プロローグ・転生ですか・・・
「よし!今日の飯はコイツでいいな」
俺は、刀に付いた血糊を払いながら、目の前で倒れる猪バンブローを見る。
こいつの肉は比較的柔くて最近のお気に入りだ。
刀を鞘に収めると後ろ腰にあるナイフに持ち替えて獲物を捌く。
必要な肉を取った後は適当に周りから木の枝を持って来て一緒に燃やしてしまう。
こうしないと、血の匂いに誘われて他の獣などが集まってきてしまう。
粗方燃えたのを確認してからいつもの拠点に帰る事にする。
歩きながら夕焼けに染まる空を見上げると、そこには二つの月が重なる様に見えていた。
「うん、こっちの月も見慣れたな」
二つの月に、少しばかり日本の月を重ねてみて若干の懐かしさを感じながら帰る脚を早めた。
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「ねみぃ~」
俺 佐久間 練は、工業高校一年の男子学生、剣道部に入ってそこそこ真面目に取り組んでいる普通の高校生だ。最近取れたバイクの免許に浮かれて、週末は友達と遊びに行く予定を立てている。
かなり楽しみだ。
今は本日最後の授業の真っ最中。五月の陽気の中で行われている授業は苦手の英語ということもあり、教師の説明が睡眠の暗示にしか聞こえてこない。
「よし寝よう」
教師の暗示(授業)からの睡魔に逆らうのを止め寝ることにする。
隣の友人 塚原 源一 (通称 源)にやばかったら起こすように頼んで睡眠の安全を確保する。
源は高校入学時からの友人だ、明るく細かい事を気にしない性格で友人も多い。
女子からの人気は・・・残念だな。・・・うん。
「起こすのはいいけど後でなんか奢れよな」
「この前のゲーセンの貸しでチャラにしとくわ」
「ひで!まだ覚えてたのかよ」
軽く冗談を言ってから睡眠に入る。窓から気持ちのいい風が入ってきてよく眠れそうだ。
退屈な授業も終わり放課後の教室、適当に鞄に荷物を詰め込んで、部活のために剣道場に向かう。
部活の顧問の先生が厳しいので遅れるわけにはいかない。急いで向かってみるとすでに他の部員が集まっていた。
急いで着替えて合流する。先輩たちが嬉しそうに何か話しているので聞いてみると、今日は顧問の先生が休みで、練習にも来ないそうだ。部長は笑顔で部員を集める。
「今日の練習は軽く済ませて早く帰ろうかw」
「マジですか!やった。」
「帰りにゲーセンでも行こうぜww」
部長の発言に喜ぶ部員達。まぁ、そこまで真面目に取り組んでいるわけでもないので、早く帰れるのはありがたい。
練習は最初に言われた通り体力作り程度のものでその日は解散になった。
帰宅中に通る細い路地、近くの茂みから猫の喧嘩の声が聞こえて来る。
ガサリと茂みから出てきたのは赤い毛色の猫と、このあたりでよく見る白色の野良猫だ。
どうも赤猫が白猫の縄張りにでも入って追い出されているんだろう。
気にしないで帰宅しようとしたが、その脇を赤猫が掛けていく。
「ばかやろう!そっちは!!」
それを見てはっとしてしまった。その先の交差点はかなりの通行量で車のスピードもかなりはやい危険な場所だ。
慌てて走っていくと道の真ん中、中央線で固まった様にしている猫がいた。
「よかった。まだ引かれてないな」
車の通りを見てタイミングを図って助けに行く、かなり怖かったのか抱きかかえても動かない赤猫。
さて歩道に戻ろうと思った時ケータイがポケットから落ちてしまった。それを拾って傷がないか確認する。
その時間がいけなかった。気がつくと目の前にトラックが迫っていた。しかも運転手の居眠り顔も見える。
咄嗟に手元の赤猫を歩道に投げたが自分は逃げられなかった。
トラックにぶつかった瞬間「あっ、これは死んだな」と思える痛みを感じた後に意識が無くなる。
気がつくと真っ白い場所に立っていた。
明らかに現実の場所じゃないと直ぐに分かる。自分の体を見てもトラックに跳ねられた傷がどこにも無い。
「ここが死後の世界か?」
辺りを見回しても何もない。
自分の体をよく見ると若干透けているように見える。胸に手を当てると鼓動も感じない。
自分が死んだことをまざまざと思い知らされる。
「今日の晩飯カレーだったのに」
死んだというのに晩飯の事が最初に思い浮かぶなんて、少し自分が悲しくなる。
「やぁやぁ、はじめまして」
突然声を掛けられて振り向くとそこには猫がいた。二本足でしっかりと立ったあの赤猫が。
「猫も死んだら喋れるのか。てか、お前も死んだのか」
結局猫も助けられなかったのかと思いながら赤猫をだこうとする。
「いやいや、私は君のおかげで助かったよ。おかげでこうして君をここまで呼ぶことができたからね」
「は?だってココは死後の世界だろ?」
なかなかに意味の解らない事を言ってくる猫だ。
助かったって、じゃぁ、死んだ俺となんで一緒にいるんだ?それに呼んだってのはどういう事なんだ?
ただの猫じゃないのか?
「あっ、自己紹介がまだだったね。ただの猫じゃなくて、私は猫神、一応神様だよ。いやぁ、チョット現世で散歩でもと思ったらいきなりあの野良猫に絡まれてね。私は荒事が苦手で困ったよ。ははW」
ははWって、神様が野良猫に負けてどうすんだよ。それに心を平気で読むな!
てか、神様ってマジなのか?
「ああ、本当だよ。車の迫力に驚いて動けない私を助けてくれた君に恩返しをしたくて、ココに呼んだんだよ」
車の迫力で動けないとか、まんま猫じゃんか。でも恩返しか、なら俺は助かるのか?
「いや、君はもうあの世界では死んでしまったよ。今頃君の葬儀の最中かな。死んだ人間を蘇らせるのは私には出来ない。そういう決まりになっているからね。」
生き返れない、そう聞いて肩を落とす俺。
「じゃぁ、恩返しって何をしてくれるんだ?」
疑問に思ったのできいてみる。死んでしまったのでは何も出来ない気がするんだが。
「うん、君は僕の恩人だからね。この世界では生き返らせるのはできないけど別の世界になら送れるから、そこで生きてみないかい?」
「は?なんだそれ?」
「君たちでいう異世界かな、ソコに生き返らせてあげるんだよ。送れる世界はひとつしかないから選べないけど。いい世界だよ。そうだね、君の知ってるRPGゲーム?みたいな世界かな。魔法とか剣とかの世界だよ。このまま死んでも輪廻の輪で記憶をなくして一から生まれ変わるけど、そっちの世界にいくなら記憶もそのままで行けるしどうかな?」
「どうかなって・・・」
そお言われても困る。でもたしかに記憶をなくして生まれ変わるより、今の記憶がある方がいい。
それに、死んだのは悲しいけど魔法とかのある世界てのも気になるし・・・
「行って・・・みようかな・・・」
「そうかい良かったよ、了承してくれて。断られたら悲しくて無理やり送ろうと思ってたからね。」
無理やりって、それって結局聞く意味ないじゃん。
「背格好は今のままで送るね。そのほうが記憶とも違和感無いだろうし。あといくつかのオマケも付けとくから楽しんでね。私は一応そっちの神様じゃないから送ったら後は何もできないけど君ならきっと楽しめるよ。じゃ、送るね~」
「いや待って!いきなりか!そのオマケとかも詳しく聞きたいんだけど。てか、送ったら後は放置なのかよ」
そう言っても猫神は答えない。
まだいろいろ聞こうと思ったのだが意識が薄れ気を失ってしまった。
初投稿ドキドキです。
タイトルは即興なのでそのうち変えるかもです。




