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喜劇  作者: 新原氷澄


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33/33

喜劇2 アンタゴニスト summer1

伊丹「テレレレテンテテン。テレレレテンテテンテンテン……」


青崎「……なんそれ、鼻歌?」


伊丹「いい気分で口ずさんどるねん、ほっといて」


青崎「テレテレうるさいねん。歌わんと音楽でも聴いとったらええやないか」


伊丹「他に人乗ってないしええやろ。今日は俺の涼しい歌声でも聴いとけ」


青崎「…………」


伊丹「あ、ほら、雲雀。海やで、海見えた!」


青崎(浮かれ散らかしとるな)


-Summer 1-


伊丹「え? 旅行? ……え、お前と?」


青崎「なんか不満あるんかい」


伊丹「いや全然ないけど……いつ行くん?」


青崎「明日」


伊丹「明日?! ……ほいで場所はぁ?」


青崎「えーっと……千葉。千葉のどっか」


伊丹「雑ぅ!! しっかりしてよ、んもー」


青崎「……宿はちゃんと取ったから」


伊丹「ほん。ほな野宿だけは免れるな。……まぁええや。そしたら明日な」


青崎「はよ寝ろよ。遅れたら置いてくからな」


伊丹「お前自分から言い出したのに、俺が寝坊したら一人旅すんの!? 起こしてくれたらいいやんか」


青崎「うるさい。もう寝ろ。はよ寝てはよ起きろ」


伊丹(旅行前のおとんみたいやな)


青崎「伊丹」


伊丹「なんですの」


青崎「濡れてもええような服にしたほうがええと思う」


伊丹「あ、そうなん。わかった(ほなディズニーとかではないのんか。……んー、どこ連れてかれるんかなぁ)」


-朝6時-


トントントントン


伊丹「あー、はいはい。ちょっと待って」


扉を開ける


青崎「なんや、起きとったんか」


伊丹「うつらうつらしとった。……へへ、なんやかんや楽しみであんま寝てない」


青崎「行きの電車でなんぼでも寝たらええ」


伊丹「そんな遠くまで行くのん」


青崎「…………うん」


伊丹(雲雀がそんな遠くまで行きたがるて、ほんまに不思議やなぁ。旅行嫌いやのに)


青崎「伊丹、はよ顔洗ってこい」


伊丹「あ、うん。すぐ支度する」


-朝7時-


青崎「……朝飯買うてくる。ここおって」


伊丹「あ、はい」


伊丹(友成にラインしとかなあかんな。東京離れてる間になんかあったら困るし)


伊丹「『明日まで千葉におります。なんかあったら電話ください。……千葉のどこかは雲雀しか知りません。ごめん。』と」


友成『委細承知しております。旅行楽しんできてくださいね』


伊丹「わ、すぐ返事きた」


伊丹「……雲雀と二人で旅行やって、友成は知ってたんか? てことは、雲雀、友成になんか言うてたってこと?」


伊丹「……いや、これ逆やな。雲雀が友成に相談したんちゃうかな。多分そうよな」


伊丹「友成口堅いもんなー、聞いても教えてくれそうにないよなぁ」


友成『カメラで何か撮ったら見せてくださいね。道中記楽しみにしています』


伊丹「あ、カメラ。vlog用のやつ? 雲雀持ってきてんのかな」


青崎「どうした」


伊丹「お前、カメラ持ってきてる? この前買うたやつ」


青崎「……持ってきてるけど、今いるか?」


伊丹「……そか。いや、今はいらん」


-朝7時30分-


伊丹「おわ、ここからバスなんや」


青崎「伊丹、お前奥座れ」


伊丹「え、なんで。雲雀が窓際でええよ」


青崎「……」


伊丹「ほな遠慮なく。わぁ〜日差しピカピカやな。ええ天気でよかった」


青崎「おい、これ被っとけ」


伊丹「帽子? お前こんなん持っとったっけ」


青崎「……俺のんと違う」


伊丹「え、ほな俺にくれんの?」


青崎「……暑なるてニュースで言うてたから」


伊丹「……へぇ〜」


青崎「なんやねん」


伊丹「いや。なんもない。せっかくやから被っとくわ。ありがとう」


青崎「……」


伊丹「窓から海見えるかなぁ、楽しみやなぁ」


-10時30分-


青崎「伊丹」


伊丹くー


青崎「…………」


肘で小突く


伊丹「えっ! なに!?」


青崎「窓見てみ」


伊丹「窓!? えっ……おわぁ〜海や! すご、バスの窓から見えるんや。めっちゃ綺麗じゃない? な、雲雀」


(後ろの席からくすくす声が聞こえる)


青崎「声がデカい」


伊丹「あ……すいません、お騒がせして……。(後ろに向かって小さく頭を下げる)恥ずかしいなぁ……」


青崎「……ええ景色やな」


伊丹「なぁ。一瞬で千葉好きになってもうたわ。遠出楽しいなぁ」


青崎「……そうか。カメラいんのか?」


伊丹「そやな、せっかくやから撮ろう撮ろう!」


(後ろの席からも朗らかな笑いが聞こえる)


-11時-


伊丹「他に客もおらんし、バス停以外見事になんもない……ここが目的地?」


青崎「いや、20分くらい歩くて」


伊丹「ここ、森と海しかないで? こんななんもないとこから、どこ行かはるんですか、雲雀さん」


青崎「……黙って歩いとったらそのうち着く」


伊丹「えー、なんやそれ。芸人が黙って歩くてそんなん。なんか歌とか歌ってよ」


青崎「お前俺の歌聞いて何が楽しいねん」


伊丹「聞いてみたら楽しいかもしらんやん」


青崎「…………」


伊丹「あ、イヤホンあかん。ちょっと、雲雀! ほなせめて半分」


青崎「いやじゃボケ。はよ歩け」


伊丹「えー、ほなプレイリスト。プレイリスト共有して」


青崎「暑い。離れろ。その扇風機だけ向けといて」


伊丹「理不尽な男やわほんまに!」


青崎「口煩い男やなほんまに」


-11時20分-


伊丹「海岸線ずーっと歩いてきたけど、飽きへんもんやなぁ。海も地形も見慣れんもんばっかりでおもろい。なんぼでも見てられるわ」


青崎「……」


伊丹「あっちにあった灯台の方で撮った写真と、空の色がちょっとずつ違うねん。見てみ、雲雀」


青崎「語彙力0やなお前」


伊丹「うるさいな。こんなええ景色見てごちゃごちゃいう方が野暮やろ」


青崎「コントでいっつもごちゃごちゃセリフ詰め込むくせに」


伊丹「えー、ほなお前なんかええ感じのこと言うてよ。芸人スイッチ、3,2,1。キュー」


伊丹、青崎にカメラを向ける


青崎「……はい。暴力的な日差しの中来ましたね。炎天下ですけど、風が少しあって波は静か。岩場が広がるデカい海。最高やな海鹿島(あしかじま)。お前書ける? アシカ」


伊丹、架空のフリップを渡され、撮りながら、青崎の手に指で文字を書く


伊丹「えーっとぉ……こんな字じゃなかったっけ?」


青崎「うん。絶対違う」


伊丹「えー?! うそぉ」


青崎「まず魚偏じゃない。貸してみ?」


伊丹の手に指で文字を書く青崎


青崎「(アシカの絵文字)」


伊丹「んんん? もっかい書いて? そんな曲線の字ある? あと最後のちょんちょんって何?」


青崎「だから、こう来て、こう、最後は尻尾→(アシカの絵文字)」


伊丹「最後は尻尾ってなによ。そのまま砂浜に書いて?」


青崎「しゃーないなもう、(アシカの絵文字)。ほら、アシカ」


伊丹「絵文字やん!!」


青崎「可愛いやろ。尾鰭はちゃんと跳ねさせてな」


伊丹「あ、ここがちょんちょんなんやな。尾鰭がハートみたいでかわいいな。と違うねん! 絵文字は反則やろ!」


青崎「絵文字て今世界標準らしいで。言葉分からんでも伝わるしな」


伊丹「俺の憤りはお前には伝わらんもんかね!」


青崎「お前に字のことで怒られたないわ。お前さっき「海鹿」を「鯱」って書いてたやん」


伊丹「……ほな鯱も描いてみぃよ」


青崎「シャチな。ええよ」


(イルカの絵文字)


伊丹「??? これはイルカちゃう? シャチより可愛いもん」


青崎「ん? そうか。この跳ねはシャチちゃうんやな。……あれ、消えへん」


伊丹「え、なに?」


青崎「なにかご用ですか?」


吹き出しを書き足す


伊丹「いや、イルカに今ご用ないけど」


青崎「聞きたいことを入力してください」


吹き出しの中にコマンドを書き足す


伊丹「お前を消す方法教えて!!」


青崎「……あ、☒ボタン書いたら消えたわ」


伊丹「☒ボタン……それが見つからんから困っとるのに。まぁええや。……んで、アシカは。俺はアシカ島にアシカがおるんかどうかが気になってますよ」


青崎「アシカは……おるらしいな」


伊丹「え! めっちゃ見たいな、アシカ。あの島行ったら、のべーんて砂浜に座ってたりするんかな?」


青崎「……え、怖ないの」


伊丹「え、うん。可愛いない? アシカ。水族館とかにおるやろ、すごい速さでグルングルン泳いどって、はぇ〜ってなるやろ」


青崎「え、だからめっちゃ怖いやん。あの速さでぬるっと来てめしゃめしゃってされるんやろ」


伊丹「めしゃめしゃ?! 怖い擬音やな」


青崎「向こうも仲間食われたと思って復讐に燃えとるからな、こっちも全力で「なんとかなれーーっ」て」


伊丹「ちいかわ!!! ちいかわに出てくるあのバケモン!!!」


ちいかわに出てくる人魚を高速で砂に描く伊丹。上手くてちょっと感心する青崎


青崎「こいつアシカとちゃうん? そのへんの島の住人の中に、人魚食うたんがおるんちゃうの」


伊丹「千葉県民をちいかわの仲間にすなよ、怒られるぞ」


青崎「さっき見つけて買った赤魚の煮付け、オチに使いたくてずっと持ってた」


赤魚の煮付けをカバンから出す青崎


伊丹「この素朴な惣菜のパッケージが、ちいかわの後やと怖く見える……」


カメラが赤魚の煮付けにズームする


青崎「はい、カット。」


カメラオフ。


-11時25分-


伊丹「砂浜歩くんていつぶりやろな〜」


青崎「……そやな。このジャリジャリ感、ちょっと懐かしい」


伊丹「サンダル持ってきてよかった。海突撃!」


海に向かって走っていく伊丹。ゆっくり追う青崎


伊丹「雲雀ー!」


青崎「……滑ってコケるなよ」


海の真ん中で手を振ってる伊丹の写真を撮る


青崎「……ん、まぁええか」


伊丹「雲雀ー! カメラ置いて、ここ来て、ここ」


青崎「あ?」


伊丹「場所交代!」


青崎、伊丹のところへゆっくり歩いていく


伊丹、入れ替わりにその脇をダッシュで駆け抜ける


青崎「おい、阿呆、水跳ねたやろ」


伊丹「服にかかってへんから大丈夫。イケメンの顔しとけよ!」


伊丹、カメラを構えて動画を撮り始める


青崎「……イケメンの顔てなんやねん」


伊丹「いつもみたいな顔しとけってことや。雲雀、ゆっくりこっち向いて!」


伊丹の言うとおりに顔を向ける青崎


伊丹「う〜〜んめっちゃいい。今度は横向いて。ゆっくり水跳ねさして」


青崎「注文多いねん……」


その後も何カットか撮ってから合流する


伊丹「え、やばい。めっちゃええやん」


青崎「……まぁ悪くない」


伊丹「なんでこんなええのやろ。背景と被写体が良すぎる?」


青崎「いや、俺の撮ったやつの方がいい」


伊丹の顔がアップになった写真をプレビューする


青崎「海っぽさ出てるやろ」


伊丹「これ背景関係なくない!?」


青崎「ほな友成にどっちがええか聞いてみよ」


のんびり休日を過ごしてた友成


友成「……あ、なにか送られてきた」


友成「伊丹さんの顔と……あ、青崎さん。海行ったんですね」


友成『どちらも良いですね。仲良く過ごしてるようで何よりです』


伊丹「当たり障りのない返事がきたぞ!」


青崎「伊丹、友成にもなんか送ってこいって言うて」


友成「…………」


少し考えてから、目の前にあるコーヒーの写真を撮って送る


伊丹「なんかオシャレな写真やけど……これパソコン写ってるよな?」


青崎「休みの日まで仕事しとるな、あいつ。やっぱり連れてこればよかった」


伊丹『青崎が今から合流する? って』


友成『僕は近場で。今度車出しますから、3人ででかけましょう』


青崎『わかった』


伊丹『休みなんやから、友成もちゃんと休めよ』


友成『分かりました。そちらも海満喫してくださいね』


友成「2人のご旅行、邪魔するわけにはいきませんから」


パソコンを閉じて、スマホを置く友成


-12時55分-


伊丹「海ええなぁ〜〜海っていうかこのプールみたいなちっちゃい浜が良い。波がゆらゆらしてる感じと、足がつく安心感。なんかほっとするなぁ」


青崎「お前いつまでもそこおったら熱中症なるぞ、ちゃんと冷たいもん飲め」


伊丹「わー、ありがと。暑い時に半分凍ってる冷たいお茶! 最高やな〜」


友成『青崎さん、そろそろ電車の時間じゃないですか? 乗り継ぎのバスを逃すと宿にたどり着けませんよ』


青崎「……あ」


伊丹「どしたん」


伊丹「おぉぉお前なぁ!!」


青崎「まだ5分あるて。走ったら間に合うやろ」


伊丹「土地勘ないとこでどないしたらそんな余裕かませんねん! ほんでまだどこ向かってるか俺知らんのやけど」


青崎「あ、竹久夢二の石碑ってここにあるんや。知らんかった」


伊丹「今その情報いらんやろ! あとで絶対友成に言うたるねんからな!!」


-13時5分-


伊丹「ま、間に合うた……ほんま冷や汗かかしてくれる。ええ雰囲気の無人駅やったのに、全然見れんやった」


青崎「じっとしとっても暑いだけやないか。こんなもんでええねん」


伊丹「俺は風情が大事やの。せっかくの旅の思い出残しときたいやんか。お前と旅行なんか、仕事以外でほとんど初めてやろ」


青崎「……」


伊丹の手の中のカメラをじっと見る


伊丹「銚子電鉄、初めて乗ったなぁ」


青崎「な。電車の中涼しいなぁ」


伊丹「そやな、ほっとする。人もおらんし、静かでのんびりしとる」


青崎、扇風機の風を伊丹に向けてやる


伊丹はしばらく黙って風を受けたあと、カメラを構えて人のいない車内を長回しで撮る


伊丹「窓越しの夏の日差し、ええなぁ。こういうの久しぶりや」


青崎「……千葉は絵になる風景が多いな」


伊丹「あとどれくらい?」


青崎「……銚子駅まで11分、駅でバスに乗り換えて13分やて」


伊丹「ほか。ほな、着くまでのんびりしよ」


-伊丹の鼻歌-


青崎「……さっきも歌ってたな、そのテレテレいう珍妙な歌。なんの歌やねん?」


伊丹「久石譲のSummer」


青崎「え? なんて?」


伊丹「菊次郎の夏の! Summer」


信じられない、みたいな顔をする青崎


驚かれて心外な伊丹


伊丹「ほなお前歌ってみぃよ、俺よりうまいんやろな?」


青崎「絶対嫌や。あとで見てイジられるやつやん」


カメラがまだ回っていることを指摘する青崎


伊丹「別に他の誰にも見せんわ、こんな動画」


青崎「…………気が向いたら歌ったるわ」


駅についてお客さんが乗ってくる。録画の停止ボタンを押す伊丹


-13時30分-


伊丹「移動落ち着いたら、ちょっとお腹減ったなぁ。なんか食べる場所あるやろか」


青崎「……お前なんか食べたいもんは?」


伊丹「俺? んー、そやなぁ、海近いもんな、やっぱり魚食べたいな。さっき赤魚の煮付け食べたけども」


青崎「船もいっぱい見えるし、魚やったらどこで食っても美味いやろな」


伊丹「あ、雲雀、見て見て、あの食堂。小洒落た感ゼロやけど、なんか美味そうやない? いい匂いする〜」


青崎「ほなそこにするか」


伊丹「すいませーん……お邪魔します」


青崎、無言で頭を下げる


伊丹「はわ〜なんにしよう……目移りするなぁ。海鮮丼とかフライとかええなぁ。あーでも、やっぱり刺身かな」


青崎「サルエビの天ぷらていうのがオススメなんやて」


メニューのオススメの文字を指す


伊丹「ほぉ、天ぷらもうまそうやなぁ、……あ」


青崎「……なに」


伊丹「赤魚の煮付けある……!」


青崎「……」


伊丹「新鮮な魚で料理人さんが作った煮付け、美味いんやろなぁ……」


青崎「……多分な」


伊丹「半分こしよって言うたら食べる?」


青崎「ほな俺刺身定食にするから、お前半分食えよ」


伊丹「よし! 決まった。すいませーん!」


-14時-


伊丹「海鳥がめっちゃおる。ええなぁ、ここは岩がゴツゴツしてて、さっき見た海ともまた違う。地球広いなぁって感じするわ」


青崎「ほうか」


伊丹「さっきから何を探してんや」


青崎「………、あ、あれや」


伊丹「なに? あ! 犬! 犬みたいな岩〜!」


青崎「……ほん、あんな感じか」


伊丹「えーなに、お前……」


青崎「……なんやねん。なんもないわ」


伊丹「なんもないことないやろ、こんな銚子の端から端まで連れて来といてよ」


青崎「写真撮らんのかい」


伊丹「撮ってくる! めっちゃいっぱい撮る!」


青崎「…………走っていったと思ったら、一瞬で観光客に捕まりよったな」


青崎「……はーぁ」


青崎『完遂』(犬岩の写真付きで)


友成『伊丹さん喜んでました?』


青崎『うん』


友成『任務達成、お疲れ様でした』


-15時30分-


伊丹「……ゴロゴロって言うたと思ったら、一気に降ってきたなぁ。めっちゃびっくりしたわ」


青崎「絵に描いたみたいな土砂降りやったな」


伊丹「宿すぐ近くでよかったな。勢いで風呂入ってさっぱりしたし」


青崎「夕飯まで時間あるから……寝るか」


伊丹「いや〜やっぱり、温泉入って畳に寝たら終わりよな〜ゴロゴロしてまう。ここ、ええ宿やな〜」


青崎「……。友成に土産買って帰ろ」


伊丹「友成が選んでくれたん? さすがやなー」


青崎「…………」


伊丹『宿ついて喋ってたら秒で寝た』(青崎の写真)


友成『いろいろ考えて旅程組んでたから、疲れたんでしょうね。いいお誕生日になりましたか?』


伊丹『やー、ほんまに楽しかった! 友成もありがとうな〜』


友成『いえいえ。最後まで楽しんで帰ってきてくださいね』


青崎「…………ふぁ」


伊丹「なぁ雲雀」


青崎「なに」


伊丹「来年は南紀白浜とか行きたいな。関西の方、なかなか行く機会ないから」


青崎「…………。別にええけど」


伊丹「やった! ほな、来年また一緒に行こ」


青崎「……誕生日の時だけな。しゃーなしやで」


-翌日昼・銚子駅-


友成「……あ、おかえりなさい」


伊丹「友成ー! 銚子まで来てくれてありがとう」


友成「久しぶりに長時間電車に乗りました。ゆっくり車窓を見るのも良いものですね」


青崎「……なんかちょっと顔色ええな。ええこっちゃ」


友成「仕事から離れて、リフレッシュできた気がします」


伊丹「お腹空いてる? ご飯食べて帰ろ!」


友成「はい。なに食べますか?」


青崎「せーので言うてみる? ……せーの」


伊丹・青崎・友成「寿司(!)」


友成「だと思って、予約しておきました」


青崎「仕事が出来すぎるやろ」


伊丹「足運んでくれた上に予約まで……ありがとう、友成」


友成「なにが一番良かったですか?」


伊丹「え〜なんやろ。君ヶ浜も綺麗やったし、海鹿島も楽しかったし、犬岩も良かったなぁ。全部まわれてめっちゃ満喫したよ。あ、銚子電鉄全部乗った!」


友成「伊丹さん、単線の電車好きですよね」


伊丹「そう。兵庫おるときは、単線の電車で変なとこ行くん好きやった。銚子はカメラも持ってたから、映像で思い出残せて、もっと嬉しかったなぁ」


青崎「……来年は南紀白浜やて」


友成「予定押さえられたんですね」


伊丹「押さえたった。友成も一緒に行こう、次こそ!」


友成「……お邪魔でないなら、また来ます」


青崎「邪魔じゃないから、大丈夫や」


伊丹「寿司……回ってない寿司やから美味いんか、銚子やから美味いんか」


友成「多分両方ですね」


青崎「今回の旅行で一番美味いかも」


伊丹「いや、今回のベストワンは赤魚の煮付け」


友成「……ふふ」


2人の漫才の映像を思い出して笑う友成


青崎「友成にウケたんやったら、あれ長尺のネタにしよかな」


伊丹「えー、ズルい。俺もネタにしたい」


青崎「書きたかったら書いたらええやないか」


友成「お2人それぞれ、全然違うものになるんでしょうね。楽しみにしてます」


伊丹「ちょっとドタバタしたけど、ええ旅行やったなぁ。2人ともありがとう」


青崎「まぁ……ネタになるんやったら、それでええわ」


友成「僕は何もしていませんが」


青崎・伊丹「いやいやいや」


伊丹「雲雀も楽しかったか?」


青崎「…………」


伊丹「なんやそのしれっとした顔は。鼻歌歌っとったのちゃんと聞いたぞ!」


友成「え、そうなんですか。それはレアですね」


伊丹「そやろそやろ。こんな顔して浮かれることあるんやで」


青崎「うるさい。家着くまで黙っとけ」


伊丹「家着いたら誕生日終わるやないか! せめて着くまでは浮かれさしとってくれよ!」


青崎「……黙って浮かれとけ」


伊丹「難しいこと言うなぁ」


友成「では、寄り道しながら帰りましょうか」


伊丹「友成〜! めっちゃ恩に着る!」


青崎「……はぁ。帰り道も長なりそうやな」



絵文字が表示されなくて、漫才のネタが成立しづらくなってしまいました…

すみません。

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