第1話:妖精ヒエムスの苦悩
僕の名前はヒエムス。冬を司る妖精さ!大精霊様の補佐官になる為に異世界から連れて来た少女を立派な聖女へと成長させる役目を言い渡されたんだ。僕の他にもあと3人、僕と同じく補佐官を目指している妖精が居て一番優秀な聖女を生み出した妖精一人が補佐官になれる約束なんだ!ま、僕は他の落ちこぼれなんかと比べてすっごく優秀だからこの勝負も僕の一人勝ち!……の、はずだったんだけど…。
「ねぇ〜、ヒムヒムゥ〜。いつになったらイケメンたちに会えるわけぇ〜?」
「……。」
「ねぇ〜、ねぇねぇねぇねぇねぇね、」
「うるさぁあああああい!!」
僕を突いていた少女がパチクリと瞬きをした後に笑う。
「よかったぁ、死んじゃったのかと思ったぁ!」
「そんな突然死んだりなんかしないよ!!」
「そんな事よりさぁ、ウチっていつになったら逆ハーになれるの?」
そう小首を傾げてにぱっと愛らしく笑いながらこの頭の悪そうな発言をしている彼女が、僕が聖女へと育てるべく大精霊様に選ばれた少女、来栖胡桃だ。胡桃はピンクツインテールをゆらゆらと揺らしながら恍惚と一人語り出した。
「此処ってあのゲーム『マジカアストルム』の世界なんでしょ!はぁ〜、イケメンに出会うの超楽しみぃ〜…。早く逆ハーになりたいなぁ…。」
逆ハー、逆ハーレムの略。男が女に囲まれる事をハーレムと言うみたいだがその逆、女が男に囲まれる事だ。なんでこんな脳内お花畑な女の人がエリート妖精であるこの僕にあてがわれたのんだ…!!どう考えたって他の少女に比べて頭悪いだろう。はっ…!もしや、頭が悪そうに見えて本当はすごい力を秘めているのか…?!今日は魔法学校の入学式。魔法学校で能力テストがあるはず!きっとその時に本領を発揮してくれるに違いない。
「いいかい胡桃ちゃん、今日これから行われる能力テストはクラスが決まる重要なテストになるんだ。ここで手を抜いたら君のお目当てのイケメン達と違うクラスになってしまうからね。」
「マジで?!オッケーりょ〜。」
さぁ見せておくれよ!君の力を!!!
【来栖 胡桃】
逆ハー狙いの女の子。ピンクアッシュでツインテール。ゴテゴテネイルをしていて本人曰く「自分飾ると武装みたいで気合入るっしょっ?!」。制服を改造しようと目論んでいる。
【ヒエムス】
大精霊補佐を目指している冬を司る妖精。精霊の中ではかなり優秀で周りからの期待が熱い。しかし優秀ゆえに周りを下に見ている所がある。ふわふわな丸っこいクマのような姿をしている。




