表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
団塊世代のミチとトラ、山ちゃんの三人があの世へと行けば! 優しく対応してくれたのは神様、女神様ではなく、仏様でした!  作者: かず斉入道
第1章 団塊世代初の異世界へのお導きは女神様ではなく仏様でした

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/565

第21話 巨大虎からの逃走劇と、運命の出会い

 巨大虎の咆哮が森を震わせる。


「ガァアアアアアアアアッ!!」


「ぎゃああああああああああっ!!」


「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ〜〜〜!!」


「ミチノリさん〜〜〜どうすれば〜〜〜!!」


 俺たち三人は、少女と一緒に全力で逃げていた。


 仙人の力を持っているはずなのに、完全に忘れている。


(やばい……本気で死ぬ……!)


 少女は涙目で叫びながら俺の袖を掴んだ。


「お兄さん達〜〜〜! お願いですから助けてください〜〜〜!!」


「いや、助けたいけど助けられん状況なんじゃ〜〜〜!!」


 トラが泣き叫ぶ。


「ミチのあんゃん! 儂ら仙人じゃろ!? なんかできんのんか!?」


「できるけど! できるけど!! 今はパニックで何も思い出せん!!」


「ミチノリさん〜〜〜落ち着いて〜〜〜!!」


 山ちゃんまで叫ぶ。



 ◇◇◇



 ■少女ラン、正体を隠したまま《《演技》》を続ける



 もちろん、この少女はただの村娘ではない。


 観世音菩薩が変化した姿──少女ランである。


(ふふ……釈迦如来さまの言う通り、最初のイベントは大成功ですね)


 内心では余裕綽々……。


 だが表情は必死そのもの。


「きゃああああああっ! 虎が来る〜〜〜!!」


 わざと転びそうになり、ミチノリの腕にしがみつく。


「お兄さんっ! お願いです! 見捨てないでくださいっ!」


「見捨てんけど! 見捨てんけど!! 俺も死ぬんじゃ〜〜〜!!」


 俺は顔を真っ赤にしながら少女を支えた。


 トラはその様子を見て叫ぶ。


「ミチのあんゃん! 儂も抱きつかれたいんじゃけど!? なんでミチのあんゃんばっかり〜〜〜!!」


「知らんわ!! 俺に聞くな!!」


 山ちゃんは冷静に叫ぶ。


「ミチノリさん! そろそろ仙人の力を思い出して!!」


「無理だって言ってるだろ!!」



 ◇◇◇



 ■巨大虎、ついに距離ゼロへ!



《ドォンッ!!》


 巨大虎が地面を踏みしめ、俺たちの背後に迫る。


「ガァアアアアアアアアッ!!」


 熱い息が背中にかかるほど近い。


 少女ランは、わざとミチノリの背中に隠れながら叫ぶ。


「お兄さん〜〜〜!! 助けてぇえええええ!!」


「無理無理無理無理!! 俺も助けてぇえええええ!!」


 トラは泣き叫ぶ。


「ミチのあんゃん! 儂ら仙人じゃろ!? なんか技とかあるじゃろ!? 棒とか剣とか!!」


「あっ……!」


 ミチノリの脳裏に、仏さまの言葉がよみがえる。


 ──如意棒は万能武器である。


「そうじゃ! 俺、如意棒持っとるんじゃ!!」


「早く出せぇえええええ!!」


「どうやって出すんじゃったっけ!? 仏さま〜〜〜!!」


「仏さまはおらん!!」


 俺はトラにツッコミを入れられた。



 ◇◇◇



 ■少女ラン、ついに《《ヒロインムーブ》》を発動



 少女ランは、涙目でミチノリの胸に顔を埋めた。


「お兄さん……わたし……死にたくない……」


「うわあああああああああああああああああ!!」


 俺の脳が中華美少女のためにショートした。


 トラが叫ぶ。


「ミチのあんゃん! 落ち着けぇえええええ!! 今はラブコメしてる場合じゃない!!」


 山ちゃんも叫ぶ。


「ミチノリさん! 如意棒を思い出して!!」


「思い出せん!! 少女が可愛すぎて思い出せん!!」


 少女ランは内心で笑う。


(ふふ……可愛いと言われるのは悪くありませんね)




 ◆◆◆




 ■観世音菩薩の《《天界ボイス》》がミチノリに届く



 その瞬間──


 俺の頭の中に、仏さまの声が響いた。


 ──ミチノリ、落ち着きなさい。


 ──如意棒は、あなたの意志で呼び出せます。


「仏さま!? 今だけはありがとう!!」


 俺は叫んだ。


「如意棒!! 来い!!」


《ゴォオオオオオオッ!!》


 空間が揺れ、黄金の光がミチノリの手に集まる。


「出たぁああああああああ!!」


 トラが叫ぶ。


「ミチのあんゃん! やっと仙人らしくなったのぅ!!」


 山ちゃんも叫ぶ。


「ミチノリさん! そのまま虎を──!」


 少女ランは胸の前で手を合わせる。


(ふふ……ここからが本番ですね)



 ◆◆◆



 ■ミチノリ、初めての如意棒で巨大虎に挑む!



 俺は如意棒を構えた。


「よし……やるぞ!!」


 巨大虎が咆哮する。


「ガァアアアアアアアアッ!!」


 俺は叫んだ。


「如意棒──伸びろ!!」


《バシュウウウン!!》


 如意棒が一気に巨大化し、虎の顔面を直撃した。


「ガッ!!?」


 巨大な虎が吹き飛ぶ。


 トラが叫ぶ。


「ミチのあんゃん!! やるじゃないか!!」


 山ちゃんも叫ぶ。


「すごいよミチノリさん!!」


 少女ランは胸に手を当て、わざと震えた声で言った。


「お兄さん……助けてくれて……ありがとう……」


 俺は顔を真っ赤にした。


「い、いや……その……仙人だから……」


 トラが叫ぶ。


「ミチのあんゃん! 照れとる場合じゃない!! 虎はまだ生きとる!!」


 巨大虎が再び立ち上がる。


「ガァアアアアアアアアッ!!」


 少女ランは俺の背中に隠れながら、内心でニヤリと笑った。


(ふふ……このイベント、まだ続きますよ)


 こんな恐ろしいことを考えているとは思わなかった。



 ◇◇◇

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ