逃走、そして逃走
幾ら長生きして身体が変わり続けても、あくまで我がガラスのハートは男なのだ。
今更制服のスカート如きでは嫌がらないがそれでもなるたけ女物は履きたくない。正直演技しないとやってられないのだ。
記憶を保持したまま身体が変わると改良を重ねたとはいえ魂系統の云々がかなりしんどい。初めて転生した時なんかは結構大事なこと忘れたっぽいし。
なんだかんだ言ったが女子のキャッキャするテンションは苦手なのだ。あの後勝手にパーティーみたいなことをし始めた連中のノリが辛くて近くの公園で星空鑑賞に逃れていたのだ。
そう言い訳できればどんなに楽だろうか?
仰向けになり星を眺めながら同じく気まずくなってでかけていったであろうベル様の気配を探っていると、塁がいたのだ。久しぶりの登場で名前を忘れってしまった方には我が幼馴染と紹介しよう。
向こうからすれば、夜中の公園で愛しの幼馴染が無防備に寝転がっている訳だ、襲ってくれと言っているようなものだろう。
刹那の間の思考はこんなくだらないことでうまってしまった。
今になって逃げればよかったと後悔が押し寄せてくる。別に此方に向かっているのに気づかなかったわけではないのだ、ただ動くのがだるかった。それだけである。テスト前日に勉強する気が起こらずテスト中に後悔するイメージである。まぁボクはわからなかったことないからあくまでイメージだけど。
まあ、偶にはじゃれ合うのもいいだろう。さぁ、追いかけっこだ。




