ティッシュはガスマスクの材料だった
ノートや書類に貼ったりする「付箋紙」は、アメリカの科学研究所が、新開発の接着剤を開発している途中で誕生しました。
「粘着力が弱く、何度貼ってもすぐに剥がれてしまう接着剤」は、「失敗作」として廃棄されそうになりましたが、研究員のひとりが、紙につけて、本の「栞」代わりに使うことを思いつきました。
それが現在まで事務用品・文房具として普及しているわけです。なんと立派な失敗作。
我々が日常的に使っているもので、「廃棄されそうになったもの」としては、ティッシュペーパーがあります。
第一次大戦には、ドイツ軍の使用した毒ガス兵器対策として、アメリカでは大量のガスマスクが準備されていました。
戦争終結後、用途を失ったガスマスクは大量に余り、 ガスマスクのフィルター部分に何層にも重ねて使われていた紙の材料「ティッシュ」は、在庫を抱えます。
廃棄処分が検討される中、アメリカのキンバリー・クラーク社がそれを買い取り、女性用の「メイク落とし」として販売しました。
それまでのメイク落としは、タオルなどを使っており、洗って再利用する手間や、不衛生さもあったので、使い捨てできる消耗品の「ティッシュ」に飛びついたのです。こうしてティッシュペーパーはヒットしたのでした。
さらに、女性層以外にも、手を拭くための「使い捨てハンカチ」として売り出したところ、これまたヒットし、老若男女に認知されていったそうです。
あの薄い紙を、ハンカチに?と日本人は思ってしまうかもしれません。
当時のアメリカのティッシュは、やや厚手の紙でした。
日本の薄くて柔らかいティッシュは、日本のメーカーが、肌の弱い日本人に合わせて独自に開発したものらしいです。




