眠れない夜、羊は数えない
熟睡することを「ぐっすり眠る」と表現します。
この「ぐっすり」という言葉、「眠る」以外に使うことはありません。
「ぐっすり」=英語の「good sleep」から来ているのではないか、という説がありますが、江戸時代の書物には既に「ぐっすり」という表現があり、英語が語源という説は不正解のようです。
眠れない時には「羊が一匹、羊が二匹……」と、羊の数を数えると眠気を誘い、よく眠れる、という俗説があります。
こっちの方は、英語が語源。
「one sheep, two sheep...」と英語で数えていくわけですが、「眠る」を意味する「sleep」と、「羊」を意味する「sheep」が似ているという言葉遊びが理由なのだそうです。。
また、「sheep」という発音は、自然と腹式呼吸が促され、それを一定のリズムで繰り返すことでリラックス効果がある、とか。
羊飼いが羊の数を数えるうちに、単純作業で眠ってしまったというのも由来のひとつで、「カウンティング・シープ」というのは世界中で「眠くなる」共通認識があるのですが、英語圏の話。
日本人が日本語で「羊が一匹、羊が二匹……」と数えたところで、あまり意味が無いんですね。
日本語だったとしても、数を数え続けるという単純作業が眠りを誘うのでは?とフォローしたくなりますが、イギリスのオックスフォード大学が発表した研究結果によると、数を数えるという行為は、自律神経が興奮し脳が活性化、覚醒に繋がり、余計に目が冴えてしまって逆効果になることも考えられるそうです。
バスや電車など、一定のリズムの揺れで眠くなったり、単純なリズムが繰り返されているのを聞いているとついウトウト……というのは誰しも経験があると思います。
ぐずっている赤ん坊が、母親の腕に抱かれると泣き止んで寝てくれるのは、もちろん安心感もあるのでしょうが、心臓の音が近いから、鼓動の一定のリズムを聞いて眠くなる、という話を聞いたことがあります。
結論。眠れない時には、単調なリズムを聞くこと。そして、リラックスすること。
動画サイトにも「睡眠導入BGM」など、結構ありますし。そういうのを利用するのも、ひとつの手です。
あ、でも、寝る前にスマホを見ちゃうと、つい他の動画も見たりして、夜更かしに繋がるかも……。




