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猫を助けて異世界へ(仮)  作者: 黒鉄カジキ
第一章・転生そしてキアスの街
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1 魔法習得?

風が頬を撫でる。濃い草木の香りが鼻をくすぐる。心地のいい気温が睡眠を誘うように感じでしまう。

もう少し寝よう。

そう思って寝返りをしたところでそれどこでは無い事を思い出して跳ね起きた。


「ココはどこだ?本当に異世界?俺生き返れたのか?」


自分の体を触って確かめて見る。何処にも怪我はない。変に透けてたり足が無かったりもしていない。

胸に手を当てると心臓の鼓動を感じることができた。


「よかった。俺生きてるよ」


一応安心できたので周りを見渡して確認してみる。

自分が寝ていたのはどうやら洞窟の入口だったようだ。洞窟の前は木々が生い茂った森が広がっている。

木々の間から見える先に湖らしき物も見ることができる。

自分の寝ていた場所の近くには大きな革製の長袋が置いてあった。


「あれが猫神が言ってたオマケかな?」


袋を取って中を確認してみる。


「うわ!」


最初に目に付いたのはひと振りの刀だった。鞘が赤く何処か猫神の毛色を思い出す。

刀を脇に置いて残りを確認すると、ほかには一冊の本と小さな袋に入れられた硬貨、青い液体の入った小瓶が3つに、小さな鍋なんかの料理器具と食器が少し、あとは広い布が入っていた。

とりあえず本を読んでみようとページを開く。

そこには猫神からのメッセージが書いてあった。


『やぁ、これを読んでるってことは無事に転生できたようだね。もし無事じゃなかったらそれは私のせいじゃないから諦めるように。』


いやいや無事じゃなかったらって、諦められるかよ!完全にあんたのミスだろ!

いきなり酷いことが書いてある。


『なんか気を失う前にオマケの事を聞きたかったみたいだからココで説明しとくね。君に付けたオマケはいくつかある。一つは【刀】。名前はないから好きに付けていいよ。鞘に直せば柄が無事なら折れても一晩位で治るから便利だよ。』


マジで!それは助かる。刀って結構刃こぼれしやすいらしいし。


『後はこの【本】。そっちの世界の魔法が粗方書いてあるから読んで覚えれば役に立つよ。注意事項は読んだページは自動で萌えて・・・燃えて消えるとこかな。火傷しないようにね。』


その機能はいらない気がします。てか萌えと燃えを間違えたのはわざとだよな。


『あと・・・なんだっけ?・・・あっ、君の体の魔力とか身体能力とかも強化してるけど、どこまで強化できてるかわかんないやww寝てる間にいろいろイジってたら楽しくなってきてねwwしょうがないよねww

そっちの言語なんかも頭の中に入れといたから会話とか文字を読むのはは大丈夫だと思う。・・・言語が間違ってなければ・・・w書く方は自力で覚えてねww』


いやいや、あの神様人が寝てる間に何してんの?イジってたら楽しくなったって・・・逆に弱くなってたりしないよね?会話が問題ないのは嬉しいけどできれば書く方とか魔法とかも覚えさせといてくれたら楽だったのに・・・俺頭よくないんだよな。


『PS・後の袋の中身は回復薬と野宿用の必要最低限の道具だよ。冒険者っぽいでしょ。

   筆記と魔法を頭に入れなかったのはこの本が勿体無かったのと、君をいじってたら

   時間がなくなっちゃったからなので諦めてね。            猫神より』


頭に入れなかったのは完全に猫神のせいなんですね。


そこまで読むと最初のページは恥から燃え始め綺麗に無くなってしまった。

他のページが燃えたりしなかったのでこの炎も何か不思議なものなのかもしれない。


「さて、どうするか?」


周りを見ても森が広がるばかりで何も見当たらない。猫神が転生するのに選んだ場所だから危険はないのかもしれないけど確信ももてない。仕方ないので安心材料を増やすために簡単な魔法を覚えてみることにする。


「最初は簡単なのを二・三個覚えればいいだろ。一気には覚えれそうに無いし」


そう思って最初のベージを読んでみる。

書いてあったのは魔法の名前と効果だった。

これなら覚えやすい。そう思って最初の方から読んでいく。

【ファイヤボール】【アクアボール】【アイスボール】【エアボール】【クレイボール】

最初に書かれた五つの魔法を読んでみて試しに唱えると目の前に火や水・氷・土の丸い塊が現れた。エアボールだけ見当たらないが、よく目を凝らすと一箇所に不自然に風が渦を巻いていた、。多分それがそうなのだろう。

実際に唱えるともう一つ発見があった。唱えた瞬間に名前と効果が頭の中に流れ込んでくるような感覚がある。


「もしかして、一回使ったら覚えれる?」


試しにその先の魔法も唱えて見る。


「ファイヤーランス」


先ほど同じように頭の中に名前と効果が流れてくる。

試しに、今使える炎系の呪文は?そう考えて見ると頭の中に先ほど覚えた炎系の呪文が効果も合わせて思い浮かんできた。自慢じゃないが前の俺はここまで物覚えは良くなかったはずだ。


「これはいいな!物覚えの悪い俺でもなんとかなる。神様ありがとう」


猫神に感謝しつつその先も読みながら魔法を詠唱していく。

対象を選んでいないせいか唱えても目の前に現れて直ぐに消えていくので連続で唱えても周りには影響が殆どなかった。

どんどん進んで2ページ分の魔法を唱えた。が、最後の魔法を実行したところでいきなり激しい頭痛が襲ってきた。

痛さのあまりその場にしゃがみこんでしまう。

よく見るとページの最後に猫神からの書き足しがあった。


『この本は一回実行すると簡単に頭に入る便利なものだけど、いきなりここまで読んだりしてたら脳が耐えれなくてすごく痛い頭痛が二日ほど続くから、一気に読まないほうがいいよw

一日5つか調子が良くて一ページにしとくように』


「な・・・なんで、それを・・・このページの最後に・・・書くんだよ・・・・わざとか。あのあほ神め」


ついさっきの感謝も吹っ飛んで悪態をついてしまう。しかしそれで痛みが引くことはない。


「そういえば・・・袋の中の回復薬・・・頭痛にきくかな・・・」


なんとか痛みを消そうと回復薬を飲んでみる。

酸味を甘味が絶妙で妙に美味しいのが逆に不安になったが飲みきってみると痛みが少し楽になった。

回復薬は頭痛にも効果的なようだ。


「そうだ! 回復薬がきくなら回復魔法も頭痛に効くんじゃ!」


多少楽になって思考が回復する。

幸い最後に覚えたのが回復魔法だ。これで痛みが引けば魔法を覚えるのもだいぶ楽になる。


「ヒール・・・あぁぁぁぁ」


唱えてすぐ頭痛が強くなった・・・・最初より強く。

痛さに耐えれず倒れ込んでしまう。目の前の本を見るとちょうど読み終えたページが燃え次のページが見えていた。その最初に・・・


『頭痛のある状態で魔法はやめましょう。負担がひどく痛みの度合いが跳ね上がりますww』


「アホ神~~~~~~・・・・・」


そう叫んで痛さのあまり気絶した。意識を失いながら誓う。もうあの猫神に感謝するのはやめようと。


気がついたら夜中だった。気がついたのも頭の痛さに耐え切れずといった感じだ。はっきり言ってかなり気持ち悪い。

しょうがないので回復薬を一本飲むこれで残りは一本になってしまった。

まだろくに外に出てないのに・・・

その日は荷物にあった布を毛布にして眠り直した。


朝になっても頭痛は消えてなかった。最初よりはだいぶましだが。

昨日は気付かなかったが自分の着ている服も日本にいた頃とだいぶ違っている。

黒の革製のズボンに茶色の半袖のTシャツ。腰には茶色のベルトがあり薄ろ腰には横向きに固定された少し大きめのナイフがあった。

昨晩寝苦しかったのはこのナイフも要因の一つかもしれない。


「このナイフの説明が無かったのは野宿用の道具に含まれてたからかな?」


痛みをこらえて森の先に見える湖まで行って鍋に水を汲んでくる。洞窟に帰ってそれを沸騰消毒してから飲み水にしてその日は洞窟の中でおとなしくしていることにした。

幸いに、このあたりには襲ってくる生き物は居ないようで昨夜から生き物らしいものを見ていない。

昨日は気絶してからの睡眠だっため気づかなかったが洞窟から見える夕日はかなり綺麗だった。

夕日の後に見えた月が二つ重なる様に夜空に浮かんでいて自分が本当に異世界に来たことを改めて実感してその日は眠りについた。


次の投稿は少し遅れると思います。

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