますが、離れた場所で「フォン(声)」を聞ける、というのが本来の言葉です。「マイク」の正式名称、「マイクロフォン」も「フォン」ですし。(「小さい声でも聞こえる拡声器」として、「micro」+「phone」です)
「テレカ」と言っても、街中で公衆電話すら見かけなくなった現在で通じるかどうか疑問な言葉ですが、これは「テレホンカード」の略。上記の「テレフォン」からきていて、回数制限で有料電話をかけることができるカードです。「テレクラ」は、「テレホンクラブ」の略ですが、これは、まあ……詳しく語るとR-18カテゴリになっちゃうのでここでは省略。
望遠鏡は「テレスコープ」で、遠くを「スコープ(見るもの)」。
超能力の「テレパシー」「テレキネシス」「テレポーテーション」も、離れた人の心の声を聞いたり、手を触れずに遠くから物を動かしたり、離れた場所に瞬間移動したり、といった能力になります。
ビジネス用語では、遠隔地からのテレビ会議を「テレプレゼンス」「テレカンファレンス」なんて呼んだりします。
ここまで書いてきて、「あれ、『E.T.』も、テレなんとかじゃなかったっけ……」と思い当たりました。
スティーブン・スピルバーグ監督の1982年の映画「E.T.」は、宇宙人がメインのストーリー。
調べてみると「E.T.」とは、「地球外生命体」を意味するエクストラ・テレストリアル(Extra Terrestrial)の略でした。
遠方の「テレ」とは違うんですね。私の勝手な勘違い。自分の失敗を恥じて、「テレ」ちゃいます……。そんなオチ。




