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違う世界の神に会う(3)

反射的に手を離す!


今、心の中が読まれた? お、どこまで?


「ふむ。 わしは神じゃ。といってもお主の住んでおった世界の神とは違うがの。 世界を作る神、創造神と言えば分かりやすいかの?」


「神さま? それでは、どうして私はここに来たかわかりますか?」


「急に畏まったの? まあわしが神とわかればそんなものかの? お主がここに来たのは、全くの偶然。左手に書いた魔法陣と呪文が偶然一致したのだろう。本来であればここに来る事は叶わないはずであるが偶然とはいくつも重なると奇跡としか思えん。神でさえそう思ってしまうわい」


?な俺を置き去りにして、さらに神はつづける。


「もう少し詳しく話すかの?まず魔法陣は、地球の字ではないが、お主字が下手だな。それで魔法陣に近いものが出来てしまった」


さらっとひどい事を言われた。確かに字は下手で小学生の時から変わっていないほどである。どんなボールペン字講座でも、初めて就職した会社でも社長直々に漢字を1日1ページ書くという嫌がらせをさせても改善されなかった。

まぁそれが原因で会社を辞めた事は置いておいて、神は話を続ける。


「呪文は偶然会話の独り言の一部を拾った様だが、そもそも魔力がなければ発動せん。地球に発動できるほどの魔力を持っているものは少ないのだが…」


「俺には魔力があった?」


「うむ。実際にはお主の魔力というよりは呪いに近いのだがな。おぬし不老不死ではないか?」


「え?そうだったんですか?? いや、ちゃんとこうして大人になっていますけど…」


急に不老不死と言われても、確認のしようがない。

なぜならそれを確認するには一度死ななければならないからだ。急に不老不死だから死んでみて!と言って死ぬ人はいないだろう。試して死んじゃったらどうするんだい。


不老の方はいつか、同級生と比べればわかるのであろうが…

これ気づかなければ世界最高齢の若者が誕生したんじゃないか? とか考えてします。まだ不老不死と決まったわけじゃないのに。しかし、それはそれで困るな。今度は実験材料というか世界中の何者かが俺を追ったりするんじゃないか?


「思い当たることはないかの? では?一人の女性に会わなかったかの? 追われている身でありながら、強くたくましく美しい女性のようだが」


心当たりはあるが、さてはこいつ人の記憶をすべて読んだのか?


「そんなことは、ないぞ? 読んだのは一部じゃ。呪いの正体を知りたかっただけじゃ」


「ほら、また心読んだでしょ?」人のあんなことやこんな事した記憶まで全部見やがっって。


「今のはお主が分かりやすいだけだわい。 まあよい、話を続けるぞ。その人からお主が受け継いだのは人魚の呪いじゃ。人魚の肉を喰ったの?」


「え? あ、はい」

喰った?でもあと人の事だという事はわかる。

海外旅行でイタリアに行った時に出会った日本人。彼女は誰かから追われていた。何日かホテルの部屋にかくまっていたのだが、そのときのここでは話せないロマンチックな夜の事を言って、喰った喰わないの話を神さまからされるとは…


「なにか勘違いしてないかの?わしが話しているのはその人から渡された人参のことじゃよ」


「に、人参? 」 正直人参の事はあまり覚えていない。カレーにして食べた様な…(また今読まれた?)


「そうじゃ。それこそが人魚の肉じゃったのだ。そしてそれを食べたお主は不老不死となった。同時に強い魔力を体に宿したことになる。しかし人の身体は魔力を扱うには長けておらん。その身に宿すのみで使える事はできまい。」


「でも魔法陣を使えるのでしょう?ここに来た時みたいに」


「まあそうではあるが、魔法陣をかければの?」


「そうでした」たまたま書けただけで他の魔法陣をしているわけではない。しかし覚えて帰れば少しは使えるかもしれない!そんな悠長な事を考えていると神さまから衝撃の言葉があった。いや有難い言葉をいただいたのかもしれない。




「しかし、その呪いのせいで元の世界にはもう戻れまい。わしの創った世界に送ってやろう」



以上、神様からの有難いお言葉であった。



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