↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

関東大厄災

拙い文章ですが良かったら読んでみてください。

  世界を支配できる力を、僕は見つけた。


 プロローグ


  目が覚めた。足音のせいだ。


「う、うん………?」


  靴が砂を踏みつける音がメトロノームみたいに一定のリズムを刻んでいるのが聞こえていた。


窓の外からは赤い光が差し込んでいる。


視界のピントは未だに合っていなかった。


  僕はまどろむ意識をまた沈めようとするが、どうも外がうるさくて揺り戻される。


  そんな僕の細やかな攻防の最中。


  爆音が轟いた。


「なっ!?」


  そこで僕の意識はやっと覚醒した。


  窓ガラスが小刻みに震え、心なしか地面も揺れている。


  一体何が起こったのか分からなかった。


ただ、僕に漠然と与えられた情報は確かに僕に恐怖を与えていた。


相変わらず、外では行進でもするかのような音が響いていた。


 ーー迷惑な奴らだーー


  僕は現実から目を逸らすようにそう思い、耳栓を取ってきた。


相変わらず、外は明るい。時計を見ると短針はまだ三にまでは到着していないようだった。


  僕は耳に詰め物をすると、もう一度布団に包まった。


まだ、僕が起きる決意をするには早すぎたのだ。




  翌朝。


  始めに気づいた違和感はいつもなら放送されているはずのチャンネルが放送時間外だったことだ。


「あれ、東京テレビもやってないのか?あれ、読み買いテレビも

だ。んー、東京系放送局は全滅だなー、どうしてだ?」


  僕はそう文句を垂れながら、それに拘るのを諦めた。


一昨日ここに来てからホームシックを和らげるためにしていた事だったが、放送していないものは仕方がなかった。


  そのチャンネルでは関西弁のコメンテーターが適当なことをのたまった後に、ニュースが始まった。


画面の左や下は何かの災害の情報を伝えるために、青色に塗りつぶされていた。


  ニュースではキャスターの後ろで、人が慌ただしく動いているのがわかった。


そして、深刻な顔をしたキャスターが感情を殺すように淡々と言葉を告げていく。


『今朝未明、謎の爆発が関東地方を襲いました。未だに被害の状況が把握できていないのが現状で先ほど大阪に設置された仮設政府から緊急事態宣言が……』


  僕は心臓が跳ね上がるのを感じた。


身体中に嫌な汗が流れる。


「か、関東地方って、アバウト過ぎるだろ……。も、もう少しくらい詳しい場所を言ってもいいんじゃないか?」


  そうやって僕は自分自身にそう言って聞かせた。


そうでないと、理解してしまいそうだった。


 理解したら、きっと僕はおかしくなるということだけは理解していた。


だから僕は笑ってやり過ごそうとした。


だが、そうして自分を守るように貼り付けた笑みはものの数秒で崩れた。


『ご覧いただけますでしょうか、もはや大都会という面影すら東京には残されていません。もう地図の目印になるものすら残っていない状況です』


  ヘリに乗ったリポーターの声はどこか現実味を感じさせない。


きっと彼女も認めたくないのだ。


 そして僕も。


そこが昨日までいた場所だなんて思いたくはなかった。


だが、それでも認めざるを得ない。


映し出されていたただの焦土を目の当たりにしたからには。


それも見渡す限り一面の。


「おい、そんな、嘘だろ」


  できることならドッキリだと言って欲しかった。


結構大掛かりなバラエティー番組の思惑に引っかかってしまった間抜けな少年。


もうそんなんでいい。


だからいますぐこのふざけた冗談を否定して欲しかった。


  しかし、瓦礫の残留すら許されなかったその真っ平らな土地は僕に告げる。


これが現実だ、と。


「そ、そうだ、母さんは……」


  僕は慌てて母に電話をかけるが短い電子音が何度か響いた後、女性のアナウンスに切り替わっただけだった。


何度もかけた。


時間をおいてかけた。


でも、ダメだった。そして、僕の手足に震えが走り始めて、もうそれは自分でどうにかできるもではなくなってしまった。


「お、親父は……」


  結果は同じだった。


何度やっても。


それがますます焦りを加速させ、そうして、僕の震えは全身を駆け抜けるようになった。


  僕は絶望に包まれた。


叔父の別荘に一人でここまで来たが、ここまでの孤独は感じたことがなかった。


帰る家のない絶望、待つ人のいない絶望、これからどうしていくのか甚だ検討すらつかない絶望。


そんな数々の闇が僕の心を塗りつぶし、やがて、僕は絶叫した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。