ピカソのフルネームが言えない
この雑学エッセイ、「名前」ネタが続いておりますが、表題のとおり、画家のピカソの名前、なかなか言えないです。
「え? ピカソの本名ってパブロ・ピカソでしょ? そんな短い名前を忘れるの?」という人もいるかもしれませんが、「パブロ・ピカソ」という名前は、画家としてサインを書く時のペンネームのようなもの。
本名は、こうです。
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・シプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ
なっがーい!
ピカソはスペインの生まれですが、スペイン人は家族や血統を大事にし、自分の父や母、祖父、先祖の名前を本名の中に代々織り込んでいくので、どんどん長くなる傾向にあるそうです。
この長い名前は、ピカソ自身も、覚えきれなかったようです。
役所などでフルネームを書く用事がある時は、自分の「本名」をメモに書いて準備したと言います。
さらには、キリスト教徒でもあったので、教会での洗礼名も別に持っています。こちらはもっと長い。
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・クリスピン・クリスピニャーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・マリア・デ・ロス・レメディオス・アラルコン・イ・エレーラ・ルイス・イ・ピカソ
メモをとるにしても、面積の大きいメモを準備しないと……。
縁起の良い言葉を全部詰め込んで名前が長くなった子供が主人公の、「寿限無」って落語がありますが、それに近いですね。
フルネームを言い終える頃には、たんこぶがひっこんじまったい、みたいな。
ピカソと同じく、スペイン人で芸術家であったサルバドール・ダリも本名は長く、「サルバドール・ドミンゴ・フェリペ・ハスィント・ダリ・ドメネク」。
スペインの人って、自己紹介だけでめっちゃ時間かかりそう……。
スペイン人だけで5対5の合コンをやったら、最初の自己紹介タイムが終わる頃には、料理が完全に冷めそう。
さて、最後にピカソの名言で締め括ろうと思います。
ピカソはいくつも名言を残しており、特に創作活動を行っている人には刺さるような言葉もいくつか。
「誰でも子供のときは芸術家であるが、問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかである」
「できると思えばできる、できないと思えばできない。これは、ゆるぎない絶対的な法則である」
「想像できることは、すべて現実なのだ」
「明日に延ばしてもいいのは、やり残して死んでもかまわないことだけ」
「何よりも辛いのは、永遠に完成することがないということだ」
「覚えておくんだ。生涯あなたに付き添ってくれる唯一の人はあなた自身なんだ」
ピカソの言葉で、本当にしびれたのがこちら。
ミュージアムをひとつくれ。埋めてやる。 ――――パブロ・ピカソ




