ガラスは固いのに、固体ではない?
水は、液体。
冷やして氷になると、固体。
熱して水蒸気になると、気体。
物質の基本的な「三態」です。
固体は、「分子の配列が規則正しく並んでいる」状態なので、塊で固いのですが、この定義で考えると、ガラスは「固体」ではないのだそうです。
ガラスも、超高温で熱してドロドロに溶かせば、もちろん誰が見ても「液体」なのですが、窓ガラスなどに使われている、固くて透明な状態の、あのガラスについての話。
ガラスの分子の配列を見ると、通常の「固体」のように、規則正しく並んでいません。
特殊な結晶の構造で、ランダムに配置されています。
ガラス自体、外観的な特徴を見ると、明らかに「固体」なのですが、電子顕微鏡でガラスの分子を観察した時の特性は「液体」に近いのだそうです。
研究者たちの間でも「定義上、ガラスは固体か? 液体か?」が長年の謎とされてきましたが、2020年、東京大学の研究チームにより、ひとつの結論が出ました。
ガラスは、分子の配置を変えながら運動している、固体と液体、両方の特性を持つ物質である、と。
固体でも、液体でもなく、中間的な状態なのだそうです。どちらでも、間違いではありません。




