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プロローグ

基本のスキルは変えずに、でも題名も設定も大幅に変えて投稿させて頂きます。

少しでも続きが気になると思った方はぜひ、ブックマークと評価をお願いします。

感想なども受け付けておりますのでお気軽に!




バンッ!!!!

「ユリア!ユリア!!お気に入りのドレスが汚れちゃったわ!早くなんとかしてちょうだい!!」

乱暴に開いたドアの音と同時にセレナお嬢様の怒声が響く。


お嬢様は10分前に行儀作法の授業を受けにサロンに行ったはずで、その間に散らかし放題の私室の掃除をさせられてた私は何事だと慌てて手を止め振り返る。

今着ているレースをたっぷり使った淡いピンク色のドレスはスカートの部分に大きな紅茶らしきシミができていた。

事故かいつもの癇癪か。

十中八九、癇癪を起こしたのだろう。

着替えながらもブツブツと講師の方の文句を言ってるし。

「あんな人になんて誰が習うもんですか!お母様にさっさと首にしてもらおうっと!」

と言った後はつまらなさそうに辺りを見渡し始めた。

掃除は途中だが、今言われた事を最優先にしないとまた不機嫌になるので脱ぎ捨てられたドレスを拾うために移動しようとしてお嬢様と目が合った。

そしておもちゃでも見つけたとニタリと笑顔を浮かべるお嬢様。

あぁ、昨日は夫人に捕まって遅くなったのに、今日も本を読む時間も魔法の練習をする体力も残らないかもしれない、、。

顔が引き攣らないように注意しながらサッと目を逸らす。

きっと意味はないんだけど。


「まだ掃除も終わってないなんて、ユリアは本当にグズねぇ。それとも私の宝石を盗むつもりで選びでもしていたのかしらぁ?」

芝居がかった猫撫で声でそう言い出すお嬢様。

(掃除が終わってないのはあなたが散らかしすぎている上に、1人で作業させられてるからです。宝石箱の前に居たのも、あなたが特に汚してくれていだからです。)

と心の中で反論しつつも俯いて黙っておく。

言い返したところでおもちゃ代わりの折檻がなくなるわけじゃないし、後が酷くなるだけだ。

そもそもこの宝石箱は誰でも触れるが、開けるための鍵は所有者本人の魔力。無理矢理開けようものなら風魔法で開けようとした者の手がスパッと切れる防犯仕様になっている。

そんな痛すぎる思いをしてまで欲しいものは入ってない。

だってお嬢様贋札掴まされまくりだもん。

わかりやすいヨイショに乗せられやすいお嬢様は、きっと商人の間でいいカモとして見られてるに違いない。

そしてよく似た性格の夫人も先日ただのガラス玉を宝石だと自慢してた。


「何も言い返せないって事は盗む気だったって認めるのね。手癖の悪い子にはお仕置きしなくちゃ!!」

と心底楽しそうに立ち上がり、お嬢様と一緒に入ってきたメイドに手を差し出す。

メイドから当たり前のように鞭を受け取り、怖がらせるようにことさらゆっくり近づいてくる。

お嬢様の顔はきっと酷く歪んだ笑顔なんだろう。

(大丈夫。いつもの事だ、何も反応しなければきっとすぐに終わる。痛くても、怖くても耐えられる。)

お嬢様も夫人も少しでも反応を見せればさらに酷くする。

この仕事についてすぐ鞭で打たれ、始めは痛みと恐怖にやめて欲しいと懇願したけど、聞き入れられる事は無い。

何度も受けた後反応が鈍くなってくると止めるのに気づいてからは、出来るだけ表情も声も変えず無表情を貫くようにした。

と言うか表情に関してはほとんど動かなくなった。

今日はどれだけ叩かれるのか考えながら少しだけ顔を上げた。

きっと今の私の顔は諦めの混ざった虚無だ。



「何?その顔、気に入らないわ。」

お嬢様は言うが早いか、鞭を振り下ろした。







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