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少女騎士団は今日から僕のハーレムになりました  作者: 真木あーと
第三章 騎士団の結束は魔の眼でも覗けない
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第47話 美しき野心家

 マエラースン・モルディーンには、大いなる野望があった。


 彼女は公爵家の次女として生を受けた。

 三代続けてこの王国の宰相である、この国でも最大の名家だ。

 そして、その地位は既に絶大で、侵そうとするものはするものは最早いない。


 マエラの兄の誰かが次の宰相になることだろう。

 現当主である父は非常に合理的な人間であり、正妻の子、愛人の子という区別もなく、長男次男などもなく、ただ、最も頭がよく、次世代にもその卓越した頭脳を残せる者を跡継ぎにすることだろう。


 そして、その者がこの国をこれからも操っていくことだろう。

 これが彼女には非常に不満である。


 何しろ、兄弟の中で最も賢いものは、彼女だからだ。


 ただ、もちろん女である彼女は公爵を、そして宰相を継ぐことは出来ない。

 だから、その競争に最初から参加もしていない。


 父は事あるごとに、「君が男だったらなあ」とつぶやいている。


 だが、彼女は女であり、誰かの娘、もしくは誰かの妻、という地位しか与えられることはない。


 それ自体は特に不満はない。

 彼女も父に似て非常に合理的で、地位などどうでもいいのだ。


 ただ、彼女は自分の卓越した知性をこの国のために、この家のために、誰よりも行使することが出来るはずなのに、出来ないということが不満なのだ。


 幼い彼女はそんな絶望的な状況でも諦めることなく、ただ将来のための勉強を続けていた。


 彼女に転機が訪れたのは、九歳の時。


 第一王女のお付として王宮に上がることになった時だ。


 お付になること自体、生まれた時から決まっており、そうなることを言いつけられてきた。

 だが、この時、女王から「父君にも話さないで欲しいお話があります」と言われ、王女が実は王子であることを告げられる。


 それを聞いた時、彼女の頭の中では、自分の将来の設計図が浮かび上がった。

 この国の長男として生を受けた者は、将来この国の王となるだろう。

 そして自分は公爵の娘、王の正妻としては十分な地位である。


 そのお付きとして仕え、将来は王妃となる。


 王妃は当然王族であり、公爵や宰相よりも身分は上だ。

 だが、そんなことに興味はない。

 マエラの野望は実質的にこの国を動かす力を持つこと。


 つまり、王妃として将来王になる王子を今から教育して自分に従うように信頼させ、自分に従えば間違いない、という感情を王子に植えつければ、自分はこの国を動かすことが出来るのだ。


 繰り返すがこの時彼女は九歳。

 彼女はそんな幼い頃から、この国を操る野望を持って行動をしていたのだ。


 王子の教育、となるとまずは手足として動かせる手下が必要だ。

 それには前から目を付けてある。


 キナレル伯爵家の三女、シェラーマナ。


 モルディーン家はキナレル家を配下に置いているが、その主人の結婚相手をモルディーン家が常に紹介していた。

 非常に美人ばかりであるため、キナレル家の主人は感謝するのだが、その実、その相手は必ず武に長けた一族から選び出した者で、キナレル家がより強くなり、そして、余計な知恵を付けないように画策していたのだ。


 簡単に言えば、キナレル家は馬鹿で強く、とても忠実な一族なのだ。

 そこでちょうどいい年齢なのがシェラーマナなのだ。


 現在七歳である彼女は、とても可愛く、王子も気にいることだろう。

 槍も年齢の割にかなり手練れで、更に言えば、とても素直な少女だ。


 彼女なら十分自分の駒になってくれるだろう。

 そう考えたマエラは、自分の父、そして、女王に、もう一人お付きを追加することを懇願した。


 そして、女王には王子殿下には全てを委ねるつもりでいるため、許婚を懇願する。

 それらは全て認められ、彼女の野望への道が始まった。


 今の今まで、それは順調に事を運んでいる。


 エメフィーはマエラの言う大抵の事には従う。

 ただし、少しでも目を離すと、計画外の事を起こすのだが。


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