エベレストは測るたびに高さが変わっている
登山を趣味としている、会社の先輩がいました。富士山には三回も登っているそうです。
富士山のトイレはチップ制で、いちいち100円払って用を足すんだぜ、とか言いながらビールを飲んでいましたが(飲み会の席です)、
「いつか世界一のエベレストにも挑戦してみたいなあ」
と、遠いどこかを見ながら、呟いていました。
中国とネパールの国境にある、世界最高峰のエベレスト。現地の言葉でいうところの「チョモランマ」。
ネパール側とチベット側、どちらのルートから登るかで、現地の政府に支払う入山料は変わるそうです。
入山料だけでも、最低でも相場は1万ドルくらい(日本円で約140万円)。
その他、 ガイドや医療登録費など、さまざまな諸経費もすべて込みだと、一回のエベレスト登山で平均650万円ほどかかると言われています。
富士山のトイレのチップで100円をぐちぐち言うセンパーイ、650万円払えますかー!?
ちなみに「エベレスト」の名前は、1841年に測量チームを率いて 「世界で最も高い山」 を発見した人、ジョージ・エベレストからきています。
人名が由来。
以前に取り上げた、第25回の 「エポニム」の概念ですね。
さて本題。
エベレストの標高は、計測するたびに微妙に数値が変わっているそうです。
これは、プレート移動、地殻変動、地震などにより少しずつ山が動いていたり、積もっている雪や氷が天候で融けたり、高さが実際にわずかに変化することもあるのでしょうが、コンピュータの進歩で、精密で正確な測定が可能になっているためです。
1955年にはインドの測量局が出した高さは8848m。
1999年にアメリカの地理学協会がGPSを設置して測定した時は8850m。
2020年、中国の測量チームが当時最新鋭の測定器を使って測った時は8848.86mだったそうで、これが現在の公式な標高となっています。
怖いことに、エベレストでの死亡事例は多く、現在も200体以上の死体がそのまま手つかずで、極寒の自然環境の中でミイラになっているとか。
特徴的な死体には呼び名がついて、登山ルートの目印となっているものもあるそうです。というか、登山ルートから見えるんだ……。
センパーイ、もしもエベレストに行くのなら、俺が飲み会で立て替えた5千円を払ってからにしてー!




