チャッカマンは富士山で試験している
前回、マッチやライターについて取り上げました。
仏壇にも、ロウソクや線香に火を点けるために、マッチの小箱が置いてありました。
現代では、仏壇に置いてあるのは、棒の先から火が出る「チャッカマン」が多いですかね。
あれの正式名称は「点火棒」であり、「チャッカマン」は「東海」という企業の「登録商標」だそうですよ。
「東海」は使い捨ての100円ライターを開発した会社でもあり、ライターの自社独自の生産技術をもっていました。
1982年、社長夫婦がアメリカ出張に行った際、招かれたバーベキューパーティーで点火する様子を見て、「アウトドアのような環境下でも安全に着火できるライターがあったら……」と、長い棒の先に火が出る仕組みのライターを思いついたそうです。
ということで「バーベキューの点火用」のライターという触れ込みで、商品名も「BBQ」とし、アメリカのみでテスト販売をしたところ、売れ行きは上々。
改良モデルを国内でも販売したところ、大きな反響を呼ぶことになりました。
現在、月産で80万本が販売され、国内だけでも3億本近く、海外も合わせた累計ではこれまでに5億本以上を販売しているそうです。
発売当初、アニメの「ガッチャマン」からヒントを得て、「~マンという名称にした方が覚えやすい」と、「着火」+「マン」でチャッカマンという名前に決まりました。
チャッカマンを買ったお客の中で「登山に持って行ったら、高い山では点火しない」という声があり、当時の社員はチャッカマンを富士山に持って行って、現場で実験しました。実際に、2500m以上の高地では、着火率が落ちたそうです。
それ以降、「東海」という会社では、製品の試験基準に「標高別着火試験」を定めました。
改良した新型モデルのチャッカマンを出すたびに、社員が富士山の5合目まで自動車で登り、酸素が薄い環境下でも問題なく火が点くか、試験しているそうです。
普通のライターで火を点けるより、「発火点が近いもの」はチャッカマンが便利なんですよね。
花火で火を点ける時にも便利なほか、近年では「お墓参りの必需品」のような気もします。
昔は、でかい置物かと思ったらライターとか、拳銃かと思ったら銃口から火が出るライターとか、土産物売り場には「ヘンな形・ヘンな機構のライター」って、よく見かけた気がします。今でもあるのかな?
私もタバコを吸っていた頃には(今は禁煙しましたが)、そういう「変わり種ライター」で、飲み会の席で得意気になって遊んだりしました。LEDライトつきライターでふざけたり。高級ライターとは、一切縁が無い喫煙生活でした……。




