可能性とは?「無限の猿定理」
なんとなくデジタル時計を見た時に「11:11」だったり、偶然「数字のゾロ目」が揃った瞬間を見ただけで、ラッキーな気分になることがあります。
数が揃う機会は1日に何度もあって、そのうちの「1回」をたまたま目にした……に過ぎないんでしょうけど。
サイコロを2つ振って、「1」のゾロ目が出た時、「ピンゾロ」なんて言いますが、英語では「スネークアイズ」って呼ぶんですよね。
蛇の目。なんかカッコイイ。
今回は、サイコロを振って同じ数字が出る確率を考える……という話ではなく、デタラメにキーボードを叩いて、偶然に言葉や文章を築くことができるか、という確率の話。
言葉を知らない猿に、タイプライターを与えます。猿は、適当にキーを叩きます。
当然、作られるのは意味を成さない文字列です。
ですが、長い長い時間、無限にも近い時間をかけて実験したとします。
猿はキーボードを叩き続けて……偶然にも、シェイクスピアの「ハムレット」とまったく同じ文字列を、いつかは完成させるかもしれない。
これが「無限の猿定理」(infinite monkey theorem)と言われる問題です。
極端に可能性が低いことでも、長い時間をかけて限りなく試行するうちに、確率がゼロではない出来事なら、すべて起こり得る……という数学的な話です。
今、パソコンの前に座ってこれを読んでいるのなら、猿の気分になって、キーボードをムチャクチャに叩いてみましょう。
何回やっても、意味のある言葉の羅列にならないことが分かるはずです。
……冗談ですので、ホントーにやってキーボードを壊さないでね。私は弁償しませんよ。
長い文章じゃなかったとしても、「apple」くらい文字数が少ない単語なら、猿がキーを叩いても偶然発生することはあるのではないか。
1匹の猿が、AからZまでの26文字のアルファベットの書かれたキーボードで、文字をランダムに打ち出すことを考えた時に、任意の一文字目が打ち出される確率、つまり「apple」の「a」を打ってくれる確率は1/26になります。
決まった5文字の文字列が打ち出される確率は1/26の5乗。計算すると1188万1376分の1。
猿が1秒で1文字打つとすると……いや、それ以前に、実際に使われているタイプライターやパソコンのキーボードのキーは、26個ではなく約100個だから、1/100の5乗で考えると……いかん、頭痛くなってきた。
猿よ、お前にはシェイクスピアは無理だぁー!




