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57日目(実戦機種:ガルガンティア)

 職場から国道沿いに30分ほど歩いた場所にそのホール〈トワーズ〉はあった。

 神奈川県の某所とだけ言っておこう。ローカル風味いっぱいの昔ながらのパチンコ屋さんである。しかも住宅地のど真ん中にある。

 とにかくガルガンティア目当てでこの店にやってきた。狂気とも言える3台設置なので座れないということは、まずないだろう。

 入店してみると3台とも空いていた。そりゃまあ、そうだわな。

 A台、B台、C台とあってA台が島の角台(カド)だった。プラ板による仕切りもない狭い遊技空間(スペース)なので、ゆったり打つために角台を選ぶ。


 打ちはじめて間もなく小汚ないおっさん登場。コキータと仮に呼ぶことにする。

 コキータは1台離れたC台に座った。その短い脚を最大限に伸ばし、オレがいるA台まで届かんばかりに(はす)になってハンドルを握る。人間(スラッシュ)の完成である。

 バカだ。こういう打ちかたをするヤツは完全にバカだ。ああ、しかし神様はなんて残酷なのでせう!

 コキータはあっさりと当たりを引き、しかも連チャンしはじめた。

 この店は出玉計数機付(パーソナル)なので、コキータが何箱出したかはわからない。それにオレも長くは付き合わなかった。

 劇場霊でオカマを掘られたときもそうだったが、ほかのお客さんに競り負けたときは早々に立ち去ることにしている。平常心で遊技できないからだ。

 ポジティブに考えれば競り負けたときは大負けを免れる。てなわけで退散し、本日14k(k=1000オカーネ)のマイナス収支なり。


 57日目は夜勤出勤前の短時間実戦。もちろん昨日言わされたガルガンティアを打つ気満々である。

 だがトワーズでリベンジは考えなかった。やはり複数台設置は昨日みたいな憂き目に遭うリスクがある。

 だったら単台設置の店を選べばいいのさ、オレってあたま良い! ……だったら昨日の選択は何だったの、とかけっして聞いてはならない。

 職場の最寄り駅から3駅ほど離れた場所にそのホール〈サンスター〉はあった。なんか歯みがき粉の会社みたいな名前やね(笑)

 この店もトワーズに負けず劣らずローカル風味を醸し出している。プチ遠征シリーズなので、もちろんここで打つのははじめてだ。

 入店すると日曜だってのに客付きは(まば)らである。おいおい大丈夫かよーと思わず言いそうになるが、とりあえずガルガンティアさえゲットできれば文句はない。

 まあこの客数なので目当ての台はさくっと確保。あとは当たって連チャンするだけだ、これが一番むずかしいのだが。


 打ちはじめると当然のごたる釘は渋目。そういえば神奈川でよく回る店って、お目にかかったことがない。

 この釘ならもちろん等価(交換)でしょうな? だが初打ちゆえ自分でたしかめるほか、ない。

 そして台の調子もまことに微妙。初当たりは200回転付近と軽めだったが単発で、つぎの当たりまで600近くハマり投資が(かさ)んでゆく。

 今日はもうダメだ、持ち玉をペローンしたらヤメよう……と思っていたらまさかの展開が訪れる。

 何かのきっかけで(当たりを)引き戻してから連チャンが止まらなくなった。おいおいマジかよ、出勤リミットまでもう時間がないぞ?

 本編では初となる「時間足りない症候群」に(かか)ってしまったようである。そしてまた字数が足りな……

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