水道水が飲める国は少ない
とあるオタク外国人の知人が、「日本人の胃腸って頑丈だよね」とヘンな感心の仕方をしていました。
日本のアニメやマンガに「キッチンの水道の蛇口からコップに水を注ぎ、その水を飲む」シーンがあるから、なんだとか。
「水道水なんて、とてもそのまま飲めないよ。そもそも飲む水は、お店で買うものでしょ?」
という認識の国は、世界的に見ると多いのかもしれません。日本に住んでいると、あまり意識しませんが。
「水道水は、水洗トイレを流す時に使うくらいかな」
またトイレの話題かー。
エッセイで四回も連続でトイレ関連だと、さすがに読者が離れてしまうぞー。
話題を戻すとして。
世界には大小様々な約200の国がありますが、国土交通省の調査によると、世界で安全に水道水を利用できる国は、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、フィンランド、ドイツ、オーストリア、スロベニア、南アフリカ共和国、そして日本を含めて世界でわずか9カ国。
(ひとつレベルを下げて、「水道水は飲めるが、注意が必要な国」という分類も30カ所くらいあります)
特に、日本の水道水の品質基準は世界最高峰で、逆に「キレイな水道水」に体が慣れてしまっているからこそ、海外旅行で「水が合わなくて体調を崩した」ということが起こり得ます。
外国では、市販のミネラルウォーターを買って飲みましょう。その方が安全です。
水道水が飲める国、ニッポン。
今でこそ、コンビニで普通にミネラルウォーターも売ってますし、店舗だけではなく一般家庭にウォーターサーバーがあったりしますが、ひと昔前の認識は違っていました。
1980年代末くらいから、飲料水メーカーがペットボトルの「ミネラルウォーター」の販売を初めて開始した時、まだ「水を飲むのに、なんで金を払って、店で買わなきゃいけないんだ、自分の家の水道水を飲むわい」という認識が常識だったように思います。
1993年の新聞には、ミネラルウォーターの500mlペットボトルを、革製ホルダーに入れて持ち歩くという若者のファッションが流行し、これらの若者を「オアシス族」と呼んだ、という記事が掲載されています。
この頃から、ペットボトルのミネラルウォーターが認知され、売り上げを伸ばしていったようです。
「水は買う物」ではなかった時代もあった、ということですね。
その前は、「お茶」が缶の自販機で出た時、「自分の家でお茶を沸かして、水筒に詰めて持ち歩けば済むのに、なんでわざわざ外で買うのか?」という時代もあったようですし。
科学の進歩、人々の常識は、知らぬ間に次々と更新され、アップデートされていきます。
周囲を見回して……次に「買うのが当たり前」になる物は、何でしょうか?




