スポンサー様への配慮について
2時間サスペンスドラマでは、完成品をテレビで放送する前に、スポンサーに向けての試写会があります。
そこで、あるスポンサーが激怒して、ドラマの放送自体がお蔵入りするという事態がありました。
犯人が車のブレーキに細工して、自動車事故を起こし、 ターゲットを殺害……といった物語の設定が、逆鱗に触れたようです。
メインのスポンサーは、自動車メーカーでした。
自動車の宣伝をしたいから金を出しているのに、お客様が車の運転に不安を抱くようなドラマを作るとは何事だ、というわけです。
他にも、ドラマのスポンサーへの配慮は、さまざまなものがあります。
食品メーカーがスポンサーに入っている時は、口に入るものに疑念を抱かせてはいけないから、「毒殺」は使えない、といった具合。
他にも、事務所の権力関係で、「脇役でいいから、ウチの事務所の役者を使ってほしい」なんてゴリ押しされたり「うちの所属アーティストが新曲を出すから、ぜひ挿入歌に!」なんて、そういった露骨なパワーゲームが、昔のドラマではあったりしたわけです。
「なぜここで急に無名歌手の演歌が流れるんだ?」と視聴者が違和感を覚えることもあったりして。
作り手は、見えないところで、様々な制約と戦いながら、 ドラマを作っているのです。
都市伝説をひとつ。
いつの間にかアニメ25周年を突破し、一介の小学生が週一ペースで事件に巻き込まれ、千人以上の死体と遭遇している「名探偵コナン」は、一番大きなスポンサーが「日本ガス協会」でした。(現在は外れています)
「だからアニメのコナンでは、ガス爆発による殺人事件は起きない」との噂が囁かれたり……その分、「日本ガス協会」がスポンサーに入っていない「劇場版・名探偵コナン」では、ビルがドッカンドッカン爆発している、などと「それっぽい」裏付けもありますが、厳密には、テレビアニメ版「名探偵コナン」でも爆発が無いわけではありません。
「劇場版」の爆発が容赦ない規模なんで、比較すると「テレビアニメ版」 の爆発の印象が薄れてしまっているだけなんですよね。噂は噂にすぎないのでした。




